『半沢直樹』シーズン2の最終話を、まだ観られていない。悔しい。あの祭りに参加したかった。そんなことを思いながら、レビューにすらならない文章を書き連ねる。『半沢直樹』は、なぜここまで人を魅了するのだろう?
僕が覚えているのは、第1シーズンの最終話付近。放送当時は見逃し配信とかもなくて、なかなかドラマをリアルタイムで追うのが大変で、熱心な視聴者ではなかった(基本的に土日は映画館にいたりサッカーを観戦していたのです)。むしろ、「なんか話題だよね」とちょっと引いたところにいたような気がする。
たぶん、「最終回直前! 振り返りスペシャル」的なやつを偶然目にしたのだと思う。したら、めっちゃ面白くて。よく映画の話をする母親も、「面白いよ」と言っていて、多分最終話の1話前とかを観て、翌週が楽しみでしょうがなかった。完全にハマってしまったのだ。
何を面白く感じたのか。現在午前3時半。めちゃくちゃ眠い中でこれを書いているけど、それでも鮮明に思い出せるのは、『半沢直樹』は僕たちの心に火をつけるドラマだということ。僕にとっては、ちょっとスポーツ的な感じというか。闘争本能を刺激するものなのだ。
もちろん、筋も面白い。お金の仕組みとか銀行の仕組みを学べる部分は新鮮だ。だけれど、そういった真新しさを抜きに観ていくと、基本的に「理不尽な目にあう→逆境を跳ね返して悪を成敗する」の物語構造になっている。そこに、ちょっとスポーツ的な役者陣の熱演が加わるから、「どう倒すんだろう?」とワクワクしながら「応援」しちゃうというか。
ちょっと前、行定勲監督にインタビューさせていただいたときに「観客を能動的にする」重要性を教えていただいたけれど、『半沢直樹』に関してはまさにこの「観客を奮い立たせる」感じがある。ストーリーに余白を作る、という意味での能動性とは真逆だけれど、たきつけるのが抜群に上手いのだ。
余談だけど、『半沢直樹』シーズン2で本編の見逃し配信をやらない、という選択肢をとったことも画期的だと思う。それも、実に『半沢直樹』的だ。