こんな壁ドン、誰が予想できるというのか。
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喜美子の恩師でもある寺岡先生が、
百合子の進路の相談のために登場。
お金がなくて進学を諦めた喜美子と同じ道は歩かせまいという教育への情熱、教え子への愛情。
寺岡先生、めっちゃええ先生やな…。
しかしお金にもなる仕事(教師)に就きたいと思っても、
川原家には学ぶためのお金がない。
教師になるには教員免許がいる。
教員免許を取るためには短大に行く。
短大に行くにはまず高校への進学。
100歩譲って短大はいい。
でも高校に行く余裕はないというお父ちゃん。
いやいや短大に進学するには高校行かないかんやん。
そんな常識すら通じない(というかわからない、知らない)
この圧倒的な知識の差がキツイ。
やりたい絵付の仕事に就いた喜美子だけど、
学もなく女性で、まだまだ見習いの立場で給料は雀の涙。
家族を養えるほどの収入はまだなかった…。
きみちゃんと百合子が、蚊帳の中でやるせない胸の内を明かし合う。
二人の夜着姿が美しく、でも儚く…。
狭い場所にとらわれているとも取れる蚊帳の存在が、姉妹の気持ちのせつなさを強くする。
お父ちゃんのダメな描写の底が、なかなか見えません。
お酒がやめられないのも、その日暮らしな思考回路から抜け出せないのも、おそらく幼いときから続く恵まれない環境に左右されている。
頼れる両親も兄弟もおらず、小さい頃から商家の丁稚奉公として働き、今を生きることにいっぱいいっぱいなまま家族を持った父親。
現代の環境から見てしまえば、
大人で父親なのだしいい加減しゃんとしてくれと簡単に切り捨てられてしまう。
そう思ってしまうのも仕方ない。
けど、でも…。
家族への思い、いざという時の優しさ強さは持ち合わせている憎めないお父ちゃんなんですよね。
だから救いが…救いがあってほしい…と切に思います。
車を動かすためにガソリンがいるように、
お父ちゃんにとってのガソリンはお酒で。
アル中と言われたらそれまでですが…。
昭和の、依存症の知識も社会福祉も支援もまだまだ足りない状況での家庭の貧困。
お父ちゃんだけが原因ではないし、お父ちゃんだけでは生活を立て直せないのがしんどいところ。
百合子にはどうにか進学してもらいたいな…。
話はちょっとそれるけど、
昭和を過ぎた令和のこの時代でも、家庭の貧困で進学できないことは多々ある。
仕事をしてもしてもお金が入らないこともある。
それは何故なのか。
同じく朝ドラのゲゲゲの女房にもあった問いで、
どんなに頑張っても貧乏から脱出できないのは社会のせいという答え。
でも日本人は自責の念が強いので、
議論する前に自己責任論で終わらせがちという…
なんだかそんなことをぼんやりと考えてしまう話でもありました。
ところ変わって朝の絵付部屋。
今度は出待ちならぬ入り待ちをする八郎くん。
フカ先生の個人情報を聞き出しつつ(やばい)、
フカ先生と思い出づくりをしたいと言う(やばい)。
しかも自分の方が喜美子よりフカ先生を慕ってるから上の立場的なことまで言いはじめる。
やばいよやばいよ。
思わず出川節が出てしまうくらいのやばさ。
アカン、この人完全に自制心を見失ったオタクのあれや!
我を失ったオタク!いけない、タタリ神になってしまう!(何もそこまで)
自分もやばいオタクなので気持ちはわかるんですけどね。推しがいなくなるって状況ですからね。冷静にしてられないですよね、ですよね。
そんな暴走を食い止めるのが若き勇敢なアシタカならぬ喜美子。
うちは先生の弟子やし!なんなら付き合いも長いし!プンスカプンプンプン!
待って待ってケンカはやめて。
フカ先生のために争わないで。(いややっぱり見てて面白いからもっとやって)
そもそもなんの話でした?
あっ、フカ先生が遠くへ行きはるってご存じない…からの壁ドン!
え、ここで!?
【速報】予告の壁ドン、ときめきの壁ドンではなく、
オタク同士のなわばり争いからの壁ドンと発覚。
八郎くんは完全に逆ヒロインとなりました。
出待ちに入り待ち、そして壁ドンされる。
ヒロインやないですか。マスコットボーイやん。
こんなオチ!こんな面白いオチ!
どうやって思いついてるんですかスカーレットチームさぁん!もう大好き!
不本意な形でフカ先生の進路を知ってしまったきみちゃん。弟子なのにつらいよ…フカ先生からのフォローが待たれます…。