待ちに待った野木亜紀子!
個人的にはタイトル通り、「無駄はないが余白もない」という感想。
難しいことを考えずに言えば、「すげー!おもしれー!!ハラハラした!」で終わるが。
とにかく無駄がない。
機動捜査隊というよくわからない組織の仕事内容が、ストーリーの流れで分かり、キャラクターの性格の長所と欠点もストーリーの中で自然と把握できる。
煽り運転の加害者は別の面では被害者となり、車が壊れ足の速さの見せ場が訪れる。
おばあちゃんと孫のエピソードも、「ステッキ」という重要アイテムにつながる。
このステッキがかなり心に残った。
ステッキが拳銃に変わるだけで伊吹は警察から殺人者へ変わるかもしれない危うい人物。
そのせいで、魔法のステッキは女の子を魔法少女に変えるファンシーな道具だったはずが、狂気を抑える少し不気味なアイテムになる。
危うさと正義の境目にあるのが子供用のおもちゃという歪さが、気持ち悪くて面白いと思った。
一方で、余白があまりにも少なく、ストーリーに追いつくのが精一杯になってしまった。
ダラダラしたドラマはそれはそれでつまらないが、常に時速140kmで走っているようなノンストップさ。
「そういえばさっきのシーン」と思い出す暇はない。
「このセリフ、さっきの視線の意味に繋がってるんだ!」とのんびり考えていると次のシーンに進んでしまう。
ストーリーを追うためには思考を止めなければならない。
それが狙いかもしれないし、一概に悪いとは言えないが、ちょっと情報量は多すぎたかもしれない。
でも全体的には本当に面白かった。
楽しい。ドラマって楽しい!と純粋に感じた。
ネットではアンナチュラルと比較する声がちらほら。
同じ脚本家だと仕方ないか。スタッフもだいぶ被っているみたいだし。
アンナチュラルの緩急の付け方は本当に素晴らしかったなと私も思う。
でも、このドラマもきっとどんどん成長する。
第二話からも楽しみ。