【久世薫さんの視聴ドラマの口コミ・感想・評価一覧】

  • MIU404 第5話

    4.0
    • 出演者 4.0
    • ストーリー 5.0
    • 演技 5.0
    • 映像 4.5

    ミルフィーユと鏡のようなドラマ

    よくぞまあ、ここに切り込んだという外国人労働問題の5話。
    そしてさすがそこは野木さんという仕上がり。

    何より、一見主張があるようで、この手の話で何を汲み取るかを視聴者に丸投げしている感が...
    続きを読む よくぞまあ、ここに切り込んだという外国人労働問題の5話。
    そしてさすがそこは野木さんという仕上がり。

    何より、一見主張があるようで、この手の話で何を汲み取るかを視聴者に丸投げしている感がある。

    この問題を外国人労働問題と取るのか。
    人権と取るのか。
    差別問題と取るのか。
    雇用市場の問題と取るのか。

    これは膨大な取材をしているのがわかるし、知るためにフラットな視点をキープすることに並々ならぬエネルギーを費やしただろうと想像できる。
    それくらい、この一見悲劇のドラマに描かれがちなテーマは、人を引きずり込みやすい。悲劇は共感を得やすいからだ。

    5話はそれをただ悲劇にはしなかった。いや、見る人によっては悲劇だけかもしれないが。
    ミルフィールのように何重にも情報を積み上げ、何の問題か、何が問題かを、見る側にゆだねている。

    まるで鏡だ。自分がどこまで読み解いて、何に心を震わせることになるのか。それがまた自分に突きつけられる。

    絶対悪があるわけでもない。政治すらそうではない。それは最後にシステムによる救済の話に及んだところで、勧善懲悪にしないという意図は明確だと思う。

    5話で描かれたのは外国人でも警察でもない。
    ただ、人間だ。
    不完全で間違いもするけれど、前を見たいと願う、人間だ。
  • ハケンの品格2 第1話

    3.5
    • 出演者 4.5
    • ストーリー 3.0
    • 演技 3.5
    • 映像 3.5

    期待と不安のせめぎあい

    時間が経ってのシリーズ化は難しい。そう思っていた。

    前シリーズはリアルタイムで見ていた。それだけに製作発表から、期待と不安が入り混じった感情を抱えて放送を待っていたところにコロナによる延期...
    続きを読む 時間が経ってのシリーズ化は難しい。そう思っていた。

    前シリーズはリアルタイムで見ていた。それだけに製作発表から、期待と不安が入り混じった感情を抱えて放送を待っていたところにコロナによる延期。

    無事放送されて、ホッとしたのが昨夜、6月18日。

    いざ始まってみると、懸念していた1の頃と現代との派遣を取り巻く環境の違いはそこまで気にはならなかった。

    何しろ大前春子である。元から規格外。

    前作のぶっちぎりチートぶりは健在で、大前春子が帰ってきた!と思わせる。忘れてはならないのが東海林さんと里中さん。それぞれ出世や返り咲きを目指し奮闘しているものの、キャラクターは変わらない。
    懐かしい。

    かつての取引先であるタチアナ社を絡めたり、1から見ている人をがっつり逃しませんスタイル。

    一方でセクハラで実際の事件のネタだったり、花見を桜の会と言ってみたり時事ネタ満載。
    今の話だよ、という念押しにも思える。そうしておかねばと思うほど、過去の色が強くもある。

    クライマックスのセクハラ会議まではそう思っていた。

    それがラストで変わった。

    大前春子は孤高の一匹狼だ。それができるのは有能だからだ。その分時給も高い。自分の意志で契約を更新しない。だから強い。

    そんな春子が、日本沈没の本を持って、このままでは私もあなた達も終わると語りだす。

    正社員vs派遣社員ではない、もっと大きな問題に踏み込むことになっていきそうだ。

    実はこのシーンにたどり着くまで、私は大前春子と会社の関係に違和感があった。面白さで少し見ないふりをしていたけれど。

    春子のような派遣は、1の時代はまだ破天荒だけれどアリと見えた。だが今は会社が「アリ」とするだろうか?という疑問。続編が出ると聞いた時の一番の懸念事項でもあった。今は当時よりずっと社会に抑圧感があり、時給も下がっている。さらに時代はコミュニケーション能力の高さを要求している。春子とは真逆のものが良しとされがちなのだ。

    1話はセクハラ回だったのだが、むしろセクハラ騒動が終わったここからが本編ではないだろうか。

    ハケンの働き方や人生について大前春子の美学を描いてきたシーズン1を踏襲し、シーズン2では日本の労働体制についても乗せてくる予感がする。

    1では優秀で手放したくないと思われていた春子は、ラストにあんな派遣はいらないと宣言される。
    大前春子の生き方が、あの会社では否定されるのだ。どんなに優秀であっても。

    この切り口は意外だったが高評価。また、それを言い出したのが旧態然としたカムバック社長というのが恐れ入る。否定する側もまた、旧式なのだ。

    セクハラ問題までは水戸黄門のようなお約束展開ドラマで、楽しんで見ればいいと思っていた。事実、ある程度は楽しかった。

    だが、このラストで、これはもっと重たいものを扱う予感がした。
    これはガチガチの古さを散りばめた今のドラマだ。

    そういう意味で、とてもここからの期待値が高さを予感させるスタートダッシュの1話だった。
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