誰の人生にも岐路はあり、
どちらか一方を簡単には選べないから苦悩する。
裕一の「音楽か、家か」は青年期ずっと描かれてきて、
どう解決するかがドラマの見せ場ではなかったか。
まさか一方の責任を完全に捨て去って出て行くとは。
このあと古山家は喜多一は、茂兵衛家は銀行はどうなるのか。
その方向性が何も示されていない。
あるとしたら父・三郎の「おれにまかせとけ」だが、
それは「何もない」のと同義ではないかww
そこでだ。素人が脚本を考える野暮を承知の上で、
ドラマで提示されている素材だけを使って組み替え、
ストーリーを再構築してみました。
↓
「裕一さんには音楽しかないんです!」
音の熱い言葉に、かたくなだった母・まさの心は動いた。
息子には作曲家などという不安定な道を歩んでほしくない。
そう言って音を追い返したものの、
まさの脳裏にはあの時の音楽が響いて離れなくなっていた。
裕一が作曲し指揮した、あのハーモニカコンサート。
メロディはどんどん大きく鳴り響き、やがて観衆の喝采に包まれ、
まさの目からは涙があふれて止まらなくなっていた。
そのころ裕一は茂兵衛家に絶望していた。
自分は跡継ぎの駒としか見られていなかったのか。
雨に打たれ、ボロボロになりながら
救いを求めて手にしたのはハーモニカと
母からの手紙だった。
「辛いとき支えてくれるのは、音楽だと思うから」
まさの綴った文字がにじむのは、雨のしずくのせいだけではなかった。
ハーモニカを狂ったように吹き鳴らすうちに、裕一は心を決めた。
銀行の仲間に頭を垂れ、茂兵衛に土下座し、
裕一は実家に向かった。
裕一の決心を聞いて責め立てる及川。
ひたすら謝罪を繰り返す裕一。
なおも責める及川。
そのとき、母・まさが叫んだ。
「私からもお願いします!この子を許してやってください!」
静まり返る喜多一。「でも」と、さらに反論しかける及川を
次に遮ったのは、浩二だった。
「僕が立て直します。喜多一は僕にまかせてください!」
母に、弟に、及川に、全員に深々と頭を下げて
裕一は東京へ向かうのだった。
〜つづく〜
さて、来週から東京編。
脚本家さんが替わるらしいので筋立ての矛盾が解消するのか、
変わらずこのままなのか。
いまの惨状が誰の責任なのかがはっきりすると思って見守っていきます。