後半の藤井隆さんが演じる光野先生のシーンでは、思わず頭の中にさだまさしさんの「道化師のソネット」が流れてしまいました・・・。
ここまでの8話、どの回も胸にアツイものが込み上げてくるとても素晴らしい内容。
今回のストーリーでは、笑顔がどれほどかけがえのないものかを教えてもらえたような気がします。
毎回のことなのですが、このドラマは何人かの患者さんのエピソードを描いても巧く1つに絡まり合っていて、観終わった後の清々しさが気持ちいい。
もちろん内容は辛かったりする時もありますが、必ず何か心に思うことを残してくれるドラマでもあります。
小児がんを患い、幼い頃から入退院を繰り返してきた高校生・和樹(萩原利久さん)の再発。和樹は自暴自棄になっていますが、同じように闘病した弟を持つ研修医の奈海(岡崎紗絵さん)は彼に寄り添おうとするも拒絶されてしまいます。
しかし、最後には彼にも笑顔が。
そして、乳がんの治療で入院中の莉子(小川咲良さん)は、同じく患者の高坂民代(高畑淳子さん)にオシャレをさせてもらい笑顔に。
その民代さんは、術後の抗がん剤治療を断わり、動けるうちにやりたいことをやっておきたいと笑顔で病院を後にします・・・。
研修医の奈海や結城(清原翔さん)に理解してもらおうと、心は患者との交流会を開いて本音を聞いたり。
自分はあまりドラマから何かを「教えてもらった」という感覚は好きではないのですが(あくまでドラマはドラマですから・・・)、この「アライブ」の作りは繊細で丁寧で尚且つ誠実なのでとても多くを考えさせられます。
悩みは本当に人それぞれで、考え方も病気との向き合い方も全く違う。
一概に「こう!」と言えないものだと改めて実感しました。
かと言って決して暗く重い印象だけではなく、恩田家に匠(中村俊介さん)の死を乗り越えて笑顔が戻っていることにはホッコリ。
漣くん、少しオトナになったかな?(笑)
何より今回は高畑淳子さんの名演技だけでも、かなり観る価値のある回でした。
民代さんの病気との向き合い方、人生に対する考え方、そして周りへの想いをすべて演じ尽くしたと言っても過言ではないほどの素晴らしい演技。
こういう素晴らしい演技を観ることができるだけでも幸せだなと感じます。
だからと言って決してスタンドプレーにはならないところが、高畑さんの演技の真骨頂であり、このドラマの演出の素晴らしいところ。
いわゆる世間が騒ぐところの「怪演」だったり「泣きの演技」って、そこだけになってしまうことが多かったりします。
良い役者は、ちゃんと作品全体における自分のポジションを冷静に判断するんです。
脇役が目立ってしまうと、物語が崩れることもありますからね。
兎にも角にも、高畑さんの名演に心の中でスタンディングオベーションを送らせていただきました。
前回で一段落着いたものの辞表を提出した薫もまた、心と新しい関係を築いていけそうで・・・。
次週のゲストは山田真歩さん。
また、思い切り泣かされそうだなぁ・・・。
本当にこのドラマはゲストのセレクトもその方たちへの演出も、唸るほど素晴らしい。
残り少ない回、どんな素敵な内容を見せてもらえるのかとても楽しみ。
「素晴らしい」の連発でしたが、他に言葉が見つからなくて(苦笑)
自分にとっては今期1、2を争う大好きなドラマです。