遂に終わってしまった…。
久々に、別れがたいドラマだった。ドラマというよりも、この人々と離れるのがつらかった。作品という枠を超えて、毎週会いに行くような感覚だった。
『俺の話は長い』は、近年珍しいほどに「平和」で「些細な」物語だった。ニートや登校拒否、無職等々の問題を描きつつも、全てを包み込む「家族」の愛情。僕らが忘れがちな、共同生活の暖かさ。
面倒くさい人たちばかりだけど、悪人は1人もいない。だから安心して見られる。ぼやきながらも他者に向けるちょっとした親切心に、ホロリと泣かされてしまう。
あのちゃぶ台を囲めば個人は消失し、家族という集団が生まれる。当たり前のように...
遂に終わってしまった…。
久々に、別れがたいドラマだった。ドラマというよりも、この人々と離れるのがつらかった。作品という枠を超えて、毎週会いに行くような感覚だった。
『俺の話は長い』は、近年珍しいほどに「平和」で「些細な」物語だった。ニートや登校拒否、無職等々の問題を描きつつも、全てを包み込む「家族」の愛情。僕らが忘れがちな、共同生活の暖かさ。
面倒くさい人たちばかりだけど、悪人は1人もいない。だから安心して見られる。ぼやきながらも他者に向けるちょっとした親切心に、ホロリと泣かされてしまう。
あのちゃぶ台を囲めば個人は消失し、家族という集団が生まれる。当たり前のように素を見せ合い、愛情も隠さず、料理をつついて賑やかな会話を行う。そうか、本来、食卓とはこういうものだった。大袈裟でなく、あの家族に救われた人は多かったと思う。
最終回では、主人公が重い腰を上げ、面接に向かう姿が描かれる。彼を応援する家族や友人たちは、眼前で行われているマラソンのランナーに声をかけるふりをして、主人公に声援を送る。
この面倒くさくて、遠回りで、だけどまっすぐな愛情。邪気のかけらもない、素直で優しい演出。素晴らしい役者陣のナチュラルな演技。
本当に、良いドラマだった。
誰かを愛したくなる。