3.5





出演者 3.5
ストーリー 3.5
演技 3.5
映像 4.0
エール 第22話
私はね、人を騙す人より
騙されるほうがいいの.
父さん、いっぱい裏切られてきたけど
恨みつらみ、一度も言わないでしょ
そういうところが好き
*エール22話「愛の協奏曲」より
父親の甲斐性がないことを嘆く次男・浩二(佐久本 宝)。
それに対し母・まさ(菊池桃子)が夫・三郎(唐沢寿明)の良さを語る。
「騙すより騙されるほうがいい」
というフレーズは、他のドラマでもしばしば耳にする “キレイゴト” だ。
多くはお嬢様育ちの世間知らずなキャラクターが言うセリフで、
ここでの母・まさも、大筋その例に漏れない。
演じる菊池桃子のイメージも、まさにハマリ役に見える。
とはいえ、この嘘くさい理想に、どうリアリティを与えるか
そこがドラマの醍醐味。
多くの人は日常の冷淡なリアルに疲れていると同時に、
心の底では、あるべき理想を信じたいと願っている。
綺麗事であればあるほど、それがよい結果になった時の
カタルシスは大きい。
深読みすれば、このセリフを放つまさ自身が、
この理想を信じようと頑張っているのかも知れない。
その願いのなかで視聴者は、まさと自分を重ねられる。
穏やかさの内に、秘められた強情を感じるのもまた、
菊池桃子のキャラのように思う。(単なるファン)