日々、生活の繰り返しで、前回ラストの多幸感が少しずつ自分の中で薄れた頃、ドラマ冒頭で一気の“あの時間”へと気持ちを引き戻してくれる。家族全員でユーミン熱唱、ただそれだけのこと。ただそれだけのことなのに、「ああ、最高の家族旅行だったよな」と思わせるに十分なシーンだった。
もともとテンポの早い脚本なのは分かっていたけれど、前回があまりにも「物語の終わり」にぴったりとハマる美しさだったので、変な話あそこで終わってもよかったと思うくらいなのだけれど、やっぱり徹底的に「その先」が描かれるのだ。人生はちょうどいいところでなんて終わらないし、家族の関係も美しいばかりでもない。
今回の「俺の家」は、寿一と秀生とユカちゃんの家族についてのお話も混ざり合ってくる。寿一は多分、人とちゃんと向き合うのが苦手なまま大人になってしまったんだと思う。だから御山の家に帰り、オヤジの息子としてもう一度生きながら、今まで避けて通ってきたそういった所と愚直に向き合っている最中なんだろうな。だからこそ尚更、秀生の作文がグサッと心に刺さってくるわけで。
さくらやユカちゃんは、寿一を大きい、殺気立っている、と表現していたけれど、それはもしかしたら目線が合わないということを表しているのでは?なんてことも思ったり。同じ目線で人生を見てくれるか?と考えたとき、ユカちゃんは寿一にそれを感じられなくなっていたんではないかしら。さくらはスカイツリーに例えた話しをしていたのだけれど、その内容もステキなものだったためそっちに引っ張られそうになるが、どちらかと言えば注目したのは二人が膝を突き合わせ、魂の交歓をしながら同じ目線で会話をする姿。グッと時間の流れが変化するような、丁寧な恋愛描写だったと思う。ユカちゃんもさくらも寿一の(頭の)てっぺんの話をしていたけど、どうしても私は、「本当にあなたは私と同じ目線で見てくれているか?」って感じなんじゃないかなーと思ったけど。どうかな。まあ、ドラマを見るというのは、こういう自分の思い込みコミで楽しめるのがステキなところだ、としておこう!
そして「秘すれば花!」潤 沢は全国区!(たかっし!!)またもやスパッとテンションのあがるラストで、次回もさらに楽しみ。