【taku_cinemaさんの視聴ドラマの口コミ・感想・評価一覧】

  • アンナチュラル

    5.0
    • 出演者 4.5
    • ストーリー 5.0
    • 演技 4.5
    • 映像 4.5

    いつまでも語り継がれて欲しい傑作

    アマプラで配信されるとのことなので感想書きます。
    個人的な2018年のベストドラマ。
    生涯でもベスト10に確実に入ってくる感無量の大傑作。
    ここ数年のドラマの中だと間違いなくNo.1ですね...
    続きを読む アマプラで配信されるとのことなので感想書きます。
    個人的な2018年のベストドラマ。
    生涯でもベスト10に確実に入ってくる感無量の大傑作。
    ここ数年のドラマの中だと間違いなくNo.1ですね!

    1話完結型のドラマとしてもちろんとてもおもしろかったし、1話ごとに詰め込まれているテーマ性、社会問題の複雑性、表の世界では決して見ることができない翻弄される裏の世界。
    普段あまりスポットに当たらないが、本当に着目すべき世界をどんどん露わにしてくれ、そこに痛烈なメッセージと考えさせられる余白を残してくれる。

    その全てを、三澄ミコト(石原さとみ)、中堂系(井浦新)、東海林夕子(市川実日子)、久部六郎(窪田正孝)神倉保夫(松重豊)、坂本誠(飯尾和樹)のUDIチームを中心にそれぞれのキャラ付け、背景などの設定を含めてのセリフ回しで、シーンに対して深みがより出てくるし、その人がその言葉を放つ意味と重さがズッシリとのしかかってくる。

    1話完結としてのみならず、実は裏で点が線になっていて、しっかりとドラマとしてのストーリーも展開されていくのが凄すぎた。
    本当に毎回濃密で、それがどんどん積み上がっていく素晴らしいドラマだった。

    シリアスな内容すぎて重くなりがちになると思いきや、UDIチームの仲の良さを感じられたり、それぞれの掛け合いなどの日常生活がコミカルに描かれることで、重くなりすぎず、どんな人でも楽しめるような作品になっている。

    力なき者は権力に負ける、真実が抹消される。
    他人のことを思って他人の力を借りれない弱い者に救いの手を伸ばす、それが法医学でもある。
    それでも法医学は事実を追求することしかできない。

    死体を解剖しても、事実が明らかになったとしても、その人が戻ってくるわけではないが、少しでも救われる人が増えるように、同じことを起こさないように、小さいかもしれないけどそれが法医学の意味でもっと広がって欲しい。
    そんなメッセージ性を感じた。

    法医学を通して事実が明らかになり、事実に人の心や想い、感情を明らかにすることで真実となっていく。
    事実と真実を明確にわけてわかりやすく表現するのも、この作品ならではのよさだなと思った。

    その中でも特に心に残ったのは、第7話「殺人遊戯」。
    これはイジメを殺人遊戯とするその表現も秀逸だと思ったが、上記に書いたようなミコト、中堂自身が放つからこその深さと重みが非常に出てくるセリフ回しがとても印象に残ってる。

    7話で思ったことは以下。
    優しい人ほど得をしない生きづらい狭い世界。
    そんな世界は間違っている。
    なぜに組織はこうも最悪の結末を迎えるまで知らんぷりなのか。
    ここに学校の限界を見たような気がした。

    「逃げる=死」であってはいけないというのは今だからわかることやけど、小学校〜高校においては、どうしても学校だけが自分の世界になりがちだから、「逃げる=死」に繋がりかねない。
    だからできるだけ幼い頃から色んな世界を見せてあげて、色んな逃げ道を作ってあげるのが大事だと思う。

    逃げ道を作るというか、逃げる世界があるということ、逃げる選択肢があるということ、を知って欲しい。
    アンナチュラルもそうやけど、これをより細かく訴えていたのが「明日の約束」であった。
    最近作品を通して、逃げることも選択肢として入れてもよいという作品が出てきてるのは、個人的によい傾向だなと思ってる。

    そして生活や仕事をしていく上で最低限学んでおきたいことは、実は学校以外でも学べる。
    逆に学校で勉強したことのほとんどは生きていく上でプラスに働くことはあるが、絶対に必要なものであるとは限らない。
    学校から逃げることのハードルは高いかもしれないけど、逃げても人生は終わらないから、本当に辛いときは勇気を持って逃げて欲しい。

    それ以外にも、冤罪問題、長時間労働問題(家族のために尽くし続けて働く人を搾取するかのような長時間労働を強いる経営者)など、色んな問題に切り込まれていた。

    そして中堂の描かれ方。
    彼女が殺されるという過去を持つ設定から、荒々しい性格ながらも、過去の反芻などから来る正義感が強い性格が露わになってくる。
    だからこそ誤った形で、自分を制御できずに復讐を敢行しようとしてしまい、ラストで復讐の形を正したミコト。
    「法医学者として闘う、不条理な事件に巻き込まれた人間が、自分の人生を手放して同じように不条理なことをしてしまったら負けなんじゃないんですか。」
    このミコトの言葉に感動した。

    本当に素晴らしいドラマすぎて、回を追うごとに見入って、メッセージ性も言葉の選び方も本当に物凄くよかった。
    事実を明らかにすることで、隠されていた問題、裏側が明らかになり、真実が明らかになる。
    その一端を担っている法医学は、様々な境遇の人の未来を作る本当に意義があるものであると教えてくれた傑作ドラマだった。

    P.S.
    主題歌のLemonもシーンを助長させる素晴らしい曲で、今クール主題歌で個人的に一番よかったと思います。
    切実に続編希望!!
    野木亜紀子脚本恐るべし。
  • 私の家政夫ナギサさん 第4話

