今話は”細田佳央太さん演じる健太フォーカス回。
昆虫のことになると一気に熱中しその特徴をスラスラ唱え、
アリの動きから天気を予想する健太に桜木(阿部寛)は正しく彼の適性を
把握し、
その特性を生かす学習法を提案。
健太は驚くべき集中力と視覚経由の記憶力を生かし、
とんでもない成績を叩き出す。
こんな風に、どんな大人や教師に出会うかによって
開花される才能、見逃されてしまう才能というのも実際に少なくはないのだろうと思う。
(天才ピアニストの辻井伸行さんだって、母親が彼のピアノの才能に気づき
いろいろなピアノ教室に問い合わせて、ようやく見つけた先生が
全盲の彼への指導を試行錯誤試み、あの天才が育ったように。)
東大の授業には当番制で「書き起こし」があって、
発達障害にも対応しているという豆知識も得た。
細田は本作のために頭を丸め、15キロ増量をし役づくりに臨んだようだが、
一番の難役ながら誰よりも自然に”そこに健太として存在”していて、目を奪われる。
ちなみに細田は『ラブファントム』(MBS系)にも出演中。
これから公開が控えている上白石萌歌さん主演映画『子供はわかってあげない』でもかなり重要な役どころを演じるようだ。
『町田くんの世界』での町田くん役にしろ、本作での役どころにせよ
正統派というよりは”何かしらを抱えた”一風変わったキャラクターを演じることが多いが、
それぞれの役どころにきちんと”愛すべきところ”をそっと添えてくれるのが上手な俳優さんだと思う。
また男女で演じていても、恋愛関係だけではない様々な人間関係やその過程を
自然に見せられるのも彼の強みだと感じる。
細田くん以上にもしかすると悩みが根深いかもしれない幼なじみの麻里(志田彩良)も
桜木や東大専科の他の生徒との出会いによって救われて欲しい。
彼女の肩の荷が降りる日が来ますように。