連載が開始された約10年ほど前から、ずっと大ファンな作品。
ドラマ化されることを知った時、「あの世界観を映像でどこまで表現できるんだろう…」と、正直言って不安しかなかったが、公開された主演のおふたりの「ケンジとシロさん」のビジュアルを目にした瞬間、驚きのあまり悲鳴をあげてしまった。
本当に、本当に「ケンジとシロさん」が漫画の中から飛び出してきたみたいに見えた。あまりに再現率が高いビジュアルに、「これは神ドラマになる予感…!」と、期待で胸がいっぱいになった。
その予感は見事に的中して、第1話から本当にクオリティが高かった。原作の話が元になっているのは当然だけど、ただ原作をなぞるだけではなく、ところどころにオリジナルのセリフやシーンが入っていて、全体としてきれいにまとまっていて、文句のつけどころのない、素晴らしい話だった。
オープニングムービーで、原作のファンは絶対に泣いてしまったと思う。私も号泣したから。なんだか分からないけど、泣けた。
シロさんがキッチンに立って料理している様子を、ケンジが撮影している。シロさんは困ったような、でも照れくさそうな笑顔で笑う。ふたりが向かい合って「いただきます」をするオープニング。何気ない日常の幸せが溢れていて、これを見ただけで心がポカポカに温まった。
ラストの、アイスをふたりで食べるシーン、あれは原作にはなく、ドラマのオリジナルだった。原作は、男性同士のふうふの日常を描いているものの、ふたりがイチャつく光景というのは皆無に等しいので、この「ケンジとシロさんがソファーに並んで座る」という画を見ることができて、本当に尊かった。
演出と脚本が神と言いきれる素晴らしいドラマ。2話以降も期待しかない。