もちろん、当時も大好きで見てたんですが、鈴木保奈美さん演じる貴子の役のセリフが今、見ても泣ける。
大学卒業してから3年経った話だけど、まだまだみんな仕事や恋に夢を持って青春してるって感じがしてすごい。仲間との友情は永遠!みたいなゴリ押し感もいっそ嫌いじゃない(笑)。仲間!絆!みたいなきれいなことを言いつつ、ドラマの中の現実が結構つらいので、そのギャップに見ているこっちがえぐられてくる。ザ・野島伸司という感じだ。
久しぶりに全部見返してみて、名作は時代を気にせず見られるんだなと改めて実感。もう30年前とか信じられないくらい、今見てもテーマそのものは揺るがないと思う(携帯がないとかそういう時代の古さはあるが)。大オチはちょっと面食らうところがないわけではないけど。そういえばこのドラマで浜田省吾のことを知ったんだっけ。テーマ曲もいまだ色褪せない名曲です。
チョイ役で深津絵里が出ててビックリした!メインキャストの一部よりもすっかり演技派の女優さんになったよね。そして生徒のお母さん役の高畑淳子がまたいい。こういう役が似合う。しかし唐沢寿明も江口洋介もかっこいいな。江口洋介はちゃらんぽらんな役だけど、この世界観で見ると一番まともに見えてくるから不思議(笑)。
いやあ面白いけど1話から怒濤の展開でしかも重たい。なんとなくキャストからトレンディドラマの流れだと勝手に思ってたんですが、よく調べてみたらバブル崩壊後のちょっといろいろつらくなってきてる時期の話なんですね。納得。そんなにいろいろ問題起こるか!?ってくらいたたみかけてくるので、当時のドラマを見たことない自分としてはちょっとびっくりしました。
チョロ2部作とも呼べる10話と11話、両親が上京してきて通夜の場で仲間たちに穏やかに、どこか毅然としてお礼を言う母親の姿が強くて、かえって痛ましく見える。10話でも当然のように泣いたけど、この11話はまた違った意味での涙が出てくる。あー、泣きすぎて頭痛い…。
大筋は知っててもドラマをしっかり最後まで見たことがないので、新鮮な気持ちでずっと見てる。いよいよ7話でチョロがルビー・モレノに出会ってしまった…。ここで出会ってなければなぁ…と思うけど、チョロこそこのドラマの核だと思うから、やっぱり外せない。けど先のことを思うとつらい!
全12話でストーリーが半分近くまで進んできたせいか、ボート部メンバーのキャラクターがそれぞれ際立ってきたように思う。ここまで来ると、最初の印象と結構違ったりして、見てる人それぞれで好みが別れそう。生徒役は山本耕史。今でも演技派だが、当時この役を15歳くらいでやっていたというのだからすごい。
いよいよチョロの周りがしんどい。もともと就職先でこっぴどくやり込められてたところからつらいキャラクターだったけど。それでも唐沢寿明の健吾が、チョロのことを一度もチョロとは呼ばず、ずっと名前で呼んでいた=対等であった、というエピソードは好きだ。
鈴木保奈美も唐沢寿明も江口洋介もみんなきれいでかっこよく、トレンディともいえるスタイルではあるが、この10話をドラマのヤマと考えると、やはりこの作品は中野英雄のチョロあってこそだと感じる。何度目かの鑑賞だったけど、やはり今回も号泣してしまった。