二宮和也が演じる医師の渡海は二宮のキャラからは、とても想像がつかない程、ジキルとハイドという位の落差のある演技が注目です。象牙の塔ともいうべき、秩序と倫理が求められる大学病院の医学部にあって、礼儀を知らず、口のきき方も粗暴で研究論文も書かない、アウトローの外科医師の渡海を二宮が演じます。ドラマの最初では渡海教授候補と言われた渡海の父が医療ミスの疑いを掛けられて大学を追われた恨みがああると判ります。そして父が渡海の上司である西崎教授のミスの責任をかぶって追われたと思っており、西崎教授を追及する証拠を握るのが目的があるとわかります。その渦中にあってライバル大学の教授との理事長選挙にまつわる、汚い権力闘争が絡んで、誰が敵なのか味方なのか、ドギマギします。
印象的なのは二宮が、オペ中にミスをした医師に向かって「1000万円で、もみ消してやる」と、凄んで上目使いに睨む表情が今も、頭に焼き付いて忘れられません。
そしてドラマの最後の緊迫のオペの場面で西崎教授の医療ミスが真実ではなかったのに、別の黒崎という医師の悪意にも似た告発で渡海の父親が大学を追われたという、あっと驚く真相が解き明かされます。