全話視聴して最終回はリアタイ。
そうするだけは面白くて見ていたドラマだった。
最終回もおもしろかった。
おもしろかったのだけれど……モヤってしまった。
モヤッたのは、メイが気にしていた世間の声をメイは誰からもぶつけられたこともなく、ナギサさんへの自分の先入観を変え、次にしたことが、結局男女逆転しただけの家事アンバランスに落ち着いたところだ。
もちろんナギサさんはお母さんになりたいという夢がある。同じ職種だったために仕事の面でメイを見ても後輩のような愛情も注いている。そういう意味では利害一致はしている。
ただナギサさんは本社にいくほど買われている昼の仕事もばっちりできる人。現場としてもこれ以上契約できないほどの売れっ子。メイと今の職種は違っても仕事をしていることは変わらない。
それなのにお母さんになりたい。その思いで家事全般も引き受けている。仕事もして家もきれいに整えてくれて、仕事のアドバイスもして、結婚により、さらに愛情まで注いてくれる。
一昔前の理想の嫁状態。男女逆転しただけで、メイが追い詰められていたなんでも完璧像と変わらない。
愛情っていうカンフル剤で誰かへのしわ寄せが大きくても、まあいいかでお互い済ませてしまう構図。気遣いあってないわけじゃない。もしビジネスライクに負担の不平等が処理できればきっともっと簡潔だ。
メイも気にしていないわけじゃない。でも結局はそこは深く掘り下げられず。
ではナギサさんはどうか。
ナギサさんはお母さんの件があって、家族を大切にするということに強迫に近い重きを置いている。ナギサさんもまた、私ががんばらねば。の後悔を引きずっていて、何も変わっていない。
それでもまだ、ナギサさんがメイにベタぼれだったり、メイがナギサさんが家事の面以外で手放せないという点がもっとはっきりしていれば、恋愛の力技で納得できたかもしれない。
そもそも1話から最終話まで、メイもナギサさんも好意はあったけど恋はありましたかね?
先週のラストにナギサさんがやめると知って出た言葉が「結婚しましょう」。
逃げ恥を思い出します。
ただ逃げ恥はいいんです。あれはお互い契約という納得がある。
ナギサさんに関しては君たちの関係は恋愛や結婚ですか?と疑問符飛び交う中進む。
……これ、結婚じゃなくてもよくない?
きっとコロナで何話か削られたに違いない。
そう思うほど、唐突オブ唐突。
そして現代の家事負担アンバランスの問題へは、男女逆転しただけじゃない?という感想に落ち着いてしまった。
きっとあと1〜2話あれば、もっと丁寧にそこを作ることができたんじゃないかと考えられるのが惜しまれる。
きっとふたりは幸せなのだろう。そして見終わって思うのは、もしメイがナギサさんに家事スキルがなかったら、必要だったのだろうかという疑問。
嫁入り修行を求める昭和男子のような条件がメイの恋になかったと言えるだろうか。
どうしてもそこが、スッキリしないモヤモヤを残してしまうのだ。