物凄くよかった。
この難しい設定の中でも、リアリティがしっかりとあり、重さだけでなくおもしろみもしっかりとあった。
程よく気の抜けるシーンもあり塩梅のバランス、また展開のスピード感もちょうどよくて、見やすさもある上に見応えも物凄くあった。
警察になる前の警察学校での色んな境遇や想いで警察を目指す人たちと冷徹な指導者とその生徒らの関わりを描く本作。
警察学校とは警察になれるかならないかのふるいにかけられる場でもあり、本作では技術や身体能力や態度などの表面的にわかる部分でなく、その人の隠されている本質の裏側の部分にまでしっかりと切り込んでいき、警察の向き不向きを判断し、それぞれへの判断を下していく。
その中で退校届をあえて渡し、いつでも辞められる、いやむしろ辞めろと言われた状態の中で選択を相手に委ねる。
それが警察への執着を見極めることにもなっていたように思えた。
それでもその職に就くために奮闘できるかどうか。
さらに風間教官はふるいにかける明確な線引きがしっかりとなされており、ラストにその線引きにおける伏線が回収される。
都築にだけ最後まで何も起きなかったのがラストのあの展開でなるほどとなったし、あのラストの一つの答えに行き着くために、それまでの風間教官とそれぞれの生徒との関わりが腑に落ちた。
ヒューマン要素だけでなく、しっかりとミステリー要素までもを入れ込んできてるのがさらに素晴らしい。
弱さに寄り添える人になること。
本作における警察官が大切にすべきことは、何も警察だけでなく他の仕事や日常生活を営む上でも大切なこと。
それは意識し続けてないとすぐに忘れてしまうことでもあった。
はたまたそれだけでなく人の本質のところまでちゃんと見ていくこと、事実だけでなく背景までしっかりと理解する努力をしていく大切さも説かれていた。
だからこそ形としていつでも思い出すように、忘れないようにというメッセージともとれる退校届がまたラストでも活きてきていた。
退校届(形)として残す意味が確かにあった。
残った5人が最後まで警察学校から追放されなかったのは、弱さがアダになって起こしてしまった結果としての悪事や叱責に値する事象であり、そこに対しての申し訳なさや後ろめたさを感じられる心を兼ね備えていたからであろう。
それこそ風間教官こそが、警察学校生徒の「弱さに寄り添うこと」に最も忠実であったと言える。
そして紛れもなく倫理観をしっかりと持った教官であり、だからこそちゃんと締まる。
一人一人を更生していったり、見たくないものを見せていき、そうすることでただならぬメッセージ性や説得力を生んでいく展開は3年A組と近しいものを感じる。
3年A組が学生向けだとしたら、教場は社会人向けである。
より深みのある3年A組感が凄かった!
このようにスタンス切っていて、重さもあり見たくないものを見せられる感あるドラマは、より多くの人に観てもらうために、幅広い層(普段映画やドラマを観ない層も含んだ)に人気のあるキャスト起用も重要だと思う。
3年A組だと菅田将暉や片寄涼太、家族ゲームだと櫻井翔。
そして教場は木村拓哉や大島優子。
あまりしたことのない役柄であえてキャスティングしていくこの挑戦は物凄い価値があると思います!
そしてそれにしっかりと応えていくキャスト陣が本当に凄くよかった。
全員よかったのは言うまでもないが、キャラ、演技としての新しさを感じて特によかったのが、木村拓哉、大島優子、林遣都、井之脇海、西畑大吾。
キャストの新境地を見せてくれたという意味でも本当に見応えしかないドラマだった。
ラストにまで豪華俳優陣が出てきたことで、続編を期待している自分がいるが、題材的にもかなり難しい気がするので、連ドラとまでは言わないからまた単発でも続きを観られたらなと。
そこでは風間教官の過去や今に至る背景についてもぜひ観たい!