『家族と書いてりふじん(理不尽)と読む』
第1話から刺激的な言葉も飛び出しましたが、放送前から抱いていた期待に違わず面白いドラマでございました。
シシド・カフカさんが演じる主人公・葉村晶は、ミステリー専門書店のオーナーが冗談で始めた<白熊探偵社>の調査員。何かと災難に巻き込まれる彼女は、「世界で最も不運な探偵」と面白がられている・・・。
というのが、物語の設定。
冒頭から顔を潰された女性の遺体が発見されてハードな内容を想起させられましたが、そこまでグロテスクな描写もなく安堵。
ただし、アキラという人物に関しては、ハードな人生を送ってきた主だということを第1話からしみじみと感じさせられる展開に。それでも、ストーリーとしてはとても興味深いものでした。
何より、シシド・カフカさんの演技や雰囲気を最大限に活かしている独創的な世界観は、他のドラマにはない良さがあって観ていて楽しいですね。
シシド・カフカさんはドラマ出演もされますが、元々はドラマーとして活躍しているアーティスト。
そのせいか、セリフや間合いのテンポが自分にはとても心地よく感じる演技をされます。
アーティストの方って、ゴリゴリに演劇をやってきた人間からするととても興味深い表現をされたりするんです。
古くは玉置浩二さんや山崎まさよしさんなどもそうでしたし、最近では昨年「左ききのエレン」に出演されていた石崎ひゅーいさんとか「べしゃり暮らし」などの渡辺大知さんも自分の目にはとても魅力的に映りました。
音楽での自己表現って、お芝居とはまた違ったものがあるからなんだろうなあと感じてます。
そんなこともちょっと頭に入れつつ、シシド・カフカさんの魅力を是非楽しんでいただけたら面白さが少しアップするかも?(だったら、いいな。)
その独特な世界観の中、アキラに関わる警視庁のエリート管理官・岡田役として登場するのが間宮祥太朗さん。
間宮さんもまた、冷徹で感情を表に出さない役柄で物語の雰囲気に合っております。
敵なのか?味方なのか?
まだ、ちょっとわからないですね。
その他、書店と探偵事務所のオーナーには中村梅雀さん、刑事役に津田寛治さんや板橋駿谷さん、書店の常連さんに松尾貴史さんや中村靖日さん・・・と一癖も二癖もあるユニークな俳優陣がドラマを支えます。
第1話には登場しませんでしたが、舞台では有名な俳優さんで自分もファンである池田成志さんもアキラの先輩探偵として登場してくるので楽しみ!
ゲストのMEGUMIさんと村上淳さんのクズっぷりもなかなかでしたし、内容だけでも結構な「不運」に見舞われた第1話。今後アキラが巻き込まれる災難がどんなものになるのか、充分に興味を持たせてもらえました。
民放の連ドラをJ-POPに例えるなら、このドラマはR&Bみたいな感じかな?
感じ方は人それぞれですが、どこか日本の作品離れしているような?でも、昭和の雰囲気も感じるような?不思議な魅力のドラマです。