【taku_cinemaさんの視聴ドラマの口コミ・感想・評価一覧】

  • MIU404 第11話

    5.0
    • 出演者 5.0
    • ストーリー 5.0
    • 演技 5.0
    • 映像 5.0

    「選択」と「覚悟」

    ついに終わってしまいましたね。
    めっちゃロスになるかと思いきや、個人的には色々と周到すぎて意外とスッキリと鑑賞を終えられました。

    ただ、やはり来週から『MIU404』が観られないのは寂し...
    続きを読む ついに終わってしまいましたね。
    めっちゃロスになるかと思いきや、個人的には色々と周到すぎて意外とスッキリと鑑賞を終えられました。

    ただ、やはり来週から『MIU404』が観られないのは寂しい。
    それだけおもしろかったし、毎週楽しみにしていたドラマでした。

    SNSを眺めているとこのドラマに対しての視聴者の熱が物凄く感じられて、まだまだドラマの可能性を強く感じられることができたのもよかった。

    最終回は15分拡大と言えど、あそこまで完璧に、かつ綺麗に終わらせられるとは思ってなく、今回も期待を超えられました。

    最終回を観て、いくつか書き残したいことができたので書きます。

    ・黒幕としての久住の描かれ方

    まずは久住(黒幕)の描かれ方について、野木亜紀子さんらしさというか、新しさを感じたので、そこに触れたい。

    今回久住に関しては掴みどころがなく、血が通っている人間らしさがあまり感じられなかった。
    大体このような犯人が描かれるときは、何か大きな動機があったり、加害者なりの正義や野望があって、そこに対してまたメッセージや共感性を感じることができて、それが作品の中の描きたかったことにも繋がるものが多い。
    もしくはサイコパスとして描かれるものもよく見る。

    でも久住の場合はそのどちらでもないように思えた。
    彼には知性もあって、世渡りが上手な一面もあって、生きることに困りそうな要素がなかった。
    久住の裏側については全く描かれなかったので、結局動機もわからずに終わった。

    ただし、彼の「お前たちの物語にならない」に彼の生き様というか本質、はたまた何でも人間が考えられる枠(動機や過去、背景による歪みなど)にハマらないこともあるという世の中の真意が詰まっていた感じがした。
    何でもかんでも自分の解釈で誰かの物語を自分の物語にするなと言われているようだった。

    そして、久住は孤高であり続け、常に自分と同じ目線に人間を置かないことで、自分が恩恵を受けて、自分を律することができていた。
    世の中には搾取する側の人間もいれば、搾取される側の人間もいる。
    搾取される側は騙されていると感じない。むしろ感謝されることもある。
    そういう関係を保ち続けるために、彼は本当の意味でわかり合える存在がいなくなっていたのかもしれない。

    ちゃんと考えて行動を取捨選択しなければ、搾取される側になることもあり、今の世の中では国全体でそうなる可能性も秘めている。
    他人事ではないと感じた。

    久住にも同じ目線で会話することができる人(伊吹や志摩などの四機捜の人たち)との出会いがあれば、もっと人間らしく生きられたのかもしれない。

    久住が伊吹と志摩を殺さなかったのは、本当に(同じ目線としての)仲間になりたかったからじゃないだろうか。
    そんな気がしてならなかった。

    ・搾取する側への警告

    先ほど久住は搾取する側の人間であり続けるために孤高であり続けたことを示したが、最終回では搾取する側への警告を示唆する内容となっていた。

    それを感じたのが、ドラッグにより搾取し続けた人たちに自分が撒いた種が原因で、逮捕される直前に助けを求めることができなかったあのシーンだ。

    あれだけ綺麗に自業自得を見せられるものは他にないと思う。
    やってしまった悪事は最後には自分に返ってくる。

    それが搾取している側への警告と感じられた。

    ・夢オチの使い方のうまさ

    もう一つ触れておきたいのが、使い古された夢オチが物凄くうまく作用していたこと。

    全然夢に思えないほど、リアルに感じられ、その夢オチによって今まで語られてきた「選択」と「そうなってしまうかもしれない可能性」にしっかりと言及している点である。

    明日は我が身ではないが、人はいつ何が起こるかわからないし、自分たちはたまたま何もなく日々を過ごすことができているだけで、行動によっては今まで大事にしていたものをなくしてしまったり、裏切ってしまったりする可能性を秘めている。

    そこに「選択」というのは非常に重要な要素となっている。
    そんなことが夢によって描かれるある選択の
    最悪の事態に繋がる様から示唆されている。

    今まで描いてきたものと伝えたかったものを、一気に違和感のない夢オチで訴えてくる展開には震えたし、さすがに予想ができなかった。

    その夢によって2人は、本当にすべき選択を見直し、無事久住の逮捕にこぎつけられたわけである。
    久住が伊吹と志摩を殺さなかったのも一つの選択だ。
    よいことも悪いことも全てが選択によって生まれている。
    そんなことが余すことなく伝えられていた。

    ・フィクションに盛り込まれる細かい現実

    善悪の境界線がなくなっていき、グレーゾーンが広がっていく世の中。

    ベースとして描かれていたのは、グレーゾーンスレスレをいくYouTubeなどのコンテンツ、事実がどうかがわからないことが拡散されるSNS、オリンピックの問題、コロナのことなど、色んな現実が描かれていた。

    ・最後に

    お互いの正義(言い分)が衝突することで、争いは生まれる。
    ルールのもとで自分たちは生きなければいけない。
    そうしないと同じ目線で何かを語り合うことはできない。
    でもそうも言ってられないこともある。
    許されないことに対しての覚悟、そしてどうしようもできないこともある人のスイッチ。
    でも踏みとどまらないといけない。全て選択。ゼロから始まる。

    本当に絶妙に色んなことが描かれていて素晴らしすぎた。
    脚本の作り込みが周到でもう完璧すぎた。
    MIU404は永遠です!
  • MIU404

    5.0
    • 出演者 4.5
    • ストーリー 5.0
    • 演技 4.5
    • 映像 5.0

    これをエンタメとして昇華できる凄さ!

