




正直に話すと、私は少し「おちょやん」に不安点がありました。
というのも関係者さんが、
「毎日くすっと笑えるところがあります」とおっしゃっていたから。
いや、喜劇役者だからって無理に笑わそうとだけはしないでほしい。
人間味をしっかり描いてくれたら、笑いも涙も自然に生まれるはずだからと。
そもそも大阪の喜劇ってそういうものだからと。
そんな危惧は番宣の「もうすぐおちょやん」で安堵に変わりました。
特にええやんと思ったのは、
杉咲花ちゃんと先輩女優役の井川遥さんとのこのやりとりです。
杉咲「なんで役者さんになろうと思わはったんだす?」
井川「自分の体の内側からそうしろ、そうしろっていう声が聞こえたの。わかる?」
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杉咲「さっぱりわかりまへん」
そうそう、これでいい。偉そうだけどそう思いました。
ヒロインだからって上げたりしない。
むしろ主役を落とすことによって生まれる緊張の緩和。
これで充分くすっとできるよねと。これがBK流ヒロインだよねと。
あと欲を言うなら、確かめたいのは「間」ですね。
花ちゃんが「さっぱりわかりまへん」までどのくらいタメるか。
こればっかりは正解がなく場の空気によるものだから、
花ちゃんだけでなく、演出家さんがどこまでこだわるかが露呈する。
「おちょやん」の質の試金石になるような、
大げさですがそんな気がしています。
あと、メディアに披露されたインタビューで
花ちゃんが「笑いと涙は紙一重」と答えていたのも光ってた。
ああこの人は分かってる。オレが見込んだだけあるなと←
さらに、ちょっとグッと来たのはこの言葉。
「毎日、朝ドラを観ている方々にとっては、
生活の一部のような存在になっている場合もあると思います。
そんな作品に携わらせていただけることが光栄です」
杉咲花にハズレなし。
明日から明るい感想が書ける日が来ることを楽しみにしています。
(全体評価5は期待値です)