ついに終わってしまった。
絶賛ロスに陥ってしまっています。
今まで観た青春ドラマの中でもベストを争うくらいによかった!
全てを語らずに、あえて考えさせてくる脚本。
そう、これを観て感じて考えるのが大切なんだ。これからをちゃんと生きていくために。
これからの人生に対して最高のメッセージを与えてくれる。
学生生活における青春の喜怒哀楽をしっかりと詰め込んで、最終的にあの時間は素晴らしいものなんだという結論に落とし込む。
そのために必要な生徒間同士の関わり合いや大人の関わり方がしっかりと描かれていて、どちらの視点からも考えさせられるものがあった。
その中で大人の生徒に対しての関わり方は特に印象的であった。
学校というものは意識しなくても、大人と生徒の間に、常に見えない主従関係が蔓延っていて、先生が生徒に命令する構図ができあがるのが常だ。
ただし本作には、何か指図をしたりマウントを取るようなことを大人が決して行わない。
本当に必要なことは、ヒントを伝えて後はしっかりと考えて、答えを自分で出すように促していく。
色んなことを経験して、見て、知って、感じ取って、色んな観点を加味した上で、自分なりの選択をしていく大切さが説かれている。
その過程は成長したときに訪れる様々な現実でもあり、全てが自分を創る上で必要な一つとなるはず。
それが積み重なって一つの指針になっていく。
教育とは、統制でも放任でもなく、示唆することなのではないかと感じた。
そして、生徒間で起こった全てのことは、先生が入るのではなく、あくまで生徒間だけで解決しながら、より強固な絆が育まれてるのもこのドラマを語る上では外せない特徴である。
あくまで自分たちで誤ちに気づき、難しい行動と思考を変えて前に進み、それを受け止める相手がいる。
そんな空間は、いつのまにかとてつまなく居心地のよい場所になっていて、それゆえのあの最終回は本当に感動した。
野ブタは一人で笑えるようになって、最後にキャッチボールのボールをしっかりと返すかのように、転校する修二と修二がいなくなった彰が悲しまないように彰を送り出す。
そしてここで、青春アミーゴの歌詞の伏線回収までするという最強すぎる脚本。
理想を超えてくる最終回。
「僕たちはどこでだって生きていける」
自分にとっての大切なものさえしっかり持っていたら、どこでだって生きていけるんだ。
学校にこだわらなくていい。そこだけが自分の世界ではないと、今悩んでいる人たちの希望にもなる最高のラストであった。
あとね、みんながどんどんよい顔になっていくのがよかった。
修二と彰には人間としての厚みが出てきて、野ブタはどんどん自信を持てるようになり、可愛くなっていって、自分以外の誰かのことを考えられるようになっていく。
とにかく本当によくて、隅々までこのドラマを堪能しました。
本当に10年以上前に実在してたんだと思うくらいに、現代的で優しく今を未来に向かって後押ししてくれる作品。
こんな青春×学園ドラマにまた出会いたいし、これを見せられるとやはり学生時代に戻りたくなるよなー。
P.S.
修二と彰と野ブタとまり子のキャスティングとそれぞれの共演が今思うと本当に奇跡的で、それを観られるのももう最高でした。
亀梨和也と山下智久はかっこよくて細かな機敏までしっかりと演じられていて、堀北真希は本当に闇を纏ってる雰囲気からだんだんと変わっていく演技がよく、戸田恵梨香はもうあらゆる人たちの理想のマドンナを見事な透明感で演じ切った。本当によい子すぎて泣けた!
木皿泉さんの脚本に完全にハマったので、他の作品にも時間ある限り手を出していきたいと思います。
ツイートしたそれぞれの回の感想も以下に書いておきます。
【8話】
ちゃんと見てきたからその人を信じられるよね。
どん底に落ちているとき、味方になってくれる人が少しだけでもいれば生きていける。
そしてそんなことも何年後かには、思い出や黒歴史として懐かしむことができるようになる。
それも全て自分を創るかけがえのないものになっていく!
修二が警察官には信じてもらえなくて、クラスメイトには修二が信じてもらえないと諦めていて、それでも修二と彰と野ブタは信じ合えることができた。それが全て!
信じ合うにはそれだけの関係の深さとその人の理解が問われる。
周りとの関係の描かれ方も含めて本当によくできてる!
修二と彰と野ブタそれぞれの人間性がちゃんと描かれた上で、8話でそれぞれのらしさが溢れて、明確に3人が3人にとってなくてはならない存在になる。
圧倒的クラスの人気者として君臨していた修二の状況がガラッと変わることによってそうなるのが、学校ならではって感じする。
【9話】
真実を知ることも、自分の色んな面を知ることも、そしてそこから自分を変えようとすることも、全て誰かと関わることから始まる。
そのとき、ありのままを知られてもなお、受け入れ寄り添ってくれる誰かがいることがどれだけ救いになるか。
本作にはそんな優しさが詰まっている。