    アンナチュラルと並ぶ、もしくは超えてくる可能性すらも感じる大傑作ドラマ。
    アンナチュラル以来の野木亜紀子さん脚本、塚原あゆ子さん演出、新井順子さんプロデュースのタッグ。
    このタッグの作るドラ...
    続きを読む アンナチュラルと並ぶ、もしくは超えてくる可能性すらも感じる大傑作ドラマ。
    アンナチュラル以来の野木亜紀子さん脚本、塚原あゆ子さん演出、新井順子さんプロデュースのタッグ。
    このタッグの作るドラマは、1話完結としての質の高さでも十分すぎるのに、その裏で積み上げられる物語でさらに想像を超えてくる。
    本当に物凄い作品です。
    こんなに早くにアンナチュラル並の傑作が生まれるとは思ってもいなかった。

    ドキュメンタリーをエンターテインメント化したようなドラマ。
    なかなか重たくて辛辣なテーマが並ぶのに、ちゃんとエンターテインメントとしておもしろいのがミソ。
    スケール感も凄くて、フィクションなのに現実でも全然起こり得そうなことが、絶妙のラインで描かれている。

    前半は転換点に誰とどう出会うか、人との関わり方、そして関わる人の取捨選択の大切さが、現実にもいそうである一個人に焦点が当てられ、様々な社会問題への問題提起とともに示唆される。
    それが回を進むごとに色んなものが裏で積み上げられ、国全体を揺るがすような大きな事件へと繋がっていく。

    その中で現実には僕らが見えていないモノが、ドラマを通して見られている。
    それは何か。
    それぞれの人間の表面に上がってきていない裏側の姿である。
    それはその人間そのものであり、そこを見せながらそれぞれの事件が起こることで、いかに自分たちが普段目に見えている情報でしか物事を判断できていないかを浮き彫りにしていく。

    本作では裏側がしっかり見えているから、自分たちは彼らが爆発を企てたテロリストではないことを把握しているが、もし現実に同じような起こったとしたらどうだろう。

    本当に本作が描いているように、それぞれの人間の裏側を見ようともせずに、目に見えている情報だけであらゆることをジャッジして、検討ハズレな発信をしてしまうのではないだろうか。

    事実かどうかがわからない情報を鵜呑みにして、さも事実であるかのように物語が作り込まれ、それが平然と拡散されていく。
    そんなよくないフェイクが世論=真実になってしまうと本当に恐ろしい。
    でもそんなことになり得る可能性が全然あるのが現代社会である。

    これは日本全体の民度に対して警鐘を鳴らしているように感じる。
    久住という一人の男に振り回される警察と国民。
    国民がトレンドに流されることで歪められる真実。
    SNSをあらゆるものを決する取捨選択の参考にし過ぎることで見誤る選択。
    そしてあらゆる正義の混在と暴走が引き起こす悲劇。
    あらゆる今の延長線上が包括され、描かれているようだ。

    トレンドは乗っかることでバズる可能性を秘めているから、ひと呼吸置いて考えて発信しないといけない事象でも、それに関するツイートが溢れてどんどん広がっていってしまう。それがフェイクだとしても。
    それって事象によっては本当に怖いこと。利用する人間がいるなら尚更そうだなと。

    さらに、あらゆる人たちの選択や行動が描かれることで、一人一人の選択や行動のあり方にも切り込んでくる。
    無意識ならもっと意識しなければならない。
    無思考ならもっと思考しなければならない。
    そんなメッセージを強く感じる。

    説教臭い教育ドラマになりそうなのに、それを全然思わせないのがこのドラマの凄いところで、それはやっぱりベースにあるエンタメ性がちゃんと機能しているから。

    そこが物語の展開やスピード感であったり、キャラクターの作り込みに興味が唆られたりと、そういう意味では、全てが非常にうまく作用していると思う。
    伊吹と志摩のキャラクターは、少し大袈裟すぎるのではと、ここまで作り込まなくてもよいのではと、前半は思ったりしたこともあったが、後半になればなるほど活きてきて凄くよい!

    そして、最後はまだまだどう転ぶかわからない。
    今まで積み上げてきたものがどのように昇華されていくのか。
    楽しみで仕方ない反面、終わってしまうのがとても寂しい。

    相変わらず米津玄師さんの主題歌ともマッチしていて、このレベルの作品が地上波で、無料で観られていることに驚きであり感謝。

    P.S.
    野木亜紀子さん脚本のドラマを観てると、自分の知っている世界の狭さや知っているようで知らないことの多さを痛感させられる。
    自分の営む生活の中では、全然現実とは思えない現実がこの国には広がってるんだなと…
    自分は安全地帯の中で生活してるような感覚でも、誰かにとってはそれが幻想なんだなと…。
    1話完結で語られることは、特に視野を広げてくれる素晴らしい題材ばかりだった。
  • 半沢直樹2

    4.0
    • 出演者 4.5
    • ストーリー 4.0
    • 演技 4.0
    • 映像 4.0

    誰もが楽しめ、満足できるエンタメ大作

    相変わらずの超絶おもしろいエンターテイメント大作ドラマ。

    裏に裏に更なる裏がいくつも積み重なってやっと地続きになっていく展開、後出しするシーンとタイミングが絶妙な脚本。
    そして、1話完結...
    続きを読む 相変わらずの超絶おもしろいエンターテイメント大作ドラマ。

