4.0
出演者 4.0
ストーリー 5.0
演技 5.0
映像 4.5
MIU404 第5話
よくぞまあ、ここに切り込んだという外国人労働問題の5話。
そしてさすがそこは野木さんという仕上がり。
何より、一見主張があるようで、この手の話で何を汲み取るかを視聴者に丸投げしている感がある。
この問題を外国人労働問題と取るのか。
人権と取るのか。
差別問題と取るのか。
雇用市場の問題と取るのか。
これは膨大な取材をしているのがわかるし、知るためにフラットな視点をキープすることに並々ならぬエネルギーを費やしただろうと想像できる。
それくらい、この一見悲劇のドラマに描かれがちなテーマは、人を引きずり込みやすい。悲劇は共感を得やすいからだ。
5話はそれをただ悲劇にはしなかった。いや、見る人によっては悲劇だけかもしれないが。
ミルフィールのように何重にも情報を積み上げ、何の問題か、何が問題かを、見る側にゆだねている。
まるで鏡だ。自分がどこまで読み解いて、何に心を震わせることになるのか。それがまた自分に突きつけられる。
絶対悪があるわけでもない。政治すらそうではない。それは最後にシステムによる救済の話に及んだところで、勧善懲悪にしないという意図は明確だと思う。
5話で描かれたのは外国人でも警察でもない。
ただ、人間だ。
不完全で間違いもするけれど、前を見たいと願う、人間だ。