10話見通した感想を一言で言えば
「面白かった!」。
でもその面白さは“SNSでワイワイ突っ込み入れながら見る”とか、“主人公の役立たずっぷりをお茶の間でワーワー愛でつつ見る”とか、いわゆる画面の外での事象まで含めて初めて派生する面白さだったかな、というのが正直なところ。ひとりで黙って観てたら悶々イライラの方が大きいドラマだったな、きっと。
(そうなったら多分最後まで見てない。)
パラドックスの矛盾とかいろいろ置いてきぼりの設定とか必要以上にネチっこい引っ張りとか…モヤモヤするものをいっぱい抱えたまま終わった感は否めず、
(特に、あれだけ家族ガー家族ガー!と躍起になってる心さんが、最初の世界線に放っぽってきた生まれたばかりの我が子((しかも母親も亡くしてるんだぜ))を全く気遣うことも顧みることもなかったってところが個人的にはモヤりましたよね…)
でもまあ、ある意味確信犯的な部分は多々あるかと思うので、いろいろ思うところはありつつ(特に大映テレビ制作と知って以降は)それなりに楽しめたと思う。
最後の家族シーンで「テセウスの船」ってタイトルがキチンと回収されたのもよかったかな。
個人的に特筆すべきは、白鳥玉季ちゃんという素晴らしい俳優さんの好演。ちゃんとか呼んじゃダメだな。白鳥玉季さん。
この歳で「なぞる」「マネする」演技ではなく「そこに生きる」演技が出来る俳優さんって何なの!?と、ただただ驚愕の存在感でした。彼女の演技で画面の中がピシッと締まったシーンも沢山あったように思う。
落ち着いた低いトーンの声、強い視線…映画『mellow』で観たときの 「へー、上手い子だな〜」って印象が、このドラマを通して「次に彼女が出る作品も絶対に見よう」までに変わりました。楽しみ。
対して、こういうタイプのドラマに(話題作りの重要性はある程度わかるけども)芸人さんを多用し過ぎるのは勘弁してほしい。
小藪さん、下手じゃないけどやっぱりあの演技陣の中に入ると浮く。不気味感出そうとすればするほど却って湧き出る新喜劇感。
霜降りせいや、ダダ漏れな頑張ってる感がクライマックスの邪魔。
てか、みきおの巨悪感が凄過ぎてどう見てもコッチの方が小物臭漂っちゃう。こちらも下手ではないだけに残念。(いやここはみきおくんを讃えるべきか)
澤部に至っては言語道断。
爆笑したわ。
ゆーて全体的にはとても楽しめたドラマだったけど、ただ、視聴率的にも大成功(?だったんでしょ?) したということで、「あな番」からの流れでまたこんな感じの“考察してして💓”ドラマが増えるとしたらそれはあまり歓迎できないな。
こういうのは3年に1本くらいのペースでたまに見るのが良きかなと思いました。
はい。