    3.5
    • 出演者 4.0
    • ストーリー 3.5
    • 演技 4.0
    • 映像 3.5

    全てを疎かにできない人生の転換期

    20代後半でバリバリ仕事をこなすが、仕事に没頭していて、家事や恋愛は後回しになってしまっていた女性が主人公。
    それでも母の暗示であるかのような「メイはやればできる子」という言葉により、何でも全...
    続きを読む 20代後半でバリバリ仕事をこなすが、仕事に没頭していて、家事や恋愛は後回しになってしまっていた女性が主人公。
    それでも母の暗示であるかのような「メイはやればできる子」という言葉により、何でも全て自分でこなしていかないといけない囚われを抱えていた。
    そんな主人公メイに多部未華子さんがめっちゃハマりすぎて、もはや彼女の当て書きなんじゃというくらいによい!(原作があるので違う)

    何かと仕事を優先してしまうのも、家のことが疎かになってしまうのも、恋愛になかなか踏み込めないのも、なかなかにわかりみが深い。
    何か違うところがあることといえば、自分には趣味がわりとあるくらいかな。笑

    男女の違いはあれど、何かと境遇が似通っていて、一つ一つの言動がゆるーく刺さってくる。
    全体的にゆったりとしていて非常に見やすく、ゆるっといつまでも観ていたくなる今クール最高の癒しドラマ。

    まさか大森南朋さんが家政婦で、しかもこんなに癒し要素の強い役をこなせるなんて驚き!
    近くで彼の出ている作品で観た作品は、『初恋』や『ビジランテ』だったりするので、この役のイメージは全くなかった。笑
    でもちゃんと見ると、確かに優しい雰囲気を纏ってる方でわりとハマり役だなと!

    基本的に出てくる人たち全員に程よい余裕があって、悪者が出てこない成長物語ってのが、自分の好きなドラマっぽさがあって観てるのが心地よい。

    『G線上のあなたと私』『逃げ恥』『凪のお暇』辺りを彷彿とさせ、お仕事の様子がわりとしっかりと描かれているので、近しい境遇の人に寄り添ってくれている感じがする。

    ◯◯は◯◯というステレオタイプはもう古いんだと言わんばかりに、それぞれがそれぞれの決めつけて発言してしまったことに対し、誤りを受け入れる姿もすごくよい。
    メイ母とメイの間に入ってナギサさんが、メイ母を諭して2人にわだかまりがなくなっていくシーン特によかった!
    今っぽいドラマだなと!

    家政婦については、この作品を観るまでそんなに気にも留めるとがなかったけど、こんなに身体的にも精神的にも支えになってくれるものなんですね。
    仕事しながら家事もやってみたいな生活をしていると、確かに家政婦の方がいてくれるだけで少しだけでも安らぎの時間を過ごすことができるし、何より部屋がいつも綺麗な状態で過ごせるってそれだけでよい。

    あと料理が全てとても美味しそう。
    基本的に外食ばかりなので、家庭の味かつ栄養バランスのよい食事を堪能できるようなサービスとか出てこないかなーと思ったり。笑

    物凄い転換点や盛り上がるシーンがあるわけでもなく、展開もわりとゆったりめに進んでいくので、そういうのが苦手な方に関しては相性があまりよくないかも。

    今後については、メイを取り巻く恋愛関係についてとメイの仕事の成長について、そしてナギサさんがどのようにメイと関わって関係を育んでいくのかが楽しみです!

    メイと田所はもう付き合っちゃってもおかしくないけどね!笑
    あの四角関係がどう転んでいくのか。
    このドラマだったら大丈夫かなとは思うが、ドロドロな感じにはならないことを願う。

    キャストの安定感しかりで、とても安心して観ていられるドラマです!
  • 今日から俺は!!

    3.5
    • 出演者 4.0
    • ストーリー 3.5
    • 演技 4.0
    • 映像 3.5

    コメディ作品は基本おもしろいとか笑いまくったとかしか書くことないから感想に悩む。笑
    結局そんな感じの感想になってしまいました。

    2018年一番笑わせてもらったドラマ。
    コメディは映画で...
    続きを読む コメディ作品は基本おもしろいとか笑いまくったとかしか書くことないから感想に悩む。笑
    結局そんな感じの感想になってしまいました。

    2018年一番笑わせてもらったドラマ。
    コメディは映画でもドラマでも何かが浮いててなかなかのめり込めないことが多いのですが、今作は全くそんなこともなく毎話しっかりとのめり込めて笑わせていただきました!

    福田雄一作品と言えば、実写化×コミカル、名だたる俳優×コメディエンヌと、とりあえずベースがコメディの印象。
    正直コテコテすぎて若干苦手意識あったけど、今作に限っては問題なしでした。

    何がよかったんだろうと色々考えてみたけど、やっぱりキャストが最高だった。
    福田雄一が活かしてるからだろうけど、みんな全く外さずにおもしろい!
    みんなそれぞれに持っているコミカルさを遺憾なく発揮できてると思う。

    キャラもしっかりと確立されていて全くブレない。
    さすがにこの場面はあのキャラ裏切ってくるんちゃうかと思ったシーンもブレずに貫いてくるし、逆にここで裏切って感動させてくるんかいみたいなシーンもあり予測不能。
    でも気づいたらずっと笑っててのめり込んでいた。そんな感じ。

    こんなに違和感なくコメディを楽しめたのは久しぶりかもしれない。
    当時見てたときは、恐るべし福田雄一組と思いましたよ!笑

    持ち前のズルさと世渡り上手な性格で難なく危機を乗り切っていく三橋(賀来賢人)。
    底抜けに真面目で正々堂々を貫く伊藤(伊藤健太郎)。
    まずは真反対な性格の2人のかけあいがたまらなくおもしろい。

    そこに三橋を優しく温かく見守り自らも強い理子(清野菜名)に、伊藤の前だか様変わりしてデレデレする二つの顔を持つギャップが激しい京子(橋本環奈)。
    底抜けに明るくめっちゃ友達思いのいいやつなのになかなか報われない今井(太賀)。
    それを憎めずに見守りついていく谷川(矢本悠馬)。
    それ以外にもムロツヨシ、佐藤二朗、吉田鋼太郎、シソンヌの2人とキャラが濃いキャスト陣。
    鈴木伸之、磯村勇斗、若月佑美と今をときめくキャスト陣。

    福田雄一作品以外だと全く別の顔を持っている俳優も多くいたが、今作では全員が笑いに振り切れまくっていて、本当に楽しそうに演技をしてるのが伝わってくる!
    だからこそこんなに違和感なく、この世界観を楽しめたんだなと妙に納得できた。

