5.0
出演者 5.0
ストーリー 5.0
演技 5.0
映像 5.0
スカーレット 第120話
喜美子は戦火の中、「直子」の手を離したことがトラウマになった。
だから深層心理で「家族の幸せ」を求めて生きてきた。
八郎は終戦直後、「フカ先生の絵」を手放したことがトラウマになった。
だから深層心理で「芸術」を求めて生きてきた。
二人の人生は、自分に足りない欠片を探し求める旅だった。
そんな二人が丸熊陶業で出会った。
喜美子は八郎に彼が失った絵を想像して贈り、八郎は喜美子に家族設計を語りながら陶芸を教えた。
八郎が「芸術」を喜美子に見い出し、喜美子が「家族の幸せ」を八郎に見い出し、結ばれたのは必然だった。
それなのに穴窯の炎にまみれて、二人は再びそれぞれを手放してしまった。
だけどもう二人の間に戦火はない。二人の結晶である武志が平和に戻してくれた。
平和とは何か。共通の師であるフカ先生が言ったように「火鉢に絵があること」が平和の証だ。
「家族の幸せと芸術」が結ばれるということだ。
絵付け火鉢のように、喜美子と八郎が手を取り合って誰かの人生をあたためることが、
二人のこれからの、そして本来のかたちなのだと思う。