前回放送を見た後のツイで「これは桃子ちゃんとその周囲が真人くんをどう受け入れていくかの話なんだな」的なことを呟いた気がするんだけども、それ違ってましたね。
すみません。訂正します。

「姉ちゃんの恋人」は真人くんがどう自分を許せるようになっていくかのお話。
それが本筋のような気がする。

「起きたことはどうしようもない。そこからどう生きていくかだ」と、相手に向かってではなく、自分自身が自らに言えるようになるまでの話。自分を許し、未来に立ち向かっていけるようになるまでを描く話。
桃子ちゃんの恋とその周囲のあれこれはその媒介で、最終的には応援団。
たぶんそれが正解なんじゃないかなあ。

見てるこっちは、真人くんが桃子ちゃんに話す「君は本当の俺のことを知らないから」「そんな奴なんです」の中身が、全然“本当の俺”じゃなくって、切なくて悔しくてぼろ泣きしてしまった。
桃子ちゃんに告白されて、ほんとは嬉しくて仕方ないのに、それがもうダダ漏れに漏れているのに、それを「いろいろありがとう。楽しかった。」「忘れないな」で自己完結させてしまう真人くんの諦観に、泣いた。
そこまでクッキリ諦めきってるんだな、って思ったら悔しくなった。

これに関連しては、先週に引き続きすごく思ったことがあって、

先週の回想シーンを見て、嘘を吐く彼女が許せないという感想もいくつか目にしたけど（私も最初は“そりゃねえぜ！”って叫んだ）、今回の真人くん語りを聞いていて、やっぱり、きっと、彼女は、彼がそんな仕打ちを受けてまでも、それでも守りたいと思える“いいひと”“大好きなひと”だったんだろうなと思った。そして、それも含めてやっぱり誹議を受けるべき対象はあの男どもであって彼女ではないし、本来最も守られるべき存在である被害者が、どんな形であれ、そこから派生した行動によって非難されるようなことがあってはならないと思った。彼女は被害者なんです。そこんとこは是非このドラマでもちゃんとフォローして欲しいなあ。どうなのかな。

彼女について、今後なんらかの形で描かれる場面があるのかどうかはわからないけれど、真人くんがひとこと“いい人”と表現した彼女だもん、それでなくても普通の人間なら、きっと今も彼女は自分の言ったことを背負って苦しんでると思う。1年付き合って、プロポーズしてくれて、イエスと言ったらメッチャ喜んでくれて、そして自分を守ってくれた大好きな人だ。我を忘れて角材振り回す姿にショックを受けたとしても、そこまでして自分を守ってくれた人だ。その愛する人を陥れるようなことを言ってしまった自分への嫌悪と後悔は如何ばかりだろう。辛い。大好きな人に裏切られた真人くんは死ぬほど辛い。でも、大好きな人を裏切った彼女はそれ以上に辛くて苦しい今を生きている。そんな気がしてならない。くそう。

桃子ちゃんが検索していたスマホの画面に、あの男どもが“被害者”の立場で語った「いきなり背後から殴りつけられた」旨の証言記事が出ていた。心底ムナクソ悪いし、いや、鑑識でもなんでももうちょっとマトモな捜査しろよ日本警察、とあらぬ方向に怒りすら湧いてきた。
でもメディアの垂れ流しも含めて、きっとこんな理不尽、この世の中にはいくらでも溢れかえっているんだろう。ちゃんと横断歩道を渡っていたのに轢き殺されてしまった桃子ちゃんのパパママの事故だってその理不尽のひとつだ。
今、私にとってこのドラマを見る時間は、理不尽に踏みにじられる救いのなさへの怒りを堪える時間になっている。

だからこそ、「フォークリフトになりたい♡」ってモジる桃子ちゃんの小さな恋は報われて欲しいし（私もなりたい ALESIS 20！）、本当は桃子ちゃんに告白されて胸が爆発しそうなくらい嬉しい真人くん（瞳が語ってるじゃないですか）には幸せになってもらわなければ困る。

「衛生兵」とか「バーべ“Q”」とか、それでなくても敏感な私の共感性羞恥を爆死させるシーンにも耐えるし（あ、小池栄子さんは素晴らしいと思います。このドラマで彼女に救われてるシーンは山のようにあると思っているので、あまり酷いセリフを彼女にアテないで欲しい）、なんでフォークリフトの運転1回見ただけで姉ちゃんの想い人に惚れた？弟たち？？？ってツッコミもグッと抑えるので、どうかどうか、我らが林遣都に一世一代の、全てを吹き飛ばす幸せなラブシーンを演じさせてやってください。お願いします。

しかし、この展開のあと、来週が“失恋タイム”ってどゆことだ。
観覧車、全力待機。