    何も考えずにひたすら身を任して楽しめるのが福田雄一ワールドなのか。
    意味がないからこそおもしろいという作品もあるんだなと。
    その底力を余すことなくぶつけられた感覚。

    あまりちゃんと喧嘩してるシーンがなかったからわからんかったけど、やっぱり三橋ってズルいだけじゃなくてめちゃくちゃ強かったんやな。笑

    基本コメディの中にわりと重厚な友情や愛情、プライドみたいなエッセンスもちゃんとあって感動させてくる展開もなかなかに贅沢。
    そういう意味ではラスト見事に裏切られた。

    物語の中で確かに成長していくみんながよくてずっと見ていたかった。
    出てくる誰もを結局は憎めなくて好きになれる。

    福田雄一とそれぞれのキャスト陣の爆発したコミカルセンスを感じられた作品だった。

    P.S.
    個人的に福田雄一作品は映画よりやっぱりドラマかなー。
    映画あんま観てないから観ず嫌いの可能性もあるけど、映画館よりも家で地上波で流し見で笑いながら観てたいって感じ。
    だから劇場版は観るかどうか悩んでる。
  • ごくせん1

    4.5
    • 出演者 4.5
    • ストーリー 4.5
    • 演技 4.0
    • 映像 3.5

    真っ直ぐに伝えられる生き方の指針

    再放送されていて再度ハマったのでTVerで完走。

    2002年作品ということで今から10年以上前、当時小学生だっただろうが、今観たらちゃんとそれぞれのシーンを覚えていた。
    ちゃんと既視感が...
    続きを読む 再放送されていて再度ハマったのでTVerで完走。

    2002年作品ということで今から10年以上前、当時小学生だっただろうが、今観たらちゃんとそれぞれのシーンを覚えていた。
    ちゃんと既視感があって、それだけ小さい頃に観て心に残ってた作品だったんだなと改めて思えたのがよかった。

    当時はただただおもしろいと感じていただけであっただろうが、今観ると当時よりも心が動くという観点で、このドラマをより堪能することができた。
    この歳になっても、たくさん笑ってたくさん泣ける。
    当時おそらくそんなに感涙はしてなかった気がするから、そこは自分も成長できてるところは少しはあるのかなって思えた。
    でも本当に大袈裟じゃなく、毎話どこかしらでは涙が出たドラマだった。


    このドラマは一貫してるテーマがあって、そこがブレない中に、人と関わり合いながら生きていく上で大切なことが毎回1話完結で骨太に語られる。

    毎回クライマックスがちゃんとあって、義理と人情を重んじる極道の目線から、今を生きる私たちに、生き方の指針となる考え方を教えてくれる。
    それこそが、どの時代にも通ずるものであり、誰が観ても響くものがあるはずだ。

    さらにそうだと心の奥底ではわかっていながらも、なかなか正直になれない人間の弱さにもちゃんと寄り添ってくれて、その上で気づきを与え、変化と成長を促してくれる。

    このドラマで一貫していたこと。
    それは関わる人とちゃんと向き合うこと、その人の過去や外見などに囚われずに、その人の今をちゃんと見ることの重要性であった。
    その中に誰かを特別視することはしない。
    誰もが対等に信じられ、疑われる。
    そんな当たり前のことが真っ直ぐに語られていた。

    子どもは大人に導かれて育っていく。
    そこでは大人の度量が問われることになる。
    そのとき、接する人がどんな人かによって、人生は大きく変わっていく。
    ヤンクミとの出会いで確かに変わっていった生徒たちを見て、それを強く感じることができた。

    周りからどう見られるかの世間体ではなく、過去や外見や普段の素行であらゆることにレッテルを貼るのではなく、それぞれの人自身にちゃんと話を聞いて向き合っていくことが大事。

    話を聞いてくれて味方になってくれると思える人がいるだけで、そこで生きることにポジティブになれる。

    3Dの生徒たちがだんだん成長していって、向き合うヤンクミに心を開いていき、お互いに信頼関係が芽生えていく。
    そして、お互いに自らを犠牲にしてまでもそれぞれを守る関係にまで発展していく。
    それもちゃんとそうなることに違和感がないように、物語が作り込まれているからより大きな感動に繋がっていった。

    あとは見やすさも非常にある。
    学園ドラマでかつ、不良や極道などが出てくるとき、どうしても喧嘩の描写が多くなりがちだと思うが、本作はあくまでヒューマンドラマに徹してるのがよかった。
    また話がわかりやすく、言動などに嫌悪を抱かない絶妙なラインでのそれぞれの人間描写、そしてコミカルさが共存していて、全世代が楽しめる作品となっていた。

    ヤンクミと沢田慎はじめ、生徒間のやりとりもそうだし、ヤンクミと他の先生方、特に校長先生とのやりとりが思わず笑ってしまい、それは校長先生の描き方が本当絶妙だったから。
    完全な悪者ではないし、その周りの教師の中立性も含めて、よい働きをしていたと思う。

    笑って泣ける。
    さらにそこに生きていく上での指針が詰め込まれていて、それこそこのドラマを観るだけでも人生の勉強になる。

    生きていく上で本当に大事なベースとなる部分をこのドラマは教えてくれた。
    それがないといくら頭がよくても偏差値の高い学校に行っても、お金をたくさん持っていても、それをよくない方向に利用されてしまうことがある。

    綺麗事かもしれないけど、綺麗事が当たり前にならないと、個性は蔑ろにされてしまい、どんなことにでも従うことこそが正になってしまうのではないだろうか。
    今一度色々と考えさせられた。
  • 愛していると言ってくれ

