だんだんとおもしろくなってくる。
実はこのテーマがこう繋がってるとか、撮る側(スクープする側)が撮られる側(スクープされる側)に共感してしまったり感情移入することなんかが物凄くリアル。
それこそ1話から感受性が高く、波乱万丈に色んなことを経験し、悩み考えざるを得ない中で生きていくケイトの描き方がちゃんとしてるから、スキャンダルを作ることに違和感を感じるに至ってるのがスッと入ってくる。
もちろん大前提でこの業界もスキャンダルにしても、ドラマにする題材としてとてもよいのでおもしろみもしっかりと感じられる。
今クールだとシロクロと似たような題材かなと思うけど、脚本でこうも質に差が生まれるのかと。
まあシロクロは質とか言うより、わかりやすさとバズしか考えてないのが目に見えてわかるから比較するのはナンセンスか。
したことが事実によってだけで判断されがちになってる現代において、上手に感情にフォーカスして、スキャンダルに対して一概に責める方向に持っていくことに問題提起しているように感じる。
そんなに人は正しく生きられるのだろうか。強く生きられるのだろうか。誤ちを犯さずに生きていけるのだろうか。
もちろんダメなことはダメなのは大前提だが、それだけだと根本的な理解や解決に繋がらない。
このドラマは様々なスキャンダルの根底にある深いところ(人柄や背景など)や感情をしっかりと描くことで、心が揺さぶられていき、世間的に見た絶対的な正しさや倫理観が揺らいでいく。
実際に尾高は不倫してるのに受け入れられている。
視聴者の大半は、尾高が結婚していることを妻を出すことで思い出しても、我に返り切らない。
この揺さぶりが本当に上手だなと思った。
でもこれこそが週刊誌の意義でもあるのかもなーと感じた。
週刊誌って世間的なイメージがそこまでよくないと思うけど、実際はどんな感じなのだろうか。
このドラマみたいに収益や売上を考えつつも、週刊誌なりの意義を持ちつつ記事選定や記事作成などをしているものなのだろうか。
それともこれはあくまでドラマで、製作側の理想を描いてるのだろうか。
世間的に当たり前だと捉えられていることに対して、絶妙な上手さで揺さぶりをかけられる脚本が大石静さんっぽくて個人的にはかなり好き!
家売るオンナみたいなおもしろさと揺さぶりがあって見応えがある。
あとあれやね、尾高さんがマジでかっこいい!
あんな男になりたいですよ!笑
それに対して野中は…笑
その辺はわかりやすく対比で描かれてるのも幅広い層に受けそうでいいよなーと。
どれかによってたら観る人を選ぶ作品になるけど、そのバランスも絶妙にいいから誰でも楽しめる上で、考えさせられる。
個人的には相当練られていて、バランスの取れた質の高い秀逸な作品だなと思います。