5.0
出演者 5.0
ストーリー 5.0
演技 5.0
映像 5.0
スカーレット 第129話
穴窯の成功までは「お金」か「芸術」かの対立軸が本作のテーマだった。
極論をいえば、喜美子と八郎が決別したのもお金のせいだった。
その心配がまったくなくなった今、スカーレットが描こうとしているのは
「お金で買えないもの」なのだと思う。
800万円積まれても譲れない作品に込められた「誇り」や「思い出」。
不義理をした昔の弟子にさえも伝えたかった穴窯の「技能」。
信作や照子の気持ちに寄り添うことで示した「友情」。
利益がなかろうが体験教室を開くという「地域貢献」と「裾野の拡大」。
豊かになり、人としての器が大きくなることで「家族の絆」も取り戻し、
「お金で買えないもの」のために尽力し始めた喜美子。
そんな喜美子の前に突きつけられる究極の「お金で買えないもの」、
それがおそらく「いのち」なのだろう。
「いのち」のために喜美子は、芸術は、何ができるのか。
まさに今この時代、不要不急でないと言われ、切り捨てられようとしている芸術文化だけど、
「お金で買えないもの」だからこそできることがあるはず。
本作の制作陣には、その芸術文化の価値を
「分からないから否定する」者どもに見せつけてやってほしいと切に願います。
がんばれ、スカーレット!