    4.0
    • 出演者 4.5
    • ストーリー 4.0
    • 演技 4.0
    • 映像 3.5

    愛し合っているからこそが織り成す物語

    再放送されていたのを鑑賞して、ハマったので完走しました。

    聴覚障がい者である画家と女優を目指す女性が出会い、すれ違っていきながらも愛を深めていく物語。

    繋がりそうなのに、なかなか繋が...
    続きを読む 再放送されていたのを鑑賞して、ハマったので完走しました。

    聴覚障がい者である画家と女優を目指す女性が出会い、すれ違っていきながらも愛を深めていく物語。

    繋がりそうなのに、なかなか繋がらないすれ違いの愛が、お互いの心情も交わってとても丁寧に描かれている。

    本作を鑑賞してると、映画『his』を鑑賞したときと近しい感覚が少しだけあった。

    声を通じて会話をすることができないことが恋愛の足枷になっている、という描写は少なくて、周りの理解もちゃんとある。
    だからあくまでも主題はそこではない。
    逆にそれによって、お互いの愛をより強く認識できるようになっていたし、ちゃんと「二者間の愛ゆえ」にフォーカスしているのがよかった。

    愛しているがゆえに、相手のことを色々と考えてしまって、何かをしようとすることが空回ってしまう。
    愛しているのに、相手のことを信じ切ることができなくて、よくない言動をしてしまう。
    愛し合ってるのに、だからこそ一緒になることに難しさが伴う。
    言葉足らずになってしまうことで起こるすれ違いが切なさを募らせていく。
    そんな恋愛におけるもどかしさが、このドラマには詰まっていた。

    全てが愛することが前提となって起こることであり、それこそがこのドラマのよさだなと感じた。

    愛が深ければ深いほど、その人の存在から受ける感情は、より大きく忘れられないものとなっていく。
    楽しいことはより楽しく感じ、嬉しいことはより嬉しく感じ、悲しいことはより悲しく、寂しいことはより寂しく感じる。

    そしてそういう人との一瞬一瞬は、ずっと心に残る大切でかけがえのないひとときで、そういう特別な日常は、何も特別なことが起こることではなく、日常の中に愛している人の存在があるかで決まってくる。

    誰かを好きになることから遠ざかっていくことで忘れかけている全てのことを、このドラマは思い出させてくれて、改めて愛し合える存在がいることの尊さを感じられる。

    ベタな演出や少し大袈裟な言動も含めて、このドラマには全てがプラスに働いているような気がした。
    ベタなのもこの時代だからこそ生まれたのかなって、やはりこの時代が作り出した今では生まれ得なさそうなベタさは、逆に現代にとってはあまり感じることができない真っ直ぐさが素敵だなと思える。

    意思疎通が今のように簡単にできないからこそ、真正面から伝わってくるものがあったり、一つ一つのやりとりにより心が敏感になることができるのかなと思う。

    豊川悦司と常盤貴子の色気が爆発してる攻めのオープニングもよく、ドリカムの曲が本当にハマりすぎててたまらなかった。
    このドラマそのものなんよね、これは大ヒットするのも超納得!

    矢田亜希子のデビュー作のかなり大袈裟なリアクション強めな演技も、逆に味があってよかった。
    16歳であの威風堂々としてる雰囲気出せるのは凄かった!
    どちらかというと上手じゃない演技に見えるけど、これくらい振り切れてる方が逆によかった。

    「愛してる」と言ってくれでなくて「愛している」と言ってくれなのは、手話だからこそなんだろうなと。
    普通に声に出すと愛してるとなるけど、手話だからこそ愛しているとちゃんと表現することができる。

    紘子は、天真爛漫の中に愛される何かを持っているヒロインとして、常盤貴子が圧倒的な魅力を放っていて、豊川悦司は今も渋くてかっこいいですが、当時あんなにかっこよかったのかってなった。
    常盤貴子ってどちらかというと聡明なイメージを抱いてたけど、お茶目な人柄もとても合ってた!

    あとは健ちゃんね!
    もうよい人すぎてどうにか報われて欲しいと最後まで願ってた。笑
    だからこそ彼を置いてけぼりにしない脚本と演出がよかった。

    ラストの展開はわりと予想外な感じだったけど、余韻が残ってよかったし、あのラストシーンができたのも、ラストの展開があれだったからこそできたことよね。
  • 野ブタ。をプロデュース

    5.0
    • 出演者 5.0
    • ストーリー 5.0
    • 演技 4.5
    • 映像 4.5

    僕たちはどこでだって生きていける

    ついに終わってしまった。
    絶賛ロスに陥ってしまっています。
    今まで観た青春ドラマの中でもベストを争うくらいによかった!

    全てを語らずに、あえて考えさせてくる脚本。
    そう、これを観て感...
    続きを読む ついに終わってしまった。
    絶賛ロスに陥ってしまっています。
    今まで観た青春ドラマの中でもベストを争うくらいによかった!

    全てを語らずに、あえて考えさせてくる脚本。
    そう、これを観て感じて考えるのが大切なんだ。これからをちゃんと生きていくために。
    これからの人生に対して最高のメッセージを与えてくれる。
    学生生活における青春の喜怒哀楽をしっかりと詰め込んで、最終的にあの時間は素晴らしいものなんだという結論に落とし込む。

    そのために必要な生徒間同士の関わり合いや大人の関わり方がしっかりと描かれていて、どちらの視点からも考えさせられるものがあった。

    その中で大人の生徒に対しての関わり方は特に印象的であった。
    学校というものは意識しなくても、大人と生徒の間に、常に見えない主従関係が蔓延っていて、先生が生徒に命令する構図ができあがるのが常だ。

    ただし本作には、何か指図をしたりマウントを取るようなことを大人が決して行わない。
    本当に必要なことは、ヒントを伝えて後はしっかりと考えて、答えを自分で出すように促していく。
    色んなことを経験して、見て、知って、感じ取って、色んな観点を加味した上で、自分なりの選択をしていく大切さが説かれている。

    その過程は成長したときに訪れる様々な現実でもあり、全てが自分を創る上で必要な一つとなるはず。
    それが積み重なって一つの指針になっていく。

    教育とは、統制でも放任でもなく、示唆することなのではないかと感じた。

    そして、生徒間で起こった全てのことは、先生が入るのではなく、あくまで生徒間だけで解決しながら、より強固な絆が育まれてるのもこのドラマを語る上では外せない特徴である。

