ずっと原作を追いかけていたので、ドラマ単体の評価というより、漫画のドラマ化という観点での感想。
(どちらが上か下かとは考えていないが、どうしても記憶の中の原作と並べて見てしまうため。)
心さんはひどく浅慮になってしまっていたが、漫画をドラマ化にあたってかなりうまくローカライズしていたと思う。
漫画の表現をそのまましても三次元だと寒く見えることも多いのを、うまく味付けしていたというか。ドラマとしての面白さを目指していることがわかった。
個人的に気に入ったオリジナル要素は、由紀に関するエピソードの大幅な増量。
というより、それを初めとした、人間ドラマ要素の増量。和子について...
ずっと原作を追いかけていたので、ドラマ単体の評価というより、漫画のドラマ化という観点での感想。
(どちらが上か下かとは考えていないが、どうしても記憶の中の原作と並べて見てしまうため。)
心さんはひどく浅慮になってしまっていたが、漫画をドラマ化にあたってかなりうまくローカライズしていたと思う。
漫画の表現をそのまましても三次元だと寒く見えることも多いのを、うまく味付けしていたというか。ドラマとしての面白さを目指していることがわかった。
個人的に気に入ったオリジナル要素は、由紀に関するエピソードの大幅な増量。
というより、それを初めとした、人間ドラマ要素の増量。和子についての掘り下げもかなり増えていた。
原作では第二の世界線の由紀についての描写はあまりなかった。
もちろん心さんは記憶があるから由紀に色々と思うところがあるものの、由紀にとっては「なんだか会ったことがあるような振る舞いをするけど…」と思いつつ取材対象の1人だった。
ドラマでは、心さんの真実を追い求める姿勢を見つめこちらの人生でも尊敬しなおす展開が丁寧に描かれていて、記憶が変わってもたましいは同じ人間であることが自然と理解できるようになっていた。
音臼に行く前に由紀に指輪を見せるシーンは、また霧に包まれ、再び自分を好きになってくれた由紀と離れ離れになるとわかっているのに、この時間が永遠に続けば幸せなのにと思ってしまった。
ただ、漫画をドラマにするにあたっての味付けを「し過ぎた」感は否めない。
なんと言っても犯人の変更において、既読者未読者両方を楽しませるためとはいえ、それだけが目的になって経緯が蔑ろにされていた気がする。
せっかく心さんが「家族の未来を守る」と覚悟を決めたのに、
・佐野の無罪はみきおの鈴への執着のおかげ
・能動的に庇ったのではなく偶然刺されて「結果的に」解決
と、結局ドジの上にドジを重ねてなんとかなったという情けない終わり方になってしまった。
主人公を無能にしないと成り立たない展開になってしまうなら、犯人をむやみに変えない方が良かったと思う。
他にも、恩人である心さんが亡くなったことに対する佐野家の反応、
なぜ父親が殺人犯じゃなかったのに鈴は整形したのか(キャストを変更してほしかった。原作では顔が違う)、
なぜ馬淵は佐野と因縁があるのか、
などなど…足りないと感じることは沢山あったが、2ヶ月間は出来の良いドラマ化を楽しみ、最後の2回はオリジナル要素で推理を楽しむことができた。
医療ものや弁護士ものだけじゃなく、こういうエンタメも増えて欲しい。
原作は、これ以上ないなと思えるオチになっているので是非読んでほしい。