ドラマの感想という趣旨から逸脱した文で申し訳なく思っています。
ただ、こうやって推理できるのは、伏線があると信じて考察できることであり、
本作の決してブレない緻密な脚本ゆえ、と考えています。
神業としか言いようのない水橋さんに心から感謝と尊敬の念を贈りたいです。
さて本日回で、前回の推理をさらに裏付ける証言が得られたのではないでしょうか。
まずは荒木さだ。
乳がん患者のブラジャーをデザインしていることから、闘病患者を助けたいという意識が高いことが伺えます。
そして酒田圭介。
和歌山で小児科医の局長を務めることから、信楽以外にも医療拠点が置かれたことになります。
この両者がつながっているということは、
マツおばあちゃんの血縁が和歌山で何らかの医療行為を行う可能性が出てきました。
これほど心強い朗報はありません。
私は、穴窯の炎=武志の生命の炎だという説を展開してきました。
また、喜美子が穴窯を復興させたのは
室町時代から続く自然釉で信楽の土を使って作陶するという意味において、
代々受け継いだものを守り育て、次代へ継いでいくことであると。
それが今を生きる者の生きる意味であるとも主張してきました。
つまり、穴窯を生かす=武志を生かすということに他なりません。
そうです、穴窯の伝統を喜美子が教えた弟子たちは、いま和歌山にいます。
酒田圭介が和歌山にいることは、武志の生命を次代へ渡していくカギが
和歌山にあることを示唆していると考えていいと思います。
加えて、141話での真奈の言動も非常に興味深いものでした。
「家には祖母の匂いがする。残り香がある。会える時に会いたい人には会う」と。
そうして置き忘れていった傘で、武志の創作にインスピレーションが生まれました。
このことは「おばあちゃんの残したものが武志の生きるチカラになること」を暗示しています。
91話でのこんな会話を思い出してください。
マツに添い寝されるチビ武志が
「おばあちゃんと寝るとすぐ眠たなる。匂い気持ちええ」と話したことを。
この、マツに匂いのもとで武志が寝るという行為がこの後の、
109話(武志が病床に伏せる暗示の回)
「夕日がきれいなとこまでたどりつけへんかった」
「寝るにはちょっと早いけどな」
「オレの代わりに、今日からおばあちゃんの布団敷いたってな」
につながり、
110話(武志とマツの同一化の回)
マツが亡くなる
↓
喜美子「武志にベッド買うてやろかな」と学や大輔と会話
↓
武志が京都から帰ってくる
に着地しています。
ズバリまとめると、
和歌山の病院で、さだの(マツの)血縁が骨髄を採取し、武志の病床にもたらされる
という道筋がつながったのではないでしょうか。
話を冒頭に戻します。
荒木さだはマツの遠縁
カギを握る和歌山は(弟子が手土産に持ってきた)梅の名産地
武志のニックネームはタケタケ
これで松竹梅が揃います。
松竹梅の意味は次のようなことだそうです。
松
常緑樹で冬でも枯れず、凛々しい姿を保つ事から『長寿・延年』の意味があります。
竹
竹は折れにくく、成長が早い事から『生命力・成長』の象徴とされていました。
梅
苔が生える程の樹齢となっても早春に他の花より先駆けるため『気高さや長寿』の象徴とされてきました。
カードは出揃いました。あとは水橋さんの腹一つだと思います。