    あくまで自分たちで誤ちに気づき、難しい行動と思考を変えて前に進み、それを受け止める相手がいる。
    そんな空間は、いつのまにかとてつまなく居心地のよい場所になっていて、それゆえのあの最終回は本当に感動した。

    野ブタは一人で笑えるようになって、最後にキャッチボールのボールをしっかりと返すかのように、転校する修二と修二がいなくなった彰が悲しまないように彰を送り出す。
    そしてここで、青春アミーゴの歌詞の伏線回収までするという最強すぎる脚本。
    理想を超えてくる最終回。

    「僕たちはどこでだって生きていける」
    自分にとっての大切なものさえしっかり持っていたら、どこでだって生きていけるんだ。
    学校にこだわらなくていい。そこだけが自分の世界ではないと、今悩んでいる人たちの希望にもなる最高のラストであった。

    あとね、みんながどんどんよい顔になっていくのがよかった。
    修二と彰には人間としての厚みが出てきて、野ブタはどんどん自信を持てるようになり、可愛くなっていって、自分以外の誰かのことを考えられるようになっていく。

    とにかく本当によくて、隅々までこのドラマを堪能しました。

    本当に10年以上前に実在してたんだと思うくらいに、現代的で優しく今を未来に向かって後押ししてくれる作品。

    こんな青春×学園ドラマにまた出会いたいし、これを見せられるとやはり学生時代に戻りたくなるよなー。

    P.S.
    修二と彰と野ブタとまり子のキャスティングとそれぞれの共演が今思うと本当に奇跡的で、それを観られるのももう最高でした。
    亀梨和也と山下智久はかっこよくて細かな機敏までしっかりと演じられていて、堀北真希は本当に闇を纏ってる雰囲気からだんだんと変わっていく演技がよく、戸田恵梨香はもうあらゆる人たちの理想のマドンナを見事な透明感で演じ切った。本当によい子すぎて泣けた!
    木皿泉さんの脚本に完全にハマったので、他の作品にも時間ある限り手を出していきたいと思います。

    ツイートしたそれぞれの回の感想も以下に書いておきます。
    【8話】
    ちゃんと見てきたからその人を信じられるよね。
    どん底に落ちているとき、味方になってくれる人が少しだけでもいれば生きていける。
    そしてそんなことも何年後かには、思い出や黒歴史として懐かしむことができるようになる。
    それも全て自分を創るかけがえのないものになっていく!

    修二が警察官には信じてもらえなくて、クラスメイトには修二が信じてもらえないと諦めていて、それでも修二と彰と野ブタは信じ合えることができた。それが全て!
    信じ合うにはそれだけの関係の深さとその人の理解が問われる。
    周りとの関係の描かれ方も含めて本当によくできてる!

    修二と彰と野ブタそれぞれの人間性がちゃんと描かれた上で、8話でそれぞれのらしさが溢れて、明確に3人が3人にとってなくてはならない存在になる。
    圧倒的クラスの人気者として君臨していた修二の状況がガラッと変わることによってそうなるのが、学校ならではって感じする。

    【9話】
    真実を知ることも、自分の色んな面を知ることも、そしてそこから自分を変えようとすることも、全て誰かと関わることから始まる。
    そのとき、ありのままを知られてもなお、受け入れ寄り添ってくれる誰かがいることがどれだけ救いになるか。
    本作にはそんな優しさが詰まっている。
  • 過保護のカホコ 第7話

    4.0
    • 出演者 4.5
    • ストーリー 3.5
    • 演技 4.5
    • 映像 4.0

    極端だからこそ感じられるもの

    7話をメインにした感想です。

    設定、展開、それぞれの成長、変化をおもしろおかしく、時にシリアスに楽しめるドラマ!

    遊川さん脚本の作品は良くも悪くも極端なので、好き嫌いがわかれるのは仕...
    続きを読む 7話をメインにした感想です。

    設定、展開、それぞれの成長、変化をおもしろおかしく、時にシリアスに楽しめるドラマ!

    遊川さん脚本の作品は良くも悪くも極端なので、好き嫌いがわかれるのは仕方ない。
    でも見方としては理解できなかったとしても、主人公にとにかく移入して見てみることをおすすめしたい。
    あ、生理的に受けつけなかったら無理に鑑賞する必要はないと思います。

    カホコは過保護であることにより、本当に世間知らずで、びっくりするくらい的外れな行動を理解すること、受け止めることは難しいし、苛々する方も多いと思う。

    でも本当に真っ直ぐに大切なことに気づかせてくれるのはこういう人だったりするんだろうなー。
    だから麦野くんも惹かれて来てるんだなーと思う。

    確かに価値観、育ち方、環境など、全然違うけどそういう2人だから成り立つ関係もあるのか!

    7話の最後には家族観のズレにより、別れることになってしまった。
    家族観という観点で見るとどちらもの家族をとり巻く環境が全然違うから、お互い相容れなくて理解し合えないものがあるのは仕方ない部分もあるだろう。

    お互いの家族観をどちらもが受け止めることなく、発散するからすれ違いや衝突が起こる。

    色んな家族があることをお互いが知って受け入れることから始まりそうだが、何かでそういうものを見たり、感じたりしないとイメージすることすら難しい。

    価値観の衝突はいずれかが、それを受け入れる度量、それが違ってでも一緒にいれる、いたいと思えるくらいまでその人を好きになれないと、恋愛関係を続けることが嫌になり、別れに繋がる。

    お互い相容れないことに対して、受け入れないといけないのはわかるけど、対面になったり、それがずっと続くとなると途端にハードルが上がる気がする。

    麦野くんは、カホコの他の自分とは全く違う考え方は受け入れてるのに、家族観だけは受け入れられないのには、相当な背景があるのがわかる。

    違うからこそ一緒にいれる関係になること、別れに至ること、どちらもを感じられるのは贅沢。
    カホコも外の世界や人の嫌な部分を見ることで、隠し事をしないといけなくなったり、作り笑いをしないといけなくなったり、耐えないといけなくなったり…でも生きるってこういうことだよなーと。
    微笑ましいながらもシリアスな要素もちゃんと入れてくれる、感情の揺さぶりが物凄いジェットコースター的なドラマ!