    裏に裏に更なる裏がいくつも積み重なってやっと地続きになっていく展開、後出しするシーンとタイミングが絶妙な脚本。
    そして、1話完結ではないのに毎話クライマックスを作っていくから、次回が待ち遠しくなるし全然飽きない。

    ツッコミどころはなくはないが、エンターテイメント性の高さで、そんなことはもうどうでもいいってなる。
    とにかくおもしろい!この一言に尽きる。

    基本的にはこの巧妙な物語の構成とエンタメ性の高い演出でも十分楽しむことができるのだが、今までの集大成となる仕事の本質が語られる第1章ラスト(4話)の重厚なメッセージ性までをも残してくるのが、さらによかった。
    あのシーンはちゃんと今まで積み上げられた物語があるかこそ本当に感動したし、働いてる人の希望にもなったのではないだろうか。

    特に不祥事が起こる背景にあるのが、あのメッセージが重要視されていないことにあるのもポイント。
    顧客ではなく自らの昇進やキャリア、総じて利益しか見えてないから、権力を持つ者はそれをよいように使い、そこに部下が気に入られるように立ち回って、さらに不祥事が積み重なっていく。
    このデフレスパイラルは、一度始まってしまうとなかなか止められない。

    役職や給料などの見返りだけでなく、顧客に役に立って感謝されることこそが仕事の醍醐味となると、自らの利益のために顧客を騙すことはしなくなるはずで、不祥事がなくなることにも繋がっていく。
    会社の看板や役職、給料の大小だけじゃない。
    社会によい影響を与えていくやりがいをベースに語られる仕事観がよかった。

    それが今までの物語とそれが現実にも起こってある事実があるからこそ、より重みのあるメッセージとして、違和感なく刺さってくるものがあった。
    これは池井戸潤さん原作が事実をベースにして作られているのも大きい思う。

    池井戸潤さん原作の脚本と言えば、八津弘幸さんと丑尾健太郎さんの印象が強く、今回は丑尾健太郎さんの脚本。
    ちなみに丑尾さんは、今回の『半沢直樹』だけでなく、『下町ロケット』でもハードルが上がりまくった八津弘幸さん脚本のシーズン2を制作していて、この完成度で受け継いでるから本当に凄い!
    八津さんからの信頼も厚いんだろうなと思う。

    老若男女が楽しめるとはまさにこの作品のこと!
    金融業界のあれこれを知らなくても、物語自体、豪華役者陣の豪快な演技(時に顔芸w)、王道のスッキリ感…どれかにハマることができるかなと。

    そしてついに第2章へ。
    より壮大な物語が展開されそうで楽しみ!
    この壮大さであんな緻密な物語が作れるのも凄いですよね!

    P.S.
    キャストのことを書き出すと取り留めがなくなるので、ここでは香川照之さんと今田美桜さんだけ。
    あらゆる顔芸が出てくる中で、圧倒的に香川照之さんが凄い!
    そして学生と社会人をどちらも完璧にハマる女優は現時点では今田美桜さんのみじゃないかと。
    学生はイメージつくけど、社会人もここまでハマるのは凄い!
    もっと役者としても評価されてもよいのにと思います。
  • アンナチュラル

    5.0
    • 出演者 4.5
    • ストーリー 5.0
    • 演技 4.5
    • 映像 4.5

    いつまでも語り継がれて欲しい傑作

    アマプラで配信されるとのことなので感想書きます。
    個人的な2018年のベストドラマ。
    生涯でもベスト10に確実に入ってくる感無量の大傑作。
    ここ数年のドラマの中だと間違いなくNo.1ですね...
    続きを読む アマプラで配信されるとのことなので感想書きます。
    個人的な2018年のベストドラマ。
    生涯でもベスト10に確実に入ってくる感無量の大傑作。
    ここ数年のドラマの中だと間違いなくNo.1ですね!

    1話完結型のドラマとしてもちろんとてもおもしろかったし、1話ごとに詰め込まれているテーマ性、社会問題の複雑性、表の世界では決して見ることができない翻弄される裏の世界。
    普段あまりスポットに当たらないが、本当に着目すべき世界をどんどん露わにしてくれ、そこに痛烈なメッセージと考えさせられる余白を残してくれる。

    その全てを、三澄ミコト(石原さとみ)、中堂系(井浦新)、東海林夕子(市川実日子)、久部六郎(窪田正孝)神倉保夫(松重豊)、坂本誠(飯尾和樹)のUDIチームを中心にそれぞれのキャラ付け、背景などの設定を含めてのセリフ回しで、シーンに対して深みがより出てくるし、その人がその言葉を放つ意味と重さがズッシリとのしかかってくる。

    1話完結としてのみならず、実は裏で点が線になっていて、しっかりとドラマとしてのストーリーも展開されていくのが凄すぎた。
    本当に毎回濃密で、それがどんどん積み上がっていく素晴らしいドラマだった。

    シリアスな内容すぎて重くなりがちになると思いきや、UDIチームの仲の良さを感じられたり、それぞれの掛け合いなどの日常生活がコミカルに描かれることで、重くなりすぎず、どんな人でも楽しめるような作品になっている。

    力なき者は権力に負ける、真実が抹消される。
    他人のことを思って他人の力を借りれない弱い者に救いの手を伸ばす、それが法医学でもある。
    それでも法医学は事実を追求することしかできない。

    死体を解剖しても、事実が明らかになったとしても、その人が戻ってくるわけではないが、少しでも救われる人が増えるように、同じことを起こさないように、小さいかもしれないけどそれが法医学の意味でもっと広がって欲しい。
    そんなメッセージ性を感じた。

    法医学を通して事実が明らかになり、事実に人の心や想い、感情を明らかにすることで真実となっていく。
    事実と真実を明確にわけてわかりやすく表現するのも、この作品ならではのよさだなと思った。

