北の国からの登場人物は皆不器用です。父、息子、娘の三人で力を合わせて極寒の北海道に移り住む、そういうハートフルなファミリー物ではありません。お互い本心は胸の内に隠して外には一切出しません。少ない言葉のやりとりでお互い探り探り生きています。三人だけでなく、学校の友達、先生、離婚して離れ離れになった母親もです。それゆえ、すれ違いやいざこざなどが生まれ悲しいことが起こることも多々あります。視聴者は不器用な人々に感情移入し、とにかく泣けます。日本人って昔はこうだったなと何度見ても思える作品です。とても卑怯で、でも本人は自分の卑怯さに気づいて苦しんでいる純に、子供のころの私は自分を重ね合わせずには...