4.5
出演者 -.-
ストーリー -.-
演技 -.-
映像 -.-
捨ててよ、安達さん。 第6話
あるドラマに対して、私は意地を張っていた。雰囲気が良いドラマってあるじゃないですか。なんて表現したらいいのか分からないけど、なんとなく良いなっていう。でもこのドラマは自分の気持ちが言語化できるようになってから書こうと心に決めていた。
『捨ててよ、安達さん。』では、安達祐実が安達祐実本人を演じるドキュメンタリードラマだ。モノを捨てられない安達さんは、雑誌の断捨離企画で月に一度、モノを捨てることになった。その企画を始めてからというもの、安達さんは奇妙な夢を見るようになる。登場するのは、口達者な少女と捨てようとしたモノが擬人化された姿だった。
第6話で断捨離の対象になるのは、“婚約指輪”。否が応でも「あまーーーい」の声が頭に響く。演じるのは渡辺大地だ。これは私の肌感でしかないけれど、今作のスタッフは間違いなく安達祐実のことが大好きで、同じくらいに役者のことも好きなのだと思う。安達祐実と一話限りのゲストは毎回最高の化学反応を起こしている。こんなことを言うのは烏滸がましいけど、いろんな作品でいろんな役者を見ていることが分かるキャスティングだ。
婚約指輪くんたっての希望で、思い出の海へとワープした安達さん。そこには楽しそうに笑う昔の自分と彼がいた。30分のこじんまりとした物語は、不思議と、安達さんの人生を垣間見たような気分にもなる。
「恋より楽しいことなんて、そうそうないよね」
安達さんが他の誰でもない安達さん自身に向けた言葉に、何度も気づかされることがある。水面に反射する昔の二人、眩しそうに笑う安達さん、キラキラと光る婚約指輪。センチメンタルに揺れるそれぞれの輝きがなんとも忘れられない回になった。