    その中でも特に心に残ったのは、第7話「殺人遊戯」。
    これはイジメを殺人遊戯とするその表現も秀逸だと思ったが、上記に書いたようなミコト、中堂自身が放つからこその深さと重みが非常に出てくるセリフ回しがとても印象に残ってる。

    7話で思ったことは以下。
    優しい人ほど得をしない生きづらい狭い世界。
    そんな世界は間違っている。
    なぜに組織はこうも最悪の結末を迎えるまで知らんぷりなのか。
    ここに学校の限界を見たような気がした。

    「逃げる=死」であってはいけないというのは今だからわかることやけど、小学校〜高校においては、どうしても学校だけが自分の世界になりがちだから、「逃げる=死」に繋がりかねない。
    だからできるだけ幼い頃から色んな世界を見せてあげて、色んな逃げ道を作ってあげるのが大事だと思う。

    逃げ道を作るというか、逃げる世界があるということ、逃げる選択肢があるということ、を知って欲しい。
    アンナチュラルもそうやけど、これをより細かく訴えていたのが「明日の約束」であった。
    最近作品を通して、逃げることも選択肢として入れてもよいという作品が出てきてるのは、個人的によい傾向だなと思ってる。

    そして生活や仕事をしていく上で最低限学んでおきたいことは、実は学校以外でも学べる。
    逆に学校で勉強したことのほとんどは生きていく上でプラスに働くことはあるが、絶対に必要なものであるとは限らない。
    学校から逃げることのハードルは高いかもしれないけど、逃げても人生は終わらないから、本当に辛いときは勇気を持って逃げて欲しい。

    それ以外にも、冤罪問題、長時間労働問題(家族のために尽くし続けて働く人を搾取するかのような長時間労働を強いる経営者)など、色んな問題に切り込まれていた。

    そして中堂の描かれ方。
    彼女が殺されるという過去を持つ設定から、荒々しい性格ながらも、過去の反芻などから来る正義感が強い性格が露わになってくる。
    だからこそ誤った形で、自分を制御できずに復讐を敢行しようとしてしまい、ラストで復讐の形を正したミコト。
    「法医学者として闘う、不条理な事件に巻き込まれた人間が、自分の人生を手放して同じように不条理なことをしてしまったら負けなんじゃないんですか。」
    このミコトの言葉に感動した。

    本当に素晴らしいドラマすぎて、回を追うごとに見入って、メッセージ性も言葉の選び方も本当に物凄くよかった。
    事実を明らかにすることで、隠されていた問題、裏側が明らかになり、真実が明らかになる。
    その一端を担っている法医学は、様々な境遇の人の未来を作る本当に意義があるものであると教えてくれた傑作ドラマだった。

    P.S.
    主題歌のLemonもシーンを助長させる素晴らしい曲で、今クール主題歌で個人的に一番よかったと思います。
    切実に続編希望!!
    野木亜紀子脚本恐るべし。
  • 私の家政夫ナギサさん 第4話

    3.5
    • 出演者 4.0
    • ストーリー 3.5
    • 演技 4.0
    • 映像 3.5

    全てを疎かにできない人生の転換期

    20代後半でバリバリ仕事をこなすが、仕事に没頭していて、家事や恋愛は後回しになってしまっていた女性が主人公。
    それでも母の暗示であるかのような「メイはやればできる子」という言葉により、何でも全...
    続きを読む 20代後半でバリバリ仕事をこなすが、仕事に没頭していて、家事や恋愛は後回しになってしまっていた女性が主人公。
    それでも母の暗示であるかのような「メイはやればできる子」という言葉により、何でも全て自分でこなしていかないといけない囚われを抱えていた。
    そんな主人公メイに多部未華子さんがめっちゃハマりすぎて、もはや彼女の当て書きなんじゃというくらいによい!(原作があるので違う)

    何かと仕事を優先してしまうのも、家のことが疎かになってしまうのも、恋愛になかなか踏み込めないのも、なかなかにわかりみが深い。
    何か違うところがあることといえば、自分には趣味がわりとあるくらいかな。笑

    男女の違いはあれど、何かと境遇が似通っていて、一つ一つの言動がゆるーく刺さってくる。
    全体的にゆったりとしていて非常に見やすく、ゆるっといつまでも観ていたくなる今クール最高の癒しドラマ。

    まさか大森南朋さんが家政婦で、しかもこんなに癒し要素の強い役をこなせるなんて驚き!
    近くで彼の出ている作品で観た作品は、『初恋』や『ビジランテ』だったりするので、この役のイメージは全くなかった。笑
    でもちゃんと見ると、確かに優しい雰囲気を纏ってる方でわりとハマり役だなと!

    基本的に出てくる人たち全員に程よい余裕があって、悪者が出てこない成長物語ってのが、自分の好きなドラマっぽさがあって観てるのが心地よい。

    『G線上のあなたと私』『逃げ恥』『凪のお暇』辺りを彷彿とさせ、お仕事の様子がわりとしっかりと描かれているので、近しい境遇の人に寄り添ってくれている感じがする。

    ◯◯は◯◯というステレオタイプはもう古いんだと言わんばかりに、それぞれがそれぞれの決めつけて発言してしまったことに対し、誤りを受け入れる姿もすごくよい。
    メイ母とメイの間に入ってナギサさんが、メイ母を諭して2人にわだかまりがなくなっていくシーン特によかった!
    今っぽいドラマだなと!

