捨ててほしいものが擬人化して現れるという、あまりにもエッジの効いた世界観とセリフ回し。演技派女優たち(主演の安達さん役・安達祐実さんと1話ではDVD役の貫地谷しほりさん)が繰り広げる一幕劇に1話から圧倒されてしまいました。
2020年春ドラマでは現時点でナンバーワン。想像を超える出来の良さで、この1週間で何人もの友人にこの作品の良さを熱くプレゼンし過ぎてドン引かれてしまったほど。
1話の余韻が冷めやらぬまま第2話。
安達さんが千切り紅ショウガの袋を切り、つまみ食いするところからスタート。
ソファで小皿に持った紅ショウガを食べながら寝落ちするって!!
なんだこのシチュエーションは…。
夢の中での安達さんの格好がダブダブのラガーシャツに萌え袖ならぬ
足先が見えないほどの萌え裾のジャージ。これがなんかエロいし、かわいらしい。
今回安達さんに捨ててほしいと出てきたのは、輪ゴム(臼田あさ美)と書店でもらったレジ袋(戸塚純貴)。
輪ゴムは長さと太さがほどよく大袋の紅ショウガを留めるのにちょうどよく安達さんに1年ほぼ毎日使われている。使い古されてボロボロの状態。
一方、書店レジ袋は普通のレジ袋より勝手が悪く1年間出番なし。
今回、この書店レジ袋の他人から見たらどうでもいいちっぽけなプライドを捨てられない言い分がえぐる刺さる。
「俺、ほかのやつらと違いますから。書店のレジ袋だぜ。材質も形状も彼らとは全然違いますから」やたらプライドが高い書店レジ袋。「俺ってなに。なんのために存在してんの」と使ってくれない安達さんに詰め寄ります。コンビニなどのレジ袋と「俺は違う」というプライドだけを心の支えにして登板を待っていた書店レジ袋のプライドがこの言葉で玉砕されます。
「違うって言うけど、かわいいサブバックになれるわけじゃない」
書店レジ袋のプライドが粉々に。いつのまにか感情移入して、こちらも胸が締め付けられる。
サブバックとは安達さんがナッツやドライフルーツなどの女優グッズを入れるちょうどよいサイズの紙袋のこと。
レジ袋のようにも雑にも使われない、ましてやサブバックにもなれず、ずっとシンク下のレジ袋ボックスの中で可能性を信じて登板を待ち続ける書店レジ袋の苦悩を描く…。なんてドラマだ!
書店レジ袋は、安達さんに雑誌を買って家に帰った後にすぐ捨てずに「使う可能性」を感じてくれたことに感謝するんですよね。おまえほんとはいいヤツなんじゃないか!
そして、輪ゴムと書店レジ袋が恋人関係だったことも明かされます。
そのラブストーリーがとても悲しく美しく描かれているんです。
輪ゴムを書店レジ袋が優しくバックハグするとか…。
まるで短編映画を見た後のような満足感。
監督、脚本、俳優陣の総合力がハンパないですね。
第3話の加藤諒さんの回ではどんなストーリーが楽しみです!