4.0
出演者 4.0
ストーリー 4.0
演技 4.0
映像 3.5
腐女子、うっかりゲイに告る 第1話
F「真に恐れるべきは、人間を簡単にする肩書きさ」
(中略)
F「人間は、自分が理解できるように、世界を簡単にして分かったことにするものなのさ」
ジ「物理の、『ただし摩擦はゼロとする』みたいな?」
F「いいセンスだ」
Mr.Fahrenheitと主人公ジュンとのメールのやりとり。
二人はゲイだ。
マイノリティ故の困難を生活のはしばしで感じているからこそ、敏感になれることがある。
世間的に「当たり前」とされているものごとへの違和感。
少数者は、その当たり前に同一化されないものがあることを知っているが、多数派はそんなことを想像すらしない。したとしても、どこか別世界の出来事だと思っている。このあたりの事情を鋭く突いた会話だと感じた。
素朴で単純な、当たり前とみなしている認識のなかに、実は少数者を押しつぶす暴力が潜んでいる。それは意図して行使される暴力ではないだけに残酷だ。
ここに登場するヒロインは腐女子で、この暴力的な認識を前提に、別世界のおとぎ話として同性愛をとらえ、その上にのっかってキャッキャと楽しんでいる。たいへん皮肉で痛烈な設定。それでも主人公のジュンは怒りをぶつけるわけでもなく、淡々と時間が流れていく。
見ていてけっこうしんどい。タイトルから想像したよりもずっとヘビー。軽めのタッチを想像した自分自身も腐側だったのだろう。