    家政婦については、この作品を観るまでそんなに気にも留めるとがなかったけど、こんなに身体的にも精神的にも支えになってくれるものなんですね。
    仕事しながら家事もやってみたいな生活をしていると、確かに家政婦の方がいてくれるだけで少しだけでも安らぎの時間を過ごすことができるし、何より部屋がいつも綺麗な状態で過ごせるってそれだけでよい。

    あと料理が全てとても美味しそう。
    基本的に外食ばかりなので、家庭の味かつ栄養バランスのよい食事を堪能できるようなサービスとか出てこないかなーと思ったり。笑

    物凄い転換点や盛り上がるシーンがあるわけでもなく、展開もわりとゆったりめに進んでいくので、そういうのが苦手な方に関しては相性があまりよくないかも。

    今後については、メイを取り巻く恋愛関係についてとメイの仕事の成長について、そしてナギサさんがどのようにメイと関わって関係を育んでいくのかが楽しみです!

    メイと田所はもう付き合っちゃってもおかしくないけどね!笑
    あの四角関係がどう転んでいくのか。
    このドラマだったら大丈夫かなとは思うが、ドロドロな感じにはならないことを願う。

    キャストの安定感しかりで、とても安心して観ていられるドラマです!
  • 今日から俺は!!

    3.5
    • 出演者 4.0
    • ストーリー 3.5
    • 演技 4.0
    • 映像 3.5

    コメディ作品は基本おもしろいとか笑いまくったとかしか書くことないから感想に悩む。笑
    結局そんな感じの感想になってしまいました。

    2018年一番笑わせてもらったドラマ。
    コメディは映画で...
    続きを読む コメディ作品は基本おもしろいとか笑いまくったとかしか書くことないから感想に悩む。笑
    結局そんな感じの感想になってしまいました。

    2018年一番笑わせてもらったドラマ。
    コメディは映画でもドラマでも何かが浮いててなかなかのめり込めないことが多いのですが、今作は全くそんなこともなく毎話しっかりとのめり込めて笑わせていただきました!

    福田雄一作品と言えば、実写化×コミカル、名だたる俳優×コメディエンヌと、とりあえずベースがコメディの印象。
    正直コテコテすぎて若干苦手意識あったけど、今作に限っては問題なしでした。

    何がよかったんだろうと色々考えてみたけど、やっぱりキャストが最高だった。
    福田雄一が活かしてるからだろうけど、みんな全く外さずにおもしろい!
    みんなそれぞれに持っているコミカルさを遺憾なく発揮できてると思う。

    キャラもしっかりと確立されていて全くブレない。
    さすがにこの場面はあのキャラ裏切ってくるんちゃうかと思ったシーンもブレずに貫いてくるし、逆にここで裏切って感動させてくるんかいみたいなシーンもあり予測不能。
    でも気づいたらずっと笑っててのめり込んでいた。そんな感じ。

    こんなに違和感なくコメディを楽しめたのは久しぶりかもしれない。
    当時見てたときは、恐るべし福田雄一組と思いましたよ!笑

    持ち前のズルさと世渡り上手な性格で難なく危機を乗り切っていく三橋(賀来賢人)。
    底抜けに真面目で正々堂々を貫く伊藤(伊藤健太郎)。
    まずは真反対な性格の2人のかけあいがたまらなくおもしろい。

    そこに三橋を優しく温かく見守り自らも強い理子(清野菜名)に、伊藤の前だか様変わりしてデレデレする二つの顔を持つギャップが激しい京子(橋本環奈)。
    底抜けに明るくめっちゃ友達思いのいいやつなのになかなか報われない今井(太賀)。
    それを憎めずに見守りついていく谷川(矢本悠馬)。
    それ以外にもムロツヨシ、佐藤二朗、吉田鋼太郎、シソンヌの2人とキャラが濃いキャスト陣。
    鈴木伸之、磯村勇斗、若月佑美と今をときめくキャスト陣。

    福田雄一作品以外だと全く別の顔を持っている俳優も多くいたが、今作では全員が笑いに振り切れまくっていて、本当に楽しそうに演技をしてるのが伝わってくる!
    だからこそこんなに違和感なく、この世界観を楽しめたんだなと妙に納得できた。

    何も考えずにひたすら身を任して楽しめるのが福田雄一ワールドなのか。
    意味がないからこそおもしろいという作品もあるんだなと。
    その底力を余すことなくぶつけられた感覚。

    あまりちゃんと喧嘩してるシーンがなかったからわからんかったけど、やっぱり三橋ってズルいだけじゃなくてめちゃくちゃ強かったんやな。笑

    基本コメディの中にわりと重厚な友情や愛情、プライドみたいなエッセンスもちゃんとあって感動させてくる展開もなかなかに贅沢。
    そういう意味ではラスト見事に裏切られた。

    物語の中で確かに成長していくみんながよくてずっと見ていたかった。
    出てくる誰もを結局は憎めなくて好きになれる。

    福田雄一とそれぞれのキャスト陣の爆発したコミカルセンスを感じられた作品だった。

    P.S.
    個人的に福田雄一作品は映画よりやっぱりドラマかなー。
    映画あんま観てないから観ず嫌いの可能性もあるけど、映画館よりも家で地上波で流し見で笑いながら観てたいって感じ。
    だから劇場版は観るかどうか悩んでる。
  • ごくせん1

    4.5
    • 出演者 4.5
    • ストーリー 4.5
    • 演技 4.0
    • 映像 3.5

    真っ直ぐに伝えられる生き方の指針

    再放送されていて再度ハマったのでTVerで完走。

    2002年作品ということで今から10年以上前、当時小学生だっただろうが、今観たらちゃんとそれぞれのシーンを覚えていた。
    ちゃんと既視感が...
    続きを読む 再放送されていて再度ハマったのでTVerで完走。

