夢を叶える人は、人にぎり
あとは人生に折り合いつけて、生きていくの
それが今は不幸みたいに思えるかも知れんけど
私は、あんたたちのおかげで幸せ
*『エール』第17話 君はるか
声楽家を目指すヒロイン・音(おと / 二階堂ふみ)に、
若い頃、同じ夢をもっいたと告白した際に
母・光子(薬師丸ひろ子)が語ったセリフ。
夢を諦め、娘たちを懸命に育てた
心情を表しているのだけれど、
今まさに夢に邁進しようとする者には、
負け犬が自分を慰めているように
聞こえるかも知れない。
実際、そういう場合もあるだろう。
でも、心の底から燃える志に出会...
夢を叶える人は、人にぎり
あとは人生に折り合いつけて、生きていくの
それが今は不幸みたいに思えるかも知れんけど
私は、あんたたちのおかげで幸せ
*『エール』第17話 君はるか
声楽家を目指すヒロイン・音(おと / 二階堂ふみ)に、
若い頃、同じ夢をもっいたと告白した際に
母・光子(薬師丸ひろ子)が語ったセリフ。
夢を諦め、娘たちを懸命に育てた
心情を表しているのだけれど、
今まさに夢に邁進しようとする者には、
負け犬が自分を慰めているように
聞こえるかも知れない。
実際、そういう場合もあるだろう。
でも、心の底から燃える志に出会える人は、
現実にはむしろ稀なように思う。
環境がなかったり、出会わなかったり、
人によって理由はいろいろ考えられるが
夢を持てること自体が、ひとつの幸せだと
言えそう。
残念なのは、夢を持てなかった人や
夢を諦めた人が、そんな自分の生き方を
否定的にとらえてしまうパターン。
幸せは、自己実現にのみあるのではない。
ただ、ドラマになりにくいだけではないか?
『ひよっこ』のみね子は目標達成型ではない。
『まんぷく』のふく子も、ただ萬平を支えていただけ。
二人とも、その場その場を一生懸命生きていた。
『スカーレット』の喜美子にしても、
目標が最初から定まっていたわけではなく、
同じくその場を一生懸命切り抜けていくなかで
次第に人生が形作られていったように見える。
近年好評を博したドラマの中には、
目標達成型とは異なる人生が
描かれているものが目につく。
うすうす感じていたこの印象に、
冒頭のセリフが妙に響いた。