安先生が末期の肝細胞がんに侵されてしまいました。それでもなるべく日々を普通に過ごそうとする姿が切なく、泣かずにいられないシーンばかりでした。家族のそばにいるために自然治癒を選んだ安先生でしたが、産気づいた奥様を産婦人科院に送り出した後、第3子の誕生から数日後に他界。まだ39歳です。なんて残酷な人生なんでしょうか。
自分がケアされる側になった安先生が「心のケアとは、誰も一人ぼっちにさせないことだと分かった」と言うシーンがありましたが、心の病気への理解が進んでいない時代から安先生が願っていたのは『傷つきに優しい社会』だそうです。
心に傷を抱えた人たちを切り捨てずに寄り添っていく。...
第3話は震災から2か月、1年、2年と時が進み、震災前の生活に戻りつつある中でも、復興から取り残され、心の傷に苦しんでいる被災者たちの様子が描かれていましたが、見ていて心が痛くなると同時に、これはリアルで、これからも起こりうる出来事なんだと思いながら見ていました。
安先生が出会った精神疾患を抱えている女性は多重人格。その彼女に「あまりに辛いことが起きたとき子供はこれは自分のことじゃないと感じる。いま苦しんでるのは別の子だと思って、痛い思いを引き受けてくれる人格が生まれる。そうやって苦痛をやり過ごした子はそのあと、複数の人格を生み出しながら生きていくことになってしまう」と彼女に病気を説...
第1話のラストで起こった阪神淡路大震災。どんな感じで放送されるのかなと思いながら見ましたが、当時の写真や映像、ニュースをそのまま使っていて…改めて見るとやっぱり怖い…。
そんな悲惨な状況のなかでも、濱田岳さん演じる親友との再会や子供と安先生のやりとり、子供たちの遊び場を作る大人たちや少しずつ心の扉を開いていく被災者たちなど暖かさも描かれてて、心に響くものがあります。
そして新聞社から、被災地の状況を内側から書いて欲しい、と頼まれて受けることにした先生ですが、これがこれまで精神科医としての道に迷っていた先生が、PTSD研究の第一人者としての道を進んでいくことになったきっかけなの...