    2002年作品ということで今から10年以上前、当時小学生だっただろうが、今観たらちゃんとそれぞれのシーンを覚えていた。
    ちゃんと既視感があって、それだけ小さい頃に観て心に残ってた作品だったんだなと改めて思えたのがよかった。

    当時はただただおもしろいと感じていただけであっただろうが、今観ると当時よりも心が動くという観点で、このドラマをより堪能することができた。
    この歳になっても、たくさん笑ってたくさん泣ける。
    当時おそらくそんなに感涙はしてなかった気がするから、そこは自分も成長できてるところは少しはあるのかなって思えた。
    でも本当に大袈裟じゃなく、毎話どこかしらでは涙が出たドラマだった。


    このドラマは一貫してるテーマがあって、そこがブレない中に、人と関わり合いながら生きていく上で大切なことが毎回1話完結で骨太に語られる。

    毎回クライマックスがちゃんとあって、義理と人情を重んじる極道の目線から、今を生きる私たちに、生き方の指針となる考え方を教えてくれる。
    それこそが、どの時代にも通ずるものであり、誰が観ても響くものがあるはずだ。

    さらにそうだと心の奥底ではわかっていながらも、なかなか正直になれない人間の弱さにもちゃんと寄り添ってくれて、その上で気づきを与え、変化と成長を促してくれる。

    このドラマで一貫していたこと。
    それは関わる人とちゃんと向き合うこと、その人の過去や外見などに囚われずに、その人の今をちゃんと見ることの重要性であった。
    その中に誰かを特別視することはしない。
    誰もが対等に信じられ、疑われる。
    そんな当たり前のことが真っ直ぐに語られていた。

    子どもは大人に導かれて育っていく。
    そこでは大人の度量が問われることになる。
    そのとき、接する人がどんな人かによって、人生は大きく変わっていく。
    ヤンクミとの出会いで確かに変わっていった生徒たちを見て、それを強く感じることができた。

    周りからどう見られるかの世間体ではなく、過去や外見や普段の素行であらゆることにレッテルを貼るのではなく、それぞれの人自身にちゃんと話を聞いて向き合っていくことが大事。

    話を聞いてくれて味方になってくれると思える人がいるだけで、そこで生きることにポジティブになれる。

    3Dの生徒たちがだんだん成長していって、向き合うヤンクミに心を開いていき、お互いに信頼関係が芽生えていく。
    そして、お互いに自らを犠牲にしてまでもそれぞれを守る関係にまで発展していく。
    それもちゃんとそうなることに違和感がないように、物語が作り込まれているからより大きな感動に繋がっていった。

    あとは見やすさも非常にある。
    学園ドラマでかつ、不良や極道などが出てくるとき、どうしても喧嘩の描写が多くなりがちだと思うが、本作はあくまでヒューマンドラマに徹してるのがよかった。
    また話がわかりやすく、言動などに嫌悪を抱かない絶妙なラインでのそれぞれの人間描写、そしてコミカルさが共存していて、全世代が楽しめる作品となっていた。

    ヤンクミと沢田慎はじめ、生徒間のやりとりもそうだし、ヤンクミと他の先生方、特に校長先生とのやりとりが思わず笑ってしまい、それは校長先生の描き方が本当絶妙だったから。
    完全な悪者ではないし、その周りの教師の中立性も含めて、よい働きをしていたと思う。

    笑って泣ける。
    さらにそこに生きていく上での指針が詰め込まれていて、それこそこのドラマを観るだけでも人生の勉強になる。

    生きていく上で本当に大事なベースとなる部分をこのドラマは教えてくれた。
    それがないといくら頭がよくても偏差値の高い学校に行っても、お金をたくさん持っていても、それをよくない方向に利用されてしまうことがある。

    綺麗事かもしれないけど、綺麗事が当たり前にならないと、個性は蔑ろにされてしまい、どんなことにでも従うことこそが正になってしまうのではないだろうか。
    今一度色々と考えさせられた。
  • 愛していると言ってくれ

    4.0
    • 出演者 4.5
    • ストーリー 4.0
    • 演技 4.0
    • 映像 3.5

    愛し合っているからこそが織り成す物語

    再放送されていたのを鑑賞して、ハマったので完走しました。

    聴覚障がい者である画家と女優を目指す女性が出会い、すれ違っていきながらも愛を深めていく物語。

    繋がりそうなのに、なかなか繋が...
    続きを読む 再放送されていたのを鑑賞して、ハマったので完走しました。

    聴覚障がい者である画家と女優を目指す女性が出会い、すれ違っていきながらも愛を深めていく物語。

    繋がりそうなのに、なかなか繋がらないすれ違いの愛が、お互いの心情も交わってとても丁寧に描かれている。

    本作を鑑賞してると、映画『his』を鑑賞したときと近しい感覚が少しだけあった。

    声を通じて会話をすることができないことが恋愛の足枷になっている、という描写は少なくて、周りの理解もちゃんとある。
    だからあくまでも主題はそこではない。
    逆にそれによって、お互いの愛をより強く認識できるようになっていたし、ちゃんと「二者間の愛ゆえ」にフォーカスしているのがよかった。

    愛しているがゆえに、相手のことを色々と考えてしまって、何かをしようとすることが空回ってしまう。
    愛しているのに、相手のことを信じ切ることができなくて、よくない言動をしてしまう。
    愛し合ってるのに、だからこそ一緒になることに難しさが伴う。
    言葉足らずになってしまうことで起こるすれ違いが切なさを募らせていく。
    そんな恋愛におけるもどかしさが、このドラマには詰まっていた。

    全てが愛することが前提となって起こることであり、それこそがこのドラマのよさだなと感じた。

    愛が深ければ深いほど、その人の存在から受ける感情は、より大きく忘れられないものとなっていく。
    楽しいことはより楽しく感じ、嬉しいことはより嬉しく感じ、悲しいことはより悲しく、寂しいことはより寂しく感じる。

