主人公の羽村晶という探偵を一言で表すとハードボイルドという言葉を選びたい。トレンチコートを黒いジャンバーに変えて。
冷静で真実を見つけたいという熱意も伝わってきて魅力的。シシドカフカさん淡々と話すセリフにも小さな抑揚をつけられる素晴らしい女優さんです。
1話で羽村晶と家族の確執、姉すずとの関係が描かれ、晶が抱える闇というよりは影を知り、人物像に興味を持ちました。2話から4話は単発の作りで登場人物像をしっかり見せてレギュラーキャストを認知してこれました。
5話から最終回の7話を連続仕立てにし、悪いうさぎXYZとして少しづつ新たな事実を出し、誘拐事件から大きな事件へと上手く繋げられていきました。
ただ、私はここでつまづいてしまいます。誘拐事件に関わる美和、綾、佳奈、ミチル。若い女優さん達が一度に現れ誰が誰だか?そしてその親達。68会と名乗るおじさん6人と奥さん。
ごっちゃになってしまい、物語の繋がりが今一つ理解出来なかったんです。それぞれ大鶴義丹さんだったり、羽場裕一さんだったり、木下ほうかさんだったり有名な役者さん達だったので登場人物は理解出来るのですが、誰が誰の娘でという事が最後の最後でようやく繋がった所で事件解決。なので5話6話の内容が理解出来てなかったです。
放送終了後ホームページを見たところ、きちんと相関図が出されており、失敗したなと思いました。コレを先に見ていたらすごく面白かったとわかるから。勿体ないことしてしまいました。
そして筒井真理子さん、綺麗な女優さんの涙で化粧がぐちゃぐちゃになってアイラインの黒い涙の跡が頬いっぱいの姿はホラー級でオンエアしたNHKと筒井真理子さんの本気が伝わって来ました。尊敬です。
物語の作りは本当に良かったし、田中要次さんの怪演から何からベテラン役者さん達が若い役者さん達の底上げをし、梅雀さんがシリアス部分の後味をまろやかにする。正直、4話まで津田寛治さんの出番が少なく無駄使いだなと思ったんですが、5話からのゲストキャストが豪華すぎて驚きと共に納得です。
シシドカフカさんの強く優しくかっこいい、ハードボイルドな探偵をまた見たいなと思います。続編を願うドラマでした。