弁護士会長の天馬が、まさか部下の海崎に裏切られるとは思わなかったです。まさに、あっと驚く大逆転劇でした。
非弁行為で弁護士資格を剥奪された米倉演じる、ハチャメチャな小鳥遊の運命も最終回にて、確たる証拠もなく、天馬相手の訴訟にまで暴走して、これまでと思ったのですが、海崎が天馬の認知していない息子の大峰と、NPO法人の不正を握っていた市瀬の殺害を共謀した秘密のドライブレコーダーに映った会話の記録を暴露するとは誰も、想像できなかったでしょう。
検事総長経由で弁護士会長の政治力を使って裁判長まで抱き込んだと思わせる展開で、絶対に裁判で勝てると信じていた天馬の余裕の表情が、飼い犬の海崎に噛まれて、段々と、ひきつった顔に変化する天馬演じる小日向の演技も、楽しめました。
権力の横暴を振るう者は、権力に溺れて自滅するのだと思ったスカッとする痛快な展開でした。裁判の最後に、「お父さん」と呼んだ大峰に、息子はいないと吐き捨てた天馬の冷たい自己保身の言葉には、権力者の究極の自己中ぶりが表れていて、呆気にとられました。
そして、裁判で天馬に勝った小鳥遊が、弁護士資格がなくてもいいと言って、事務所の仲間を残して旅に出てしまう最後は、あまりに格好良すぎでした。