    そしてそういう人との一瞬一瞬は、ずっと心に残る大切でかけがえのないひとときで、そういう特別な日常は、何も特別なことが起こることではなく、日常の中に愛している人の存在があるかで決まってくる。

    誰かを好きになることから遠ざかっていくことで忘れかけている全てのことを、このドラマは思い出させてくれて、改めて愛し合える存在がいることの尊さを感じられる。

    ベタな演出や少し大袈裟な言動も含めて、このドラマには全てがプラスに働いているような気がした。
    ベタなのもこの時代だからこそ生まれたのかなって、やはりこの時代が作り出した今では生まれ得なさそうなベタさは、逆に現代にとってはあまり感じることができない真っ直ぐさが素敵だなと思える。

    意思疎通が今のように簡単にできないからこそ、真正面から伝わってくるものがあったり、一つ一つのやりとりにより心が敏感になることができるのかなと思う。

    豊川悦司と常盤貴子の色気が爆発してる攻めのオープニングもよく、ドリカムの曲が本当にハマりすぎててたまらなかった。
    このドラマそのものなんよね、これは大ヒットするのも超納得!

    矢田亜希子のデビュー作のかなり大袈裟なリアクション強めな演技も、逆に味があってよかった。
    16歳であの威風堂々としてる雰囲気出せるのは凄かった!
    どちらかというと上手じゃない演技に見えるけど、これくらい振り切れてる方が逆によかった。

    「愛してる」と言ってくれでなくて「愛している」と言ってくれなのは、手話だからこそなんだろうなと。
    普通に声に出すと愛してるとなるけど、手話だからこそ愛しているとちゃんと表現することができる。

    紘子は、天真爛漫の中に愛される何かを持っているヒロインとして、常盤貴子が圧倒的な魅力を放っていて、豊川悦司は今も渋くてかっこいいですが、当時あんなにかっこよかったのかってなった。
    常盤貴子ってどちらかというと聡明なイメージを抱いてたけど、お茶目な人柄もとても合ってた!

    あとは健ちゃんね!
    もうよい人すぎてどうにか報われて欲しいと最後まで願ってた。笑
    だからこそ彼を置いてけぼりにしない脚本と演出がよかった。

    ラストの展開はわりと予想外な感じだったけど、余韻が残ってよかったし、あのラストシーンができたのも、ラストの展開があれだったからこそできたことよね。
  • 野ブタ。をプロデュース

    5.0
    • 出演者 5.0
    • ストーリー 5.0
    • 演技 4.5
    • 映像 4.5

    僕たちはどこでだって生きていける

    ついに終わってしまった。
    絶賛ロスに陥ってしまっています。
    今まで観た青春ドラマの中でもベストを争うくらいによかった!

    全てを語らずに、あえて考えさせてくる脚本。
    そう、これを観て感...
    続きを読む ついに終わってしまった。
    絶賛ロスに陥ってしまっています。
    今まで観た青春ドラマの中でもベストを争うくらいによかった!

    全てを語らずに、あえて考えさせてくる脚本。
    そう、これを観て感じて考えるのが大切なんだ。これからをちゃんと生きていくために。
    これからの人生に対して最高のメッセージを与えてくれる。
    学生生活における青春の喜怒哀楽をしっかりと詰め込んで、最終的にあの時間は素晴らしいものなんだという結論に落とし込む。

    そのために必要な生徒間同士の関わり合いや大人の関わり方がしっかりと描かれていて、どちらの視点からも考えさせられるものがあった。

    その中で大人の生徒に対しての関わり方は特に印象的であった。
    学校というものは意識しなくても、大人と生徒の間に、常に見えない主従関係が蔓延っていて、先生が生徒に命令する構図ができあがるのが常だ。

    ただし本作には、何か指図をしたりマウントを取るようなことを大人が決して行わない。
    本当に必要なことは、ヒントを伝えて後はしっかりと考えて、答えを自分で出すように促していく。
    色んなことを経験して、見て、知って、感じ取って、色んな観点を加味した上で、自分なりの選択をしていく大切さが説かれている。

    その過程は成長したときに訪れる様々な現実でもあり、全てが自分を創る上で必要な一つとなるはず。
    それが積み重なって一つの指針になっていく。

    教育とは、統制でも放任でもなく、示唆することなのではないかと感じた。

    そして、生徒間で起こった全てのことは、先生が入るのではなく、あくまで生徒間だけで解決しながら、より強固な絆が育まれてるのもこのドラマを語る上では外せない特徴である。

    あくまで自分たちで誤ちに気づき、難しい行動と思考を変えて前に進み、それを受け止める相手がいる。
    そんな空間は、いつのまにかとてつまなく居心地のよい場所になっていて、それゆえのあの最終回は本当に感動した。

    野ブタは一人で笑えるようになって、最後にキャッチボールのボールをしっかりと返すかのように、転校する修二と修二がいなくなった彰が悲しまないように彰を送り出す。
    そしてここで、青春アミーゴの歌詞の伏線回収までするという最強すぎる脚本。
    理想を超えてくる最終回。

    「僕たちはどこでだって生きていける」
    自分にとっての大切なものさえしっかり持っていたら、どこでだって生きていけるんだ。
    学校にこだわらなくていい。そこだけが自分の世界ではないと、今悩んでいる人たちの希望にもなる最高のラストであった。

    あとね、みんながどんどんよい顔になっていくのがよかった。
    修二と彰には人間としての厚みが出てきて、野ブタはどんどん自信を持てるようになり、可愛くなっていって、自分以外の誰かのことを考えられるようになっていく。

