最後の伝言を、優しいと捉えるか捉えないかで意見が割れていて面白いと思った。
私は優しさではないと思った。むしろ、ガマさんの中でも自分は大切な存在なのだと思い上がってしまっていた伊吹への最終通告のように感じた。ガマさんにとって大切な人は奥さんたった一人で、伊吹は他の悪ガキと違って刑事になったから目をかける存在ではあったけれど、奥さんの死が殺意のスイッチになったように、伊吹の存在が改心のスイッチになることはなかった。
「気に病まなくていい」という優しさに、「(元々俺の分岐点ではないから)」と突き放すような注釈が加えられているように思った。

伊吹は、ガマさんという、自分を優しく包み込むたった一人の存在を失った。志摩はその代わりになれるだろうか。
答えはNoだと思う。
ガマさんが伊吹に優しく肯定する言葉をかけたのは、保護する少年の延長線上にいるからで、仕事の続きだったからだと思う。堀内と本質は変わらない。
志摩は伊吹を無条件に肯定しない。
それは、対等でありたいから。だから、優しい言葉をかけて一緒に泣いてあげるのではなく、手を差し伸べた。その手を掴んで立ち上がるだろうという信頼があるから。
志摩はガマさんの代わりにはなれない。その代わりに、新しい「対等な相棒」になる。
伊吹にとってのガマさんのポジションは永遠に空席になり、代わりに新しく「相棒」の席ができた。

でも、伊吹は、志摩が苦しんだように、これからずっと苦しむんだろうな…。
でも志摩はいつまでも相棒なわけじゃない。4機捜はいつ解体されるかもわからないのだ。
最終回のその先に、伊吹はこの苦しみをどう携えていくんだろう。

まあその前に最終回まで生きているかが問題だが…。
来週のサブタイトルが不穏。九重は意外と大丈夫そうだけど、陣場さんあたりが誰かを庇って死にそうなんだよな。