原作のファンなのでそれなりに楽しみにしていたが、実写化が期待以上で、佐藤健さんや鈴木亮平さん、小林薫さんや黒木華さんといった役者たちの演技に、原作ファンの自分としても納得するしかない仕上がり。全ての登場人物のキャスティングが絶妙ですね。前回、ついに兄の周太郎さんが亡くなってしまい、虚空感がまだ抜けません。ただ、篤蔵の祝宴が成功したことは伝えられたことと、俊子と再婚して、子供ができたことは本当に良かったと思う。その子供も大きくなってきて、料理人という仕事に対する気持ちも変わってくれたし。しかし、関東大震災が起きてしまった。震災は多くの人の人生を苦しませる…。
捨てる神あれば拾う神あり。前回、華族会館を辞めて街をさまよう篤蔵は、新しく「バンザイ軒」に拾われました。そこは学生に人気の安旨な洋食屋で大忙し。篤蔵はそこで料理を手伝い、お客さんから直接お礼を言われる喜びを体感し、料理にもいろいろ工夫していく。店主はウチはうまけりゃいいんだよ、儲けさえあればって人情派。こういった経験も全て力に変えていくんだろうな篤蔵は。…だけど。子供が流産してしまって、俊子家族から離縁を言い渡されてしまった。それでも辛抱ばかりしてた俊子が本音を吐き出せてよかったなーと思う。パリに行くお金も貸してもらえなかった篤蔵。どうなるんだろう…。
どうにもだらしない主人公が天皇の料理番になるまでを描いたストーリー。今回は、赤ちゃんを産むことを義父に許してもらえたので離婚話はなくなり一安心。俊子が今回の手紙に書いた「追伸、ジュテームとは何でしょうか?」はかわいすぎた。柄本佑さんが演じる辰吉が篤蔵に対してライバル心が芽生えてて、それを煽ってくる荒木シェフみたいな人って実際にも結構いそうだし、男の世界って大変だなと。そしてついにお兄さんが肺の病気で帰省することに!そのことを書いた手紙は泣けたし、ウソついてキレて華族会館を辞めた篤蔵の心にもずっしり響いたはず。夢があるって羨ましいな。