    とにかく本当によくて、隅々までこのドラマを堪能しました。

    本当に10年以上前に実在してたんだと思うくらいに、現代的で優しく今を未来に向かって後押ししてくれる作品。

    こんな青春×学園ドラマにまた出会いたいし、これを見せられるとやはり学生時代に戻りたくなるよなー。

    P.S.
    修二と彰と野ブタとまり子のキャスティングとそれぞれの共演が今思うと本当に奇跡的で、それを観られるのももう最高でした。
    亀梨和也と山下智久はかっこよくて細かな機敏までしっかりと演じられていて、堀北真希は本当に闇を纏ってる雰囲気からだんだんと変わっていく演技がよく、戸田恵梨香はもうあらゆる人たちの理想のマドンナを見事な透明感で演じ切った。本当によい子すぎて泣けた!
    木皿泉さんの脚本に完全にハマったので、他の作品にも時間ある限り手を出していきたいと思います。

    ツイートしたそれぞれの回の感想も以下に書いておきます。
    【8話】
    ちゃんと見てきたからその人を信じられるよね。
    どん底に落ちているとき、味方になってくれる人が少しだけでもいれば生きていける。
    そしてそんなことも何年後かには、思い出や黒歴史として懐かしむことができるようになる。
    それも全て自分を創るかけがえのないものになっていく!

    修二が警察官には信じてもらえなくて、クラスメイトには修二が信じてもらえないと諦めていて、それでも修二と彰と野ブタは信じ合えることができた。それが全て!
    信じ合うにはそれだけの関係の深さとその人の理解が問われる。
    周りとの関係の描かれ方も含めて本当によくできてる!

    修二と彰と野ブタそれぞれの人間性がちゃんと描かれた上で、8話でそれぞれのらしさが溢れて、明確に3人が3人にとってなくてはならない存在になる。
    圧倒的クラスの人気者として君臨していた修二の状況がガラッと変わることによってそうなるのが、学校ならではって感じする。

    【9話】
    真実を知ることも、自分の色んな面を知ることも、そしてそこから自分を変えようとすることも、全て誰かと関わることから始まる。
    そのとき、ありのままを知られてもなお、受け入れ寄り添ってくれる誰かがいることがどれだけ救いになるか。
    本作にはそんな優しさが詰まっている。
  • 過保護のカホコ 第7話

    4.0
    • 出演者 4.5
    • ストーリー 3.5
    • 演技 4.5
    • 映像 4.0

    極端だからこそ感じられるもの

    7話をメインにした感想です。

    設定、展開、それぞれの成長、変化をおもしろおかしく、時にシリアスに楽しめるドラマ!

    遊川さん脚本の作品は良くも悪くも極端なので、好き嫌いがわかれるのは仕...
    続きを読む 7話をメインにした感想です。

    設定、展開、それぞれの成長、変化をおもしろおかしく、時にシリアスに楽しめるドラマ!

    遊川さん脚本の作品は良くも悪くも極端なので、好き嫌いがわかれるのは仕方ない。
    でも見方としては理解できなかったとしても、主人公にとにかく移入して見てみることをおすすめしたい。
    あ、生理的に受けつけなかったら無理に鑑賞する必要はないと思います。

    カホコは過保護であることにより、本当に世間知らずで、びっくりするくらい的外れな行動を理解すること、受け止めることは難しいし、苛々する方も多いと思う。

    でも本当に真っ直ぐに大切なことに気づかせてくれるのはこういう人だったりするんだろうなー。
    だから麦野くんも惹かれて来てるんだなーと思う。

    確かに価値観、育ち方、環境など、全然違うけどそういう2人だから成り立つ関係もあるのか!

    7話の最後には家族観のズレにより、別れることになってしまった。
    家族観という観点で見るとどちらもの家族をとり巻く環境が全然違うから、お互い相容れなくて理解し合えないものがあるのは仕方ない部分もあるだろう。

    お互いの家族観をどちらもが受け止めることなく、発散するからすれ違いや衝突が起こる。

    色んな家族があることをお互いが知って受け入れることから始まりそうだが、何かでそういうものを見たり、感じたりしないとイメージすることすら難しい。

    価値観の衝突はいずれかが、それを受け入れる度量、それが違ってでも一緒にいれる、いたいと思えるくらいまでその人を好きになれないと、恋愛関係を続けることが嫌になり、別れに繋がる。

    お互い相容れないことに対して、受け入れないといけないのはわかるけど、対面になったり、それがずっと続くとなると途端にハードルが上がる気がする。

    麦野くんは、カホコの他の自分とは全く違う考え方は受け入れてるのに、家族観だけは受け入れられないのには、相当な背景があるのがわかる。

    違うからこそ一緒にいれる関係になること、別れに至ること、どちらもを感じられるのは贅沢。
    カホコも外の世界や人の嫌な部分を見ることで、隠し事をしないといけなくなったり、作り笑いをしないといけなくなったり、耐えないといけなくなったり…でも生きるってこういうことだよなーと。
    微笑ましいながらもシリアスな要素もちゃんと入れてくれる、感情の揺さぶりが物凄いジェットコースター的なドラマ!

    麦野くんのキャラがよくて(ほっとけなくてついかまっちゃうのも)、自らが夢追い人でバイトと絵描きの大学生活をしてるこの設定だからこそ、発言により説得力が出てくる。
    自分には持っていないカホコの性格や考え方、魅力に気づき始め、それが本物だと理解し始めるまでの変化が見もの。

    そして、おばあちゃんからの言葉で学ぶことが多く、これは過保護のカホコだけの物語ではなく、家族やカホコを取り巻くそれぞれの物語でもあり、まさに色んな人の成長を描いているドラマでもある。

    成長は、気づいて、受け止めて、考えて(もしくは聞いて)、行動を変えることで生まれる。
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