「なんでタイムスリップしたの？」「見知らぬ男を簡単に住まわせるの？」「現代に馴染むの早くない？」などなど、真面目に考えたらツッコミどころ満載なはずなのに、このドラマに関しては、不思議と、難しいことなーんにも考えずに、ゆるーい気持ちでのんびり見ることができた。

現代に突然現れた、平安貴族の美しい若君、光源氏。見るものすべてが新鮮で、目を輝かせる光はとってもかわいい。「いけめん」というより「かわいい」。ひたすらかわいい。
あんな子犬のような潤んだ瞳で見つめられたら、誰だってそりゃ放っとけない。うろたえながらも事態を受け入れて、服を一式買ってあげたり、泊まらせてあげちゃう、人のいい(というか状況に流されやすい)沙織。彼女の豊かな表情の変化や心の声がおもしろい。「いいね」を「いとをかし」に変換するセリフのセンスには感心した。
現代の世界にすんなり馴染む光の姿は、かわいすぎてキュンキュンしまくった。ジャージ(藤原という名札付き)に烏帽子という斬新なファッション、試着室のカーテンを下からするする上げる仕草、貴族的な？歩き方、カフェでの椅子の座り方、感極まったら歌を詠む(そして自分で解説する)、すぐに寝るw
ボケる光に沙織がツッコミを入れる、夫婦漫才のような掛け合いも楽しくて笑えた。

暗いニュースばかりの現実だけど、このドラマのおかげで、ステキな空想の世界にしばし浸って現実逃避することができて、ほんの短い時間だけど心が温まった。次回が待ち遠しい。