2.0
出演者 4.0
ストーリー 1.0
演技 3.0
映像 3.0
エール 第50話
「才能という言葉が嫌い」と言い放つ。
「努力しないで人を羨むのが理解できない」と芸事の本質を突く。
「私の時計は8時59分です」とライバルに塩を送る。
「必死に練習するのが筋」と朝から練習を重ねる。
「やるべきことは自分の役を磨き上げることだけ」と立場をわきまえる。
そして「あなたに負けたままではいられない」と
ユーモアと謙譲と自信をこめて知的に言葉を紡ぐ。
ここまで50回を重ねた「エール」というドラマに、
夏目千鶴子ほどまっとうな人間はいただろうか。
もし私が脚本家なら(禁断の宣言2回め)、
夏目千鶴子を古山音の終生の友人として描き続けるだろう。
対象的な二人だが、音楽を愛する仲間として深いところで通じ合う。
それだけでいくつものドラマチックなシーンが描けるに違いない。
まさか千鶴子をお払い箱にするつもりじゃあるまいな。
本作で唯一無二の筋の通ったキャラクターを。
いや、どうせ叶わないのは分かっています。
このドラマに、この演出家に、そんな深みは望めない。
小南満佑子という傑出した女優を教えてくれただけでも感謝して、
彼女をこれからも追い続けたいと思う。