さて、にじいろカルテの第三話。

安達祐実さん演じる雪乃は、2週間〜1ヶ月程度で記憶がリセットされてしまう「まだら認知症」を患っている（「まだら認知症」の本来の症状は、記憶喪失を短期間で繰り返すものではないようですが……）。第三話ではそのちょうどリセットされてしまった日であり、記憶のない雪乃と虹ノ村の住人がどう向き合うかが描かれた。

幼い頃から時間を共に過ごしてきた氷月と嵐は、雪乃に優しく丁寧に病状を伝える。そして今まで雪乃が歩んできた道のりを、同じ歩幅で歩き、ともに追憶してみせる。雪乃の心がほぐれたころ、氷月と嵐は自分が胸に抱え込んでいた人に言えない感情をを吐露するのだった。

先に弱さを見せてしまえば、相手も同じく弱さを見せる可能性がある。というか、きっと今までも何度と無くこのやり取りを繰り返し、この話をすることの意味と雪乃の反応を二人は知っていたんだろうなあ。

今回はこのおもちゃのような世界観がとてもマッチした回だった。童心に返った女性たちが、彼女が忘れてしまった子供時代から今までを駆け足で生き直していく。何も分からず心細い雪乃を、村の住人は決して見捨てないし、何度でも温かく迎え入れる。この姿を目にした真空は、きっと自分もこうやって何度でも迎え入れてもらえる安心感を感じているだろう。