あっぱれのラスト！
犯人逮捕に精を出していた河原（北村一輝）の日高取り調べでの言葉が
全て胸を刺す。

そして結局弟を思いやって罪の自白を撮影しておいた東…
その映像がきちんと日高を救ったのも、東がこれまで陸を大事に可愛がってきていたから。

そして最期にちゃんと自分の唯一の願い「俺はどうなっても良いから、こいつ（日高）だけは…」と伝えていたから。

本当に東は空集合なんかじゃなかったのに、、、もっと早くにそれを東が感じることが出来ていたなら…

「汚いしゃがれ声でも、弱き者はいとも簡単に奪われ続けることを
声を上げて伝えたがっていたんと違うんか？」という河原の言葉、

「あなたが本当のことを話してくれないと、私は私の中の正義を守れなくなる」という彩子の言葉が後押しし、
ようやく”サイコパス”の仮面を被った日高の感情が決壊し、真実を認めるシーンは本当に必見である。

同じ森下佳子作品の『白夜行』では互いに罪を庇い合い償う機会を失くしたことで悲運を辿る山田孝之と綾瀬はるかの２人の姿が描かれたが、
本作では見事綾瀬演じる彩子が”自分のために”と頑なに罪を一人被ろうとする日高に、
きちんと真実を自白させることに成功した。

ラスト、まさかまさかの再度の入れ替わりがあるものの、日高と彩子が今度こそ
くっつくきっかけになるのかもしれない、とまた野暮な期待をしてしまう私がいる。