信作沼爆裂。セリフもないのになんだあのお得感。ありがとうスカーレット。林遣都がこれまでになかった部分で花開いています。ホンマに。
舞台「風博士」を見た時にも同じことを思ったんだけど、
実はこれまで遣都くんの演技には“憑依型俳優”と言われつつ割と「型」があるよねと感じる場面があって(例を挙げるなら”戸惑い”とか“驚き”とか“困惑”とか)、そういう時 あ、林遣都、っていう演技パターン…目の泳がせ方とか肩のすくめ方とか…を感じることがあったりしたんだけど、スカーレットの中盤に入ったところからその辺のいつもなら「型」に入る所で「おっ?」と思う場面が出て来た。
例えば同じ弄られ役っぽい役もこれまであって、それらの中にはやっぱりこの「型」があった(気がする)んだけど、それとは全く違う あ、信作、っていう体幹、仕草、目線…(言葉で言いにくいけど)そんな“新しい引き出し”がガッツリ開いた気がする。“こんな風にやってみました”的ないわゆる頭で考えた演技が減って(←これはこれで凄いな林遣都!ってものがいっぱいあったんだけど!)、その世界の空気を吸って、その世界のモノを喰って生きてる人のサラリと自然な動きがただそこにある…そんな演技になって来た感じがある。
(余談だが、個人的には“憑依型俳優”とか“カメレオン俳優”っていう表現が昔からキライで。俳優はそもそもカメレオンになるのが仕事であって、憑依させてナンボの商売なんだから“パンの焼けるパン屋”って言ってるのと同じで ソレ失礼じゃね?と思ってしまうひねくれ者でしたスミマセン)
半年という長いスパンで、主要人物の一生を、それもホン読みからリハーサルまでみっちりやるような今時他にない現場でやらせてもらえることの多大なる恩恵が今まさに表出して来てるんだろーなー、こういうのを一皮剥けたって言うんだろーなーとか思うと、もう涙目ちょちょ切れのコンコンチキ、ファンとしてはここから先の演技人・林遣都にもうもう溢れんばかりのお楽しみ感とお得感を禁じ得ないんであるシアワセである。
もう一度言う。ホンマありがとう スカーレット。
それにしても信作のあの八郎さんへの甘え方に“春田創一”の影を見てしまうのは私だけだろうか。知らず知らず吸収してきたいろんなもんが形を得てドッパーンって溢れ出て来てるタイミングだったりするのかな。すごいな。そういうのもいいな。
この88回、他にもポイントてんこ盛り過ぎて忙しかったので、以下羅列!
・お母ちゃんの狂気!
この激しさが駆け落ちも厭わんかったマツさんの本質かもw
・誰かに貰った一言で本当に一生救われ続けることってあるよね…大袈裟でなくあるよね…おぅちゃんは八郎さんの恩人でもあるんだ…
・「声出して笑えるやん」言われた時のハチさんの顔…松下さんのこういう繊細な表情、本当にドキッとさせられる。こういうところでいつも上手い俳優さんだなあと思う。
・あっ、セリフあった!「スイカ…」
・いやいやいや三津ちゃん!それキミの口から言っちゃっちゃあダメやろ!のてんこ盛り…でもそれが嫌味なく、逆に“ミッちゃんは物言いにウラオモテがなくて可愛いなあ良いなあ”感になってるのは黒島結菜ちゃんの才能か。
発声がクリアでキモチ良く…きっと舞台でも映える俳優さんだな、結菜ちゃん。
・喜美ちゃんも三津ちゃんもお互い「八郎さんはコッチ側の人間」と思ってるんだろうな…才能って…努力って…ものづくりをする人間にとっては一生付き纏って離れない恐ろしい魔物だよなあ…
こわいよー!!!!!!