2話の中で印象的だったシーンは、「俺はもうバイじゃないよ」というシロさんのセリフ。
ケンジはシロさんの本質を、本当はちゃんと分かっているものの、少し不安を抱えている。シロさんには女性と交際したという過去があるから。
ケンジはシロさんが交流を持つ女性に嫉妬心を向けてしまうが、それはまったくのお門違いだよ、ということをシロさんが諭す。シロさんはバイではなく、れっきとしたゲイ。女性を愛することはまったくできない。
自分がノンケの仮面をかぶっていたせいで、昔、彼女を傷つけてしまったことを説明し、また、ケンジを不安にさせてしまっていることに対して、「俺はもうバイじゃないよ」(もう、というか、元々バイではないし、世間体のために女と付き合うなんてことも二度としない。だから安心しろ)と静かに話すシロさん。
ケンジがいだいている不安を払拭し、かつ、今、自分が大切なのはおまえだよ、というシロさんの気持ちが、話し方からありありと伝わってきて、また、それを黙って聞くケンジの表情にも、シロさんへの想いが滲み出ていて、じんわりと泣けた。

食事という何気ない日常風景を通して、同性愛者同士のカップルが抱える葛藤をさりげなく描いているこのドラマ。原作によってストーリーを知ってはいるが、映像で見るとまた違った感動が起こる。前回に続いて今回もすべてが最高だった。