    麦野くんのキャラがよくて(ほっとけなくてついかまっちゃうのも)、自らが夢追い人でバイトと絵描きの大学生活をしてるこの設定だからこそ、発言により説得力が出てくる。
    自分には持っていないカホコの性格や考え方、魅力に気づき始め、それが本物だと理解し始めるまでの変化が見もの。

    そして、おばあちゃんからの言葉で学ぶことが多く、これは過保護のカホコだけの物語ではなく、家族やカホコを取り巻くそれぞれの物語でもあり、まさに色んな人の成長を描いているドラマでもある。

    成長は、気づいて、受け止めて、考えて(もしくは聞いて)、行動を変えることで生まれる。
  • 中学聖日記

    4.5
    • 出演者 4.5
    • ストーリー 4.5
    • 演技 4.5
    • 映像 5.0

    愛と夢は必ずしもトレードオフではない

    関東での再放送も本日で最終回。

    5話の感想も別途TVログ内にてまとめていますので、そちらもよければ!
    こちらは6話以降を中心にした全体の感想です。

    教師と中学生が恋愛関係になるまで...
    続きを読む 関東での再放送も本日で最終回。

    5話の感想も別途TVログ内にてまとめていますので、そちらもよければ!
    こちらは6話以降を中心にした全体の感想です。

    教師と中学生が恋愛関係になるまでとその周りの反応、抑えきれない感情…この難しい世界観がしっかりと創り上げられていてのめり込めた。

    教師と中学生だった関係が終わってからの6話以降、若干の休憩時間のように大それたことは起きずに、いわばそれぞれの整理の時間が続く。
    この間の時間を描くのはすごく難しかったんじゃないかと。

    9話で大きく動き出す。
    聖と晶以外の周りの人たちは、それぞれの対象者に向き合って直接的に変えようとするのでなく、外堀を埋めるか逃げるかになってたから、ここまでの年月を重ねてやっと本質的に進展していく。
    その中で、黒岩父と晶の対話がかなりエモかった。
    正直この本質的な進展からの物語をもっと見たかった感はあったけど、そこからが2話観られただけでも贅沢か。

    そして最終回。
    結局あのように2人の恋愛が成就する結末になったことは、2人の強く諦めないお互いの愛が認められたという見方ももちろんできるが、それ以外に「愛(好きという気持ち)」は自らの感情として暴走させるのでなく、相手の立場や状況、未来などの全てを鑑みた上でどうするかを考えて、行動していくことで昇華するのが大事であることのメッセージでもあったように思えた。

    その中で極めて重要だったのがタイミング。
    だから黒岩が大人になってまた最後に出会えた。
    このタイミングにお互いが繋がることが、お互いの幸せのために最善だったのである。

    恋愛に一直線になりすぎると、(特に今回のような場合は)周りが見えなくなり、それがなかったときに選択肢としてとれたであろう大切な希望の未来が潰れることになる。

    恋愛と色んな選択肢をとることができる希望の未来(夢)。
    これは何も必ずしもトレードオフではないということ。
    だとしたらもっと伝えてもよかっただろうにと思ったが、それも伝わらないほどに周りが見えなくなっていたのもまた今作の「あるまじき純愛」が交差する恋愛であるというのが今作のオチだったのではないか。

    あそこまでしないとそれに気づかずに暴走してしまっていた。
    何かを捨てることになってた。それは晶だけじゃなく聖も。
    2人とも、(特に聖は)何か失ったように見えたけど、結局何も失わずに済んでいて、それはあのとき完全に2人が引き離されたからである。

    どこかでくっついてたらそれはそれでどちらもが何か失っていたよなーと考えるとよくできてる。
    どこかでくっついていたら晶は大学に進学すること、聖は別の形で教師になることは、確実にできていなかっただろう。
    それは本当の意味での幸せではないというのが答え。
    「聖ちゃんがこの先ずっと笑っていられますように」
    晶が書いていた日記のこの言葉が全てだった。

    2人を引き離そうとしていた黒岩母は、実は2人を引き離したかったのではなく、晶の未来を壊したくなかっただけだったのかもしれない。
    2人が繋がってたら上記のように何かしらを捨てないといけなくて、それだけは避けたかっただけだったのではないかなと。
    大学を出たことで母親としての仕事は終わって、だから解放した。
    この思惑をラストシーンで考えられるようになって、物凄い感慨深い気持ちになった。

    もちろん引き止めていたのは2人の恋愛を認めていなかったことも背景にはあったにせよ、こんなにも子のことを考えた上で出していたあの行動だったのかもしれないと思うと、あの行動とかも素敵なことだったんだなーと。

    ラストに向かうにつれて、本当の意味でそれぞれが誰かのことを考えてその人のために行動に移していくようになっていくのが印象的だった。
    結局誰も責められないし、むしろポジティブに思えるようになっていく展開。
    それぞれの経験したことが確かにみんなによい影響を与えていき、ラストシーンに昇華されていく素晴らしいドラマだった。
    ラストちゃっかり伏線回収もしてくる。

    また、物語の中で流れるからこそ、音楽たちがたまらなくよくて、もうドラマの中で聴けなくなるのかと思うと残念。

    キャストはみんなよかったですが、何より世間から見てあるまじき行為をする背徳感とは対照的に、白み(透明性)や美しさをどんどん帯びていくヒロインの先生を見事に演じた有村架純が最高によかったです!

