各方面から切ない回だと念押しされていた7話、リアタイ+2回の見返しで、切なみよりも登場人物それぞれの愛の深さが刺さってきた回だった。
S1の春田はポンコツだった。ここでのポンコツは、仕事の能力も生活スキルも高くない、の意味のポンコツ。だから、仕事も家事もできる牧に対して尊敬に近い想いを抱き、牧から告白されたことがきっかけで牧を好きになっていたのだと思う。
スカイの春田は、仕事上のミスはするけど航空会社に採用されるだけの能力があり、寮生活を支障なく行えるくらいの生活スキルは持っている。
この春田が恋愛感情を抱いた成瀬は、5歳年下の副操縦士、優秀だが人間関係を築くのが苦手で要領...
各方面から切ない回だと念押しされていた7話、リアタイ+2回の見返しで、切なみよりも登場人物それぞれの愛の深さが刺さってきた回だった。
S1の春田はポンコツだった。ここでのポンコツは、仕事の能力も生活スキルも高くない、の意味のポンコツ。だから、仕事も家事もできる牧に対して尊敬に近い想いを抱き、牧から告白されたことがきっかけで牧を好きになっていたのだと思う。
スカイの春田は、仕事上のミスはするけど航空会社に採用されるだけの能力があり、寮生活を支障なく行えるくらいの生活スキルは持っている。
この春田が恋愛感情を抱いた成瀬は、5歳年下の副操縦士、優秀だが人間関係を築くのが苦手で要領が悪い。
春田は成瀬のどこを好きになったのか。
7話で分かったのだが、成瀬は共感性が非常に低い。相手の気持ち、というものを理解できない。もっと言えば、人の内面を理解できないのではないかと思う。
春田に「シノさんの好きこと知ってる?」と訊かれ「整備?」と疑問形で返すシーンにちょっと驚いた。あれだけ好きの人なのに、本当に一面しか見られていない。
ここで、成瀬が四宮を好きになったのは、自分に対して徹底的に優しかったからではないかと思い至った。多くの人に指摘されているように、父性への憧れにも近いと思う。自分を傷つけない優しい存在だったから、好きになったのだ。
では春田は、そんな成瀬を何故好きになったのか。
私は、春田は逆に父性に近い愛情をもつ人で、精神的に不完全な成瀬だから好きになったのではないかと感じた。
春田には、成瀬の欠けているところがよく見えて、こうすればうまくいく、こうすれば上手になれるという見通しが立っている。だから放っておくことができず、嫌がられても関わり続け、自分の影響で良い変化をした成瀬の姿を見て、心から良かったと思っている。そして、成瀬が慕う四宮に本気で嫉妬もしている。
もちろん、父性に近くても恋愛感情だから、触れたいと思うし激情でキスもしてしまう。でも、キスを拒否された後は、少し離れて成瀬を見守るスタンスをとり、成瀬の気持ちを確認しながらデートのアドバイスをし、そっと手を繋いで心の距離を測ったりもしている。
不完全な部分を自分で埋めるように愛する、これが私の感じる春田の愛情の形である。
結局、春田の家族的な背景は明かされなかったが、武蔵や四宮には父親や兄に近い感情を抱いているように思われるから、二人と恋愛関係になることはないのではないこと感じている。
それでもこのドラマは、他でもないおっさんずラブである。
どんなどんでん返しも受け止める覚悟はできている。
楽しみに、ただ楽しみに最終回を待つ。
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