才能って言葉、あたしは大っ嫌い
努力もしないで、誰かを羨むだけの人って
わたしには理解できない.
*エール 32話より
ヒロイン・音(おと)は声楽家を目指し、音楽学校に通い始める。
そこで音は、ずばぬけた実力をもつ夏目千鶴子(小南満佑子)に出会う。
だが千鶴子は他の生徒と違って孤高を守り、友人を作ろうとしない。
音はそんな千鶴子に興味を持ち、昼食に誘いながら羨望の念を語る。
「わたしにも千鶴子さんくらいの才能があったらな」
だがその音に、千鶴子は冒頭の捨て台詞を残して立ち去ってしまう。
- 千鶴子の実力が、努力に裏打ちされたものであること
-...
才能って言葉、あたしは大っ嫌い
努力もしないで、誰かを羨むだけの人って
わたしには理解できない.
*エール 32話より
ヒロイン・音(おと)は声楽家を目指し、音楽学校に通い始める。
そこで音は、ずばぬけた実力をもつ夏目千鶴子(小南満佑子)に出会う。
だが千鶴子は他の生徒と違って孤高を守り、友人を作ろうとしない。
音はそんな千鶴子に興味を持ち、昼食に誘いながら羨望の念を語る。
「わたしにも千鶴子さんくらいの才能があったらな」
だがその音に、千鶴子は冒頭の捨て台詞を残して立ち去ってしまう。
- 千鶴子の実力が、努力に裏打ちされたものであること
- 千鶴子自身が自分の努力に自負をもっていること
を強くうかがわせるセリフだ。
と同時に音は、「才能」という曖昧なもので彼我の力の差を説明しようとした自分自身の甘さを思い知らされただろう。痛い点をつかれた。
こういう話はドラマの中だけではない。
むしろ日常的に思い当たる “痛さ” かも知れない。
自分と誰かを比較し、負けたと感じる時、人はその理由を必要とする。
その時登場する魔法の言葉が「才能」や「センス」だ。
あるいは、お金持ちとか家柄なども、似たようなものかも知れない。
自分ではどうにもならないものを理由にして自分を負けを慰める。
裏面から見れば、自分の努力不足を覆い隠す自己防衛。
本当に前に進もうと努力している者からすれば、そんな態度は不快でたまらないものかも知れない。
千鶴子、男前だ。