    このドラマは好きすぎて観たり主題歌や挿入曲を聴くと、ついのめり込みすぎて他のことに手がつけられなくなる強度があるので、当時の放送以降、時間あるとき以外は意識的に逆に触れないようにしてます。笑

    P.S.
    中学聖日記がここまでの傑作たり得たのは、有村架純や岡田健史をはじめとするキャスト陣の名演と音楽の素晴らしさももちろんあるが、何と言ってもそれらをひっくるめた塚原あゆ子の演出あってよね!
    あんなエモい演出、間違いなく唯一無二でしょ!
  • 野ブタ。をプロデュース 第7話

    5.0
    • 出演者 4.5
    • ストーリー 5.0
    • 演技 4.0
    • 映像 4.0

    青春ドラマの金字塔

    大傑作。滅多につけない★5です!
    現在再放送で放送されているから鑑賞してるけど、本当におもしろくて毎回心に残るものがある。

    本当にこんなにも毎回色んな思いが溢れて何か書かずにはいられない...
    続きを読む 大傑作。滅多につけない★5です!
    現在再放送で放送されているから鑑賞してるけど、本当におもしろくて毎回心に残るものがある。

    本当にこんなにも毎回色んな思いが溢れて何か書かずにはいられないドラマ久しぶり!
    しかも物語がちゃんと地続きで繋がっていて、生まれる結果や葛藤が物凄くリアルに感じられる。
    同じ人と関わり続ける環境だからこそ生まれるものって良くも悪くもあって、青春はその最たる時間で、そこに詰まってるあるゆるものがこのドラマでは描かれている。

    特に3話辺りからがたまらなくよい。
    当時は当時で楽しんで観ていたけど、当時とはまた違った視点からこのドラマを観ることができていて、より傑作であると感じられ、実は大人が観た方がグッとくるドラマ。

    当時の自分は野ブタに注目がいってたけど、今観ると修二に対して一番感情移入してる気がする。

    実は変わりたいと願う人は野ブタだけじゃない。
    青春を謳歌しているように見える人も、実は何となくその状況にもやもやしていたり、完全に満足している状態とは遠かったりする。
    それは自分に正直になることができる場、自分が本当にやりたいことに気づいたときに、突如として頭によぎってくる。

    クラスのみんなと仲良くて、クラスの人気者で注目を浴びる学生生活。
    そんな修二が表に出る言動と裏にある自分の思いが違うことに葛藤し、あらゆる場面を取り繕うだけになってしまっていて、心の底から日々を楽しめなくなっていく。
    そして誰かと深く関わるのではなく、全員と同じようにできるだけ多くの人に好かれるように関わっていく修二は、本当に人と関わるとはどういうことか、自らの感情について思い悩んでいくことになる。
    人気者でありたいと願っていたのに、いつのまにかそれに追われ続ける人生となっていくのだ。

    彰や野ブタに出会わなければ、修二はそれなりに楽しい学校生活を送れていたけど、本当に大切なことには気付けずに終わっていたのではないだろうか。

    いつでも人は変わることができる。
    それは変わりたいと思うことにまずは気づけるかがスタート地点となる。
    良くも悪くも自分とは全く違う生き方や考え方をしてる人と関わっていくときに、そういうのは生まれたりするんだなと改めて考えさせられる。

    そして後半につれて彰を起点にした様々な葛藤や悩みもしっかりと浮き彫りになってくる。
    その裏に、青春の象徴である恋愛や感情、一人ではいたくない思いなど、色んなものに対する悩みが背景も含めて丁寧に描かれてるから登場人物たちに寄り添って同じように考えられる作品になってる。

    学生に戻りたくなるドラマといえば、不動の1位は『プロポーズ大作戦』ではあるが、次いで『野ブタ。をプロデュース』が来るんじゃないかというくらいにはハマってる。
    いじめを題材にしていた印象が強かったので、学生生活が嫌になるかと思っていたら、学生特有の青春全てが題材になっていて、時折大人のあれこれも入ってくる物凄く深い珠玉の青春ドラマであった。
    再放送観られてない方いたら、今からでもぜひ観て欲しい!特に3話から全て!

    ここからは備忘録的に流していたTwitterの各回の感じたことを改めてこちらでもまとめておきます。
    【3話】
    野ブタのよさが詰まった神回!
    この(お化け屋敷の)回わりとちゃんと覚えてた。感動!
    一瞬一瞬が奇跡でかけがえのない時間であることを伝えてくれる中で、学生時代特有の楽しさの裏にある不安が出てくる。
    色んな人の表と裏。ただただ何も考えず毎日を楽しく過ごせたらいいのに、それが簡単なようでとても難しい。

    今が楽しすぎるほど、先(未来)を考えると不安になる。
    この生活がいつか終わって、みんなと会えなくなるときがくる。そしてそれは真理でもある。
    そうなるとどうしよう。一気に現実が押し寄せてきて何者でもない自分が不安になる。
    当時よりも修二の気持ちわかりみが深い。

    【4話と5話】
    3話は1話完結で神回だったけど、それをも超えるくらいに4話5話と物語に深みが出てきててまじで凄い!
    こんなに泣けるドラマだったっけ!修二の本心が移り変わってて、それがわかるようにラストに呟かせる演出もたまらない!
    本当にただの青春ドラマじゃない。
    5話にしてすでに傑作!

    野ブタだけに寄り添っていくと思いきや、ちゃんと一人ひとりに寄り添ってくれてる!
    その中でも修二の描き方が絶妙にうまい。彼の人間味こそこのドラマの醍醐味!
    共感もできるし、自分を見つめ直して色々と考えさせられる。
    成長によって見方が変わるドラマはとても好きです!

    やっぱり学生生活、青春を題材にする作品って素晴らしいなー!
    誰もが共感できる人間関係がちゃんと描けて、それによる心の動きや悩みとかもちゃんと描けるんよね。

    【6話】
    表と裏。理想と現実。
    大人が取捨選択を迫られ、どこかに収まっていかざるを得ない現実が描かれる。
    生きていくためにはお金が必要。やらないといけないことも増えていく。
    でも人生それだけに支配されたくない葛藤やそれぞれの背景があり、それら含めて色んなことを知っていく思い悩んで何かを得ていく3人。よすぎる!

    6話はここに来てまた1話完結での神回レベルだった。
    修二がサラリーマンを見たときの感じ方の変化が、冒頭と終盤で同じシーンを反復することで表されていて、そこに至るまでの描写もしっかりしてるから全然違和感なく深く入ってくる。

    修二「ちゃんとした人間になる」
    彰「道端の十円玉」
    野ブタ「笑って生きる」
    1話の頃だったら、3人が出会ってなかったら、この進路にはならなかっただろう。修二は外面だけじゃなく内面に目が向くようになり、彰は自分の転がり方を知り、野ブタは感情(喜と楽)の尊さを知る。

    【7話】
    修二の周りにはいつも人が集まる。
    それは修二がどんな人とも関わりたいと願いながら、深く関わることを諦めていないから。
    クラスの人気者になってもなお、関わる人全員を傷つかせないように、悲しませないように、笑顔にしようとしている。実はとても繊細で優しいところがある。

    でもその優しさは、時として人を傷つけてしまう。
    人とは関わりたいけど、人が好きにはなれない。恋愛感情がわからない。
    でもどこかで断たないと、より相手を傷つけてしまう。自分にももどかしさが残り続ける。
    色々考えちゃうから簡単じゃないし単純じゃない。寂しい。

    野ブタに抱きつかれた後、修二はやっぱり俺野ブタのこと好きなのかもしれないとくると思いきや、寂しいときたのは本当に震えた!
    人を好きになることがどういうことかわからないことがあって、そのときは確かに寂しいと感じる。
    楽しくてもずっと孤独から抜け出せない感覚。
  • 中学聖日記 第5話

    4.5
    • 出演者 4.5
    • ストーリー 4.5
    • 演技 4.5
    • 映像 4.5

    言語化し難い想像を絶するエモな魅力

    関東で再放送されているので、当時鑑賞していたときの感想を含めて改めて整理直しました。
    これは1〜5話を鑑賞しての感想です!

    タイトルと設定から浮世離れしていてのめり込めるかが心配で、有村...
    続きを読む 関東で再放送されているので、当時鑑賞していたときの感想を含めて改めて整理直しました。
    これは1〜5話を鑑賞しての感想です!

    タイトルと設定から浮世離れしていてのめり込めるかが心配で、有村架純主演なのでとりあえず1話は観ようと思った今作でしたが、気づけばめっちゃのめり込んでました。

    まずキャストでいくと特筆すべきはもちろん主演の有村架純。
    この作品は有村架純ありき。
    映画『寝ても覚めても』の唐田えりかでも似たようなものを感じたんだけど、いわゆる世間一般から見るとあるまじき行為をすることの背徳感とは対照的に透明性(白み)を帯びていくヒロインがいるからこそ、全員が見ていられ、いつのまにかのめり込んでいる世界観となる。

    こういう作品のヒロインは、なかなか理解されにくい前提があるから、とても難しいと思う。一筋縄では成り立たない。
    全く別のセンスも要するからこそ、他の売れっ子女優が演じたとしても違和感が少なからず出ると思う。

    いつ恋の有村架純と雰囲気似てると言われているけど、一つ大きな違いがある。
    この抜け感(天然要素とギャップ)はいつ恋のときには全然なかったし、むしろ有村架純の新境地であり、真骨頂な気がする。

    上司、生徒、保護者、彼氏とあらゆる立場の人に抑圧されていく役を、朝ドラヒロイン有村架純が演じているというのが相当にエモい。

    そして1章の集大成となる5話の有村架純、岡田健史、吉田羊、町田啓太、夏川結衣、夏木マリ…それぞれが爆発して、何とも言い難い切なさを余すことなく表現する演技が特に素晴らしすぎて震えた。
    有村架純と吉田羊は言わずもがなやけど、5話については町田啓太の演技がすごくて驚いた!
    夏川結衣の母親役、岡田健史の達観してる中学生役もハマりすぎててよかった。

    また、それ以外の要素としては、やっぱりこの理解されづらい世界観を絶妙に描き、音楽でさらにその世界観を魅力的な雰囲気に変えてのめり込ませてくれるのが本当によい。

    何と言ってもこのドラマはキャスト、音楽、演出、ロケーションなど全てが美しく綺麗な雰囲気を作っていて、それが本当に魅力的でどんどんハマっていってしまう。

    原作はどんなんかわからんけど、この実写化を実現したこのドラマに関わってる人全てがすごいと感じられる。
    実写化したら冷めそうなドラマやから挑戦だけでも凄いのに…火10は「逃げ恥」や「ぎぼむす」でもそうやったけど、よい意味で期待を簡単に裏切ってくれる作品が多い。
    パスしようと思って何気なく観るものが全てよい。

    ずっと脳裏に残り続けて、鮮明に記憶に残り続けるドラマであり、毎話余韻が残る。

    大きな事件やハラハラするスピーディーな展開があるわけじゃないけど、言葉全てが深くて情緒的。
    みんな誰かに振り回されているけど、だからこそ自分と向き合ったり自分の想いを確かめてみたり考えてみたりするきっかけになっていて、そこで変わる行動と変わらない行動に深さがある。

    友達は理解してくれるけど、大人は決して判ってくれない。
    あらゆることを知っているからこそ、経験してるからこそ、このような事象を判ってくれない。
    逆も然りで、大人が言うことも子どもは判らない。
    そんなの当たり前だけど、このような背景がちゃんと描かれてるからこそ、どちらの気持ちにもちゃんと寄り添える作品となっている。
    みんなが誰かを思い続けて起こす行動でみんなが離れてしまうって…切ないけどなんか美しい。

    そして2章に入って、3年後に新たな展開を迎える。

    じゃない方が3年経ってまだどれだけじゃない方なのか…黒岩と勝太郎は本気なのか。
    予告見てると結局また後退する気しかしないし、前に進んでるように見えて進めてない気がする。
    ある程度長く付き合い(友達や上司部下などの近しい人間関係)があって好きにならない人を、付き合ったら好きだった(何なら今も好きかもしれない)人より好きになるってのは相当なことがないと難しいのではと思う。

    そんな中、聖の懐にうまく入り込むニューな先生がとてもズルいなと感じてしまう。笑
    でも本当に好きなら誤ちを犯した過去を全て受け入れたり、めんどくさいことも背負いたくなる気持ちはわかるから、結局ここも共感しちゃう。

    色々なシーンにハマり確かに雰囲気を作り、ときに助長していく音楽も非常な素晴らしい。
    主題歌はもちろんだけど、主題歌以外に流れる音楽でここまで雰囲気を作ってるのはそうそうないと思う。

    とにかくエモエモな演出がとても魅力的で、どんどん引き込まれていきます。
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