冬彦さんという、マザコンのキャラが、これほど全国区になったドラマは他にはないのではないでしょうか？

このドラマはマザコン男の怖さを最大限に描いており、こんな男につかまったらもう逃れられない、ストーカーとは違う粘着質のおそろしさを、嫌という程見せつけられてしまった。

野際陽子さん名演技により、息子を溺愛する姿は鬼気迫るものがあり、世の中の結婚を控えた女性が、一人息子や長男の嫁を避けたがる風潮ができたほどだった。

全話を通じて、主人公の賀来千香子さんが、気の毒で早く逃してあげたい気持ちでいっぱいたったが、最終回の展開でそれが別の感情に変わっている自分に気付くのが驚きであり、このドラマの本当の面白さであった。