志摩と伊吹の関係性も非常に注目すべきところではあるが、今回は九重の印象が大きく変わったのでそこについて。
第3話のラストの九重に対する感情を思い出すと、重く、苦しく、大きな失敗をした子供を見るような気持ちだった気がする。「あーあ、あの子、これから怒られるんだな」って。
でも、第4話では全くそんなことはなく、寧ろツイッター(のようなアプリ)の本来の読み方を理解するという役割で、事件を解決に導いた。4機捜は九重を褒めて、今後もこうして小さな達成感を積み重ねて、彼は成長するんだろうと思わせた。
だからこそ怖いと感じた。
九重が怒られていないということは、つまり成川が犯罪の道に進もうとしていることがまだ発覚していないということだ。
なのに、視聴者だけが知っている。これから事態は悪化し、再び4機捜が九重を見つける時、それはもう手遅れの時だ。
多分5話や6話でも、九重は捜査に貢献したり、若さを活かして事件を解決に導いたりするだろう。その時彼はきっと成川を見逃してしまったことを後悔しない。でも、その様子を視聴者は何もできず見守る。こうしている間にも成川は…。
再び成川と対峙する時、九重は、自分が積み重ねてきた経験と、その失敗が見逃したことで大きく膨れ上がって手元に戻ってきた後悔の間で苦しむことになるだろう。
このような、成功と挫折の経験、それを経た成長を味わう様子は、少年漫画の主人公に近い。
よくよく考えると、志摩も伊吹も陣場も桔梗も、もう成熟しきっている。関係の発展はあっても、個人の飛躍的成長はおそらく描かれないのではと思う。
一方で九重には伸び代しかない。だからこそ成長を描く主人公に選ばれたのだと思う。
志摩と伊吹の関係性の変化と、九重が後悔と挫折を乗り越えてどのような刑事になるのかを楽しみにしたい。