漫画を原作にしたテレビドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』。面白くて毎週楽しみに見ていました。
もともとは藤子・F・不二雄が1970年代に連載していた『中年スーパーマン左江内氏』。
出てくる人物がとにかくアクが強く、次々とおかしな展開をくり広げるので、見ていて飽きませんでした。
主人公の左江内英雄(堤真一)は、名字の通りとにかく「冴えない」中年男性です。
家庭では鬼嫁の左江内円子(小泉今日子)に毎日どやされ、どつかれ、娘のはね子(島崎遥香)や息子のもや夫(横山歩)にもなめられています。
円子の鬼嫁ぶりは演出の福田雄一の奥様をモデルにしていたそうです。
家の中では何もせず、ふわふわの可愛い部屋着でごろごろしながら、夫に家事全般を指示する円子。
演じる小泉今日子の、元アイドルとは思えないほどのドスの効かせかたには、毎回左江内と一緒に涙が出そうになりました。
会社でも所属する営業三課の蓑島光男(高橋克実)に思いつきで仕事をふられてふりまわされています。
しかも、上昇志向が強い若手の池杉照士(賀来賢人)からは、毎回嫌がらせを受けます。
他のドラマでは正統派の二枚目を演じる賀来賢人が、先輩である左江内相手にえげつない嫌がらせや変顔をくり出すさまは、なかなかの衝撃でした。
左江内はある日、通りすがりの変なおじいさん(笹野高史)からスーパースーツを譲られたことから、ヒーロー稼業をすることになってしまいます。
仕事の合間に言い訳をしながら人助けをする左江内が、冴えないはずなのに、だんだんかっこ良く見えてくるのが不思議です。
事件のたびに現場に出てくる小池郁男(ムロツヨシ)と刈野助造(中村倫也)の、邪気のないはしゃぎっぷりも笑えます。
そして一番の笑いの種は、毎回登場する謎のフリーター・米倉(佐藤二朗)。
米倉の言動が面白すぎて、共演者たちが笑いをこらえきれなくなっていくところも、見どころのひとつです。