相変わらずの超絶おもしろいエンターテイメント大作ドラマ。
裏に裏に更なる裏がいくつも積み重なってやっと地続きになっていく展開、後出しするシーンとタイミングが絶妙な脚本。
そして、1話完結ではないのに毎話クライマックスを作っていくから、次回が待ち遠しくなるし全然飽きない。
ツッコミどころはなくはないが、エンターテイメント性の高さで、そんなことはもうどうでもいいってなる。
とにかくおもしろい!この一言に尽きる。
基本的にはこの巧妙な物語の構成とエンタメ性の高い演出でも十分楽しむことができるのだが、今までの集大成となる仕事の本質が語られる第1章ラスト(4話)の重厚なメッセージ性までをも残してくるのが、さらによかった。
あのシーンはちゃんと今まで積み上げられた物語があるかこそ本当に感動したし、働いてる人の希望にもなったのではないだろうか。
特に不祥事が起こる背景にあるのが、あのメッセージが重要視されていないことにあるのもポイント。
顧客ではなく自らの昇進やキャリア、総じて利益しか見えてないから、権力を持つ者はそれをよいように使い、そこに部下が気に入られるように立ち回って、さらに不祥事が積み重なっていく。
このデフレスパイラルは、一度始まってしまうとなかなか止められない。
役職や給料などの見返りだけでなく、顧客に役に立って感謝されることこそが仕事の醍醐味となると、自らの利益のために顧客を騙すことはしなくなるはずで、不祥事がなくなることにも繋がっていく。
会社の看板や役職、給料の大小だけじゃない。
社会によい影響を与えていくやりがいをベースに語られる仕事観がよかった。
それが今までの物語とそれが現実にも起こってある事実があるからこそ、より重みのあるメッセージとして、違和感なく刺さってくるものがあった。
これは池井戸潤さん原作が事実をベースにして作られているのも大きい思う。
池井戸潤さん原作の脚本と言えば、八津弘幸さんと丑尾健太郎さんの印象が強く、今回は丑尾健太郎さんの脚本。
ちなみに丑尾さんは、今回の『半沢直樹』だけでなく、『下町ロケット』でもハードルが上がりまくった八津弘幸さん脚本のシーズン2を制作していて、この完成度で受け継いでるから本当に凄い!
八津さんからの信頼も厚いんだろうなと思う。
老若男女が楽しめるとはまさにこの作品のこと!
金融業界のあれこれを知らなくても、物語自体、豪華役者陣の豪快な演技(時に顔芸w)、王道のスッキリ感…どれかにハマることができるかなと。
そしてついに第2章へ。
より壮大な物語が展開されそうで楽しみ!
この壮大さであんな緻密な物語が作れるのも凄いですよね!
P.S.
キャストのことを書き出すと取り留めがなくなるので、ここでは香川照之さんと今田美桜さんだけ。
あらゆる顔芸が出てくる中で、圧倒的に香川照之さんが凄い!
そして学生と社会人をどちらも完璧にハマる女優は現時点では今田美桜さんのみじゃないかと。
学生はイメージつくけど、社会人もここまでハマるのは凄い!
もっと役者としても評価されてもよいのにと思います。