吉高由里子は定期的に日テレドラマにやってくる。2017年は『東京タラレバ娘』で脚本家、2018年は『正義のセ』で弁護士を演じていたが、どちらも作品に恵まれていないように感じた。(タラレバ娘の原作はおもしろいのに!)
2020年の吉高由里子は、週刊誌の記者だ。医療ドラマと事件ドラマがあふれる2020年冬クールの中で一、二を争う期待度だったと思う。
思うんだけど。思っていたものと、なんか、違った。
整理すると、主人公のケイト(吉高由里子)は二つの“スクープ”を追いかけていく。
一つは、自分自身の出生について。「あなたのパパは…キアヌ・リーヴス…」有名翻訳家と...
吉高由里子は定期的に日テレドラマにやってくる。2017年は『東京タラレバ娘』で脚本家、2018年は『正義のセ』で弁護士を演じていたが、どちらも作品に恵まれていないように感じた。(タラレバ娘の原作はおもしろいのに!)
2020年の吉高由里子は、週刊誌の記者だ。医療ドラマと事件ドラマがあふれる2020年冬クールの中で一、二を争う期待度だったと思う。
思うんだけど。思っていたものと、なんか、違った。
整理すると、主人公のケイト(吉高由里子)は二つの“スクープ”を追いかけていく。
一つは、自分自身の出生について。「あなたのパパは…キアヌ・リーヴス…」有名翻訳家として活躍していた母の最期の言葉をきっかけに、ケイトは謎に包まれた父親の存在について調べ始める。さすがにジョークだろうと思っていたが、「実の父親がキアヌ・リーヴス説」は物語の途中まで引っ張り続けられた。でも本当の父親はキアヌどころか……!というのが最大の見どころである。(多分)
もう一つは勿論、週刊誌記者としてのスクープだ。
ケイトが担当している『週刊イースト』は、政治のスキャンダルから芸能人のスクープまで扱う雑誌らしい。でも第一印象としては、『週刊文春』というより『週刊実話』の方だった。記念すべき初回にすっぱ抜いたのは、“茶道教室の先生がカモにされている“国際ロマンス詐欺”!劇中で特集班のデスク(小林きな子)が「あんまり特ダネ感ないね」みたいなことをぼやいていたのだが、本当にその通りだと思う。ケイトは被害者の先生に直接話を聞くべく、茶道教室にわざわざ入会して潜入取材を行う。しかし、『週刊イースト』の記者だとバレて破門され、一度は門前払いに。最終的には「先生はI love youをお金で買ったんですよね!私も昨日恋人の言葉に救われたので、その気持ちは十分わかります!」的な感じで、これは一つの愛の形だと認めたケイトに心を動かされた先生が、記事の掲載を認めることになるのだが、なかなか摩訶不思議な着地点だった。
記者としてのスクープと、自分の人生最大のスクープ。言いたいことはわかるけど、上手いことを言ってるようにも思うけど。せめて記者としてのスクープは、もっと特ダネ感がほしい。
ちなみに今作は、『大恋愛』や『家売るオンナ』シリーズを手掛けた大石静先生による完全オリジナルだ。そこを踏まえると、ケイトの出生よりも衝撃が走った春樹の手のひら返しにも、ああね……と思うところがあったり。とにかく来週からは、自分が勝手に抱いていたイメージを捨てて、も少しフラットな気